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シナリオは、複数のユーザーが参加した結果を描写される小説形式のコンテンツです。
「ヒロイックソングス!」の世界で起こった事件やイベントに関わることができます。

特番を狙え!『アイドルドリブン!』

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特番を狙え!『アイドルドリブン!』

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アイドルハートフルクッキング!! 5

 メインの料理が出そろった様子を見計らい、フェスタ生たちはデザートを作り始める。

 携帯ゲーム機にソフトをセットして起動したクロティア・ライハに、
 いろはが、興味を示す。
「これは、あまり生産数が多くないレアなゲーム……!!」
「はい、料理のナビやレシピが入ったゲームです。
 生産数が多くないのは……あまり売れなかったってことなんでしょうけどね。
 特に人気アイドルや、キャラクターともコラボしていませんし。
 おかげで、安かったですけど」
「特売ワゴンに投げ売りされているようなゲームにこそ名作が隠れているものよ」
 いろはの瞳が輝いている。

「ゲームなら、いろはさんも得意ですよね?
 ちょうど、初心者でも作れる料理がたくさん入ってるみたいですし、
 ホットケーキを作りましょうか」
 クロティアが提案する。
 ゲーム画面のゆるいマスコットキャラが示している料理の難易度は☆ひとつである。
「ホットケーキを作るの?
 じゃあ、一緒に作らない?
 俺、型とかいろいろ用意してるんだ♪」
 そこに、宇津塚 倖々葉がやってくる。
 倖々葉も、いろはと一緒に料理を作るつもりであった。

「かわいい。……いいかも」
 ハート形の型を見て、いろはがうなずく。

(ホットケーキなら、誰でも作れますし、大丈夫ですよね?)
(うんっ、二人がかりでフォローすればきっと……!)
 クロティアと倖々葉は、いろはがゲームの画面に集中している間に、目くばせしていた。

「俺は、この番組を見てくれた人に、料理を食べてもらうことを通じて感動を届けたいんだ。
 おいしーお菓子でみんなハピラキラリン☆になぁーれっ☆☆」
 カメラ目線で、泡立て器を持って、倖々葉は宣言する。

 そして、偶然にも、他の面々も、ホットケーキの準備をしていた。
(姉ちゃんが、よく、ホットケーキを作ってくれたけど、
 やっぱり、どこか、琴線にふれるものがあるってことかもな)
 風渡 翼は、Mr.ウィンターに声をかける。

「Mr.ウィンターくん、一緒に料理をしないか?」
「私もか?」
「んー、オレが落ち込んでる時によく姉ちゃんがお菓子作ってくれたんだけどさ。
 必ずオレにも手伝いさせてたんだよな。
 『落ち込んでいる時こそ、美味しいもののために手を動かして気分を変えよう』って」
「なるほど。そういうことなら、私も参加させていただこう」
「わかった。じゃあ、順に説明するから、
 一緒に作っていこう。
 実は我が家に伝わる秘密のレシピもあるんだ」
 そう言いつつ、翼が、ホットケーキミックスと卵、牛乳を用意する。

「全部入れたら、少しだけ、マヨネーズを加えるよ」
「なんと、マヨネーズだと? お菓子に入れて大丈夫かね?」
「ちょっとだけだよ。いわば隠し味だからな」
 驚くMr.ウィンターに、翼が微笑を浮かべる。

「なるほど、各家庭ごとに、いろいろな作り方があるんですね」
 蝶野 光も、従兄の作ってくれた料理の思い出を胸に、
 ホットケーキと、飲み物を作ろうとしていた。
「Mr.ウィンター、コーヒーはお好きですよね?」
「ああ。ホットケーキには合うだろうね」
「では、大人の味の、アイリッシュコーヒーを作りますね。
 きっと、身体も心も温まりますよ」
 光は、笑顔を浮かべ、メレンゲを泡立てる。

 光の作っているホットケーキは、
 ホットケーキミックスではなく、小麦粉と砂糖などを計って作るタイプのものである。
 手際よく、メレンゲと他の材料をさっくりと合わせていく。

「よし、こっちも焼いていくぞ」
「ああ」
 翼が、Mr.ウィンターと一緒に小さめのホットケーキを作り、たくさん焼いていく。

「Mr.ウィンター、やはり器用なんですね。型を使わずに、丸く作れるのはさすがです」
「ふふ、そうかね?」
 光に褒められて、Mr.ウィンターはまんざらでもないらしい。
「独身生活が長かったからね。
 まあ、一通りのことはできるようになるものさ」
 光は、Mr.ウィンターと話しながらも、自らはセルクル型でホットケーキを焼きつつ、
 サイフォンでコーヒーを沸かしていく。

 スタジオの中に、甘くていい香りが広がっていった。

「よし、完成だ。
 Mr.ウィンターくん、お好きな味でどうぞ。そして皆もどうぞ」

「スタンダードの蜂蜜&バター」
「苦みの効いたコーヒージャム」
「酸味の効いたラズベリージャム」
「冷たいバニラアイス」

 さまざまなトッピングをできるように、翼は、小さめのホットケーキを作っていたのだ。

「こちらも完成しました。
 飲み物も一緒にどうぞ」
 光はバターとメープルシロップを添えたホットケーキと、
 生クリームを乗せたアイリッシュコーヒーを差し出す。

 完成したホットケーキを見て、Mr.ウィンターも笑顔になる。

「完成しました!」
「よーし、ミラクル誕生☆ ハピラキラリンっ☆」
 いろはたちの作っていたホットケーキも、奇跡的に完成していた。
 
「勝因は、やはり、ゲーム機を使ったからか!?」
「クロティアさん、お手柄ですね!」
 コナツとハルも賞賛する。

「……おめでとう」
 ループゼロ・ペアが、微笑を浮かべ、
 「ある意味ラブストーリーかも」を流し始める。
 いろはの料理が完成した際に、必ず流していたが、ゲテモノ化をまぬがれたのは初めてだった。

 倖々葉のハート形の型を使って、4つのホットケーキを並べ、
 生クリームと抹茶を混ぜた緑色のクリームを表面に塗り、
 幸せの四葉のクローバーの表現をしている。


 そして、スタジオにいるみんなで、ホットケーキを食べることになった。

 アイリッシュコーヒーを飲みつつ、Mr.ウィンターは、
 いろいろなホットケーキを少しずつ試食していく。
「ホットケーキの由来ってご存知ですか。
 ふわふわの食感と優しい甘さで心がほっとするからなんですよ」
 光が、笑顔で言うと、Mr.ウィンターはうなずく。
「そうか、たしかに……」
 
「その身(ホットケーキ)一つでもいろんな経験(トッピング)を詰めば新しい発見がある。
 失恋の経験すら自らの糧(栄養)にして、また新しい道を進めばいい。
 ……ま、これも、姉ちゃんの受け売りなんだけどね」
 翼の言葉にも、Mr.ウィンターは心打たれた様子であった。

「そうか。私も一緒に作ったホットケーキを、
 この場にいるみんなと一緒に共有したい」
「じゃあ、私たちのホットケーキも食べてみて」
 いろはが言う。
「実は奥が深いホットケーキですが、今回は自信あります」
「大丈夫、見ても食べてもハピラキラリンっ☆」
 クロティアと、倖々葉もうなずいている。

「ゴクリ……い、いただこう」
 これまでのことがあるので、
 おそるおそる、いろはの差し出すホットケーキを口に運ぶMr.ウィンターだったが……。

 次の瞬間、カッと目を見開いた!

「おおッ! Mr.ウィンターが目を開けているところを始めて見たかも!!」
「これは、どういうことなんでしょうか!?
 ホットケーキの味は、果たして!?」
 コナツとハルが、実況し、スタジオ中が注目して見守るなか、いろはだけが冷静に問う。
「どうだった?」
 Mr.ウィンターが、ゆっくりと、話し始める。

「まったくの、未知の体験だった……。
 長く生きているつもりだったが、私にもまだまだ経験していないことがあるようだ。
 また、前向きに、新しい出会いを探すとしよう……。
 君たちの料理のような、素敵な存在に、きっと出会えるだろう」

 その言葉に、スタジオ中に拍手と歓声が巻き起こる。

 クロティアと倖々葉は、味が気になり、いろはと一緒に作ったホットケーキを食べる。
 次の瞬間、2人もカッと目を見開いていた。

「こんなホットケーキができるなんて、やっぱりゲームはすごいです。
 世界にはもっと面白いものがたくさんあるのかもしれないですね」
 クロティアが、感動して言う。
 まるで、初めてゲームで感動した時を思い出したように。

「料理アイドルを目指すからには、これからも、もっと、いろんな料理を食べないとね!
 そして、もっと大勢の人たちに、
 いっぱい笑顔を届ける存在になるぞ♪
 ハピラキラリン☆☆☆」
 倖々葉が、周囲に星をまき散らしながら言う。

 いろはのホットケーキには、人知を超えた謎の効果があるらしかった。

 こうして、スタジオで、みんなでわいわいと、
 楽しく仲良くホットケーキを食べる様子が映し出されたのだった……。
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