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シナリオは、複数のユーザーが参加した結果を描写される小説形式のコンテンツです。
「ヒロイックソングス!」の世界で起こった事件やイベントに関わることができます。

特番を狙え!『アイドルドリブン!』

リアクション公開中!
特番を狙え!『アイドルドリブン!』

リアクション

アイドルハートフルクッキング!! 1

 Mr.ウィンターのドアップが画面に映し出される。

「はあ……もうすぐ夏か……太陽がまぶしいばかりだね……フフ……」
「落ち込んでるのね?」
 村雲 いろは(むらくも いろは)は、エプロンを手に決意したようだった。

「さあ、Mr.ウィンターの傷心を癒してあげてねっ!」
「アイドルのみなさん、お願いしまーす!」
 コナツとハルの進行で、コーナーが始まった。

「私のハートを満たしてくれ……」


 夏も近いのに、凍えそうな冷たさの木枯らしがスタジオを吹き抜けたようであった。

 テンション低く、どんよりとした空気に包まれている、Mr.ウィンターだが。

 チェック&パーカーの黒いパーカーのフードをかぶり、
 サングラスをかけた兎多園 詩籠が、マイクを手に現れる。
 少し前かがみの不良っぽい動作で、Mr.ウィンターに近づいていく。

 皆が注目する中、詩籠がポケットに入れた左手を出す。
 そして、音楽なしでラップを歌い始めた。

「YO! 初めましてドリブンの皆さん ロマンスブルー励ましに見参
 MC.UTA(ウタ)お見知りおきを 激励文句も直接来いよ
 アイドルの汗水賞味する美食家 自分が賞味された評価にショックか?
 今夜も集ったアイドルの原石 あんたの心温めるための宴席
 僕のは食べれる物じゃないけども 喰うにも喰えない食わせなゲテモノ
 RAPはお好き? 良いからお聞き これから始める 本題聴かせる
 ハートブレイクなMr.ウィンター! ハート見せに来る僕らなめんなー?
 アイドル目指して気分は恋愛 みたいに焦がれて見る夢でっかい
 放送されない失恋の気分 それでも止めない僕らのドリブン
 ミッション失敗? 見られる醜態? そんなのなんだい! 挑むぜ限界!
 今夜はあんたの番だぜウィンター そろそろ動かせ次へのウィンカー
 最後に僕からおすすめコーヒー 缶入り微糖アイスでおいしー
 遠慮せずどぞどぞ飲んで下さい 本日の御無礼お許し下さい」

 MC.UTA(ウタ)こと、
 詩籠がラップを歌い終えるなり、缶コーヒーを出して、Mr.ウィンターの前に置く。

 突然のラップに、驚いた様子のMr.ウィンターだが、微笑を浮かべ、缶コーヒーを手に取ってくれた。
「ありがとう。君の気持ちを受け取ったよ。今日は、皆の作ってくれる料理に期待するとしよう」

 MC.UTAは、親指を立てて、わざとワルっぽいしぐさで、大きくうなずく。

「まさかのラップ! これは、完全に予想外だったよ!」
「打ち合わせとかしてませんからね! でも、あったまってきました!」
 コナツとハルも、驚きつつも、MC.UTAを称賛していた。

「うん、たしかに。微糖で大人の味だな」
 Mr.ウィンターが、缶コーヒーを味わっている。


☆★☆



 そのころ、いろははというと……。

 川村 萌夏と一緒に、ガスマスクにレインコートという完全武装で、
 クーラーボックスを開封した。

 中には、シュールストレミングの缶詰が入っている。

「もう一度言うけど、
 缶詰が爆発する場合もあるし、ものすごいにおいがするから注意してね」
「わかった」
 ガスマスク越しに、くぐもった声で、萌夏といろはが会話する。

 シュールストレミングは、「世界一臭い食べ物」と言われているニシンの缶詰である。
 萌夏たちは、服に汁がつかないように、レインコートまで着用していたのだった。

 シュールストレミングのサンドイッチが、
 今回、萌夏がいろはと一緒に作る予定のメニューである。

 萌夏が、缶詰を開けようとしたとたん、スタジオには異臭がたちこめた。

「くさっ!? この臭いはいったいー!?」
「こんな臭い、いままでかいだことありませんよ!」
 コナツとハルが叫び、Mr.ウィンターは、逃げ出していた。

「心を込めて作ったので、ぜひ食べてください!!」
 しかし、萌夏がMr.ウィンターを捕まえる。
「は、はなしたまえっ……!」

 そこに、ガスマスクをつけたまま、いろはが、
 シュールストレミングのサンドイッチを持ってくる。

「えっ!? パンに野菜と一緒にはさんだだけなのに、なぜ!?」

 いろはの持っているシュールストレミングのサンドイッチは、
 なぜか、直視することがはばかられるような外見となっていた。

「シュールストレミングがこんな外見なわけない……いったい何をしたの!?」
 萌夏の問いに、いろはは、首を振る。
「何もしてない? そ、そんなわけが……」



ザー……



 画面がグレーの砂嵐になってしまった。
 ゲテモノを映しすぎたため、カメラが故障してしまったのだ。



「しばらくおまちください」




 ループゼロ・ペアは、料理に合った音楽を用意していた。
 いろはも歌っている「ある意味ラブストーリーかも」が流され、
 「PRESENTSMILE」の笑顔の録画が流された。

 一瞬、倒れているMr.ウィンターが映ってしまうが……。

「カメラ切り替えて!!」
 コナツとハルが慌てて進行を行う。
「続いて、ミニライブのコーナーです!!」


 ステージに上がった霧崎 玲奈が、オープニングナンバーを歌い始める。
(僕の歌でなんとかしないと……いろはも見ててくれ……)
 玲奈は、ステージで踊り、視聴者の注目を集める。

 そして、歌い終えると、玲奈はステージの脇にいた、いろはに話しかける。
「いろは、僕のライブどうだった?」
「よかったわ」
「本当? よかった。
 僕、これからもっと頑張るよ、いろはともっとアイドルとして競い合いたいしね」
 玲奈は笑顔でうなずく。
 いろはは、普段通りにしており、さっきのガスマスクなどは、スタッフが片づけて、
 何もなかったかのようになっている。

 こうして、番組は続けられていくのであった。
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