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シナリオは、複数のユーザーが参加した結果を描写される小説形式のコンテンツです。
「ヒロイックソングス!」の世界で起こった事件やイベントに関わることができます。

特番を狙え!『アイドルドリブン!』

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特番を狙え!『アイドルドリブン!』

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アイドルハートフルクッキング!! 2

「ふんふふーん♪」
 ハヤテ・シュートロックが、鼻歌を歌いながら、
 手際よく調理を進めていく。

 ハヤテが作っていたのは、前菜とスープであった。
 他のメンバーが作った料理を食べる前に、Mr.ウィンターに出すのが目的である。

「手際よく輪切りにされたモッツァレラチーズとトマトが、
 折り重なっていくよ!」
「あの緑色のハーブ……バジルを使ったソース、ジェノベーゼでしょうか。
 初夏にふさわしい、目にも鮮やかな料理ですね!」

 白いモッツァレラチーズに赤いトマト、緑色のジェノベーゼソースと、
 バジルの葉があしらわれた前菜が完成する。
「前菜は、カプレーゼのハッセルバック風や!」
 帰国子女のハヤテらしく、ヨーロッパで食べられている料理をアレンジしたものであった。

「そして、冷蔵庫で冷やしておいた、ジャガイモのスープ、ヴィシソワーズや。
 Mr.ウィンター、暑さに負けへんようにな!」

 いい香りがスタジオの中を漂う。

 ループゼロ・ペアが、ラテン系の陽気な音楽を流す。
 すると、気絶したまま椅子に運ばれていたMr.ウィンターが意識を取り戻す。

「おお、これは。
 なんと鮮やかな色彩だろう……。
 香りも素晴らしい。
 このスープの隠し味はなんだね?」
「バターで炒めた長ネギを使ってるんや。
 長ネギは日本産のハーブみたいなもんやし、夏バテしないようにな」
「ほほう……」
 Mr.ウィンターが、目を細め、ヴィシソワーズを味わう。

「おかげで、少し、活力を取り戻すことができたようだ。ありがとう」
「どういたしまして!」
 ハヤテが笑顔で言った。

 続いて、目黒 銀河が、ゆっくりと歩み寄る。
「Mr.ウィンター様、お久しぶりでございます。カウントダウンルーキー以来でございますね」
「おお、君は……Mr.メグロではないか」

 ループゼロ・ペアが、今度は和風の曲を流す。
 それに合わせ、銀河が、カウンターにおひつを乗せる。
「お話を伺いつつ、おにぎりを作りたいと考えております。
 Mr.ウィンター様、お好きな具をおっしゃっていただければ、リクエストにお応えいたします」
「そうか。では、梅干しとおかかのおにぎりをたのむよ」
「はい。それではさっそく作らせていただきます」
 スローライフで親しみやすさを演出しながら、
 銀河は、Mr.ウィンターのことを考えつつ、おにぎりを丁寧に作っていく。

「どうぞ。冷酒とご一緒に、と思ったのですが、番組はまだまだ続いてまいりますので」
 銀河は、緑茶と一緒に、おにぎりを出す。
「ああ、まるで、昔、母が作ってくれた料理のようだ……」
 Mr.ウィンターは、遠い日を懐かしむような瞳で、その様子を見る。
「恐れ入ります」
 銀河は優雅に一礼した。

「ふむ。まさにおふくろの味、というところだな。
 目の前で作るというのも、なかなか味な演出だ」
 ノノ ネネが、いつのまにか、Mr.ウィンターの隣の席に座っている。
 一緒に、料理の品評をしようとしているらしい。
 また、もう一つの目的もあった。

「Mr.ウィンター、いったいなにがあったのだ?
 ノノネネは、時間を巻き戻すことはできないが、話を聞くことはできる。
 少しでも役に立てればいいのだが」
「実は……」

 Mr.ウィンターが、事情を語り始める。
 なんでも、去年の婚活パーティーで出会った女性と
 趣味のガーデニングでうちとけたものの、
 夏に向けて育てた花のカラーリングが原因で、嫌われてしまったらしい。

「いったい、何がいけなかったのだろう……」
「花の写真を持っているのか。
 どれ、見せてくれ」
 ノノネネは、写真を見て驚く。
「こ、これは……!?」

 黒薔薇や黒百合の咲き乱れる真っ黒な花壇……。
 その中で立っている、笑顔のMr.ウィンターが異様な感じであった。

「夏と言えば、まぶしい光。光と言えば影。影と言えば黒。そう思わないかね」
「これは……ま、まあ、きっと、好みの問題なのではないだろうか」
 ノノネネは、どう考えても、一般受けはしないだろうと思いつつも、
 Mr.ウィンターの気持ちを考えて言ったのだった。

「ええ、一所懸命に育てていらっしゃったのでございますね。
 花への愛情が伝わってまいります」
 銀河も、Mr.ウィンターにスペルワーディングで励ましの言葉を述べる。

「恋に、年齢も性別も果てには種族さえも関係ありません。
 ただ、相手を欲し、想い、焦がれる。それだけなのですから」
「うう、ありがとう……」
 Mr.ウィンターは、おにぎりを食べつつ、涙を流していた。

「この塩鮭のおにぎりもなかなかだな」
「ああ、涙で少ししょっぱいよ……」
 ノノネネはMr.ウィンターとともに、おにぎりを食べ続けていた。
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