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シナリオは、複数のユーザーが参加した結果を描写される小説形式のコンテンツです。
「ヒロイックソングス!」の世界で起こった事件やイベントに関わることができます。

歩く今と見る未来

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歩く今と見る未来
  • 歩く今と見る未来

リアクション

■最良と最悪


 朝、フェイトスターアカデミー、校内。

「未来飴がどういう物か興味があるし、特に難しい事はなさそうだしな」
 行坂 貫は、興味のため桃子から未来飴を貰い
「フェスタに来たばかりの逸に丁度良さそうな仕事を見付けたから、一緒にどうだ?」
 逸 庚を誘う。
「……構わねえよ」
 逸は誘いを受けた。

「……この味は」
 料理が得意な貫は、未来飴を分析しつつ、未来を迎えた。
(……場所はどこだ……戦闘中か何かか?)
 場所はよく見えず分からないが、平和ではないのは確か。
(……出血しているようだな……どう見ても……死の間際だ)
 未来の自分は何やら出血し、死の間際。
(周囲がよく見えなくてどういう状況か分からないが、ここには俺しかいないのか、誰か他にもいるのか)
 詳しい周囲の状況だけでなく
(……そもそも、俺が死んでいく直接の原因は何だ?)
 一番肝心な事さえ分からない。
(……笑顔だな)
 明らかなのは、自身が笑顔で息を引き取ろうとしている事のみ。
(……俺の外見はほぼ変わっていないし割と近い未来だろうか?)
 ふと、未来の自分が今とそれほど違わない事に気付くも
(……ならば、俺の願いは叶うんだな。大切な人より先に死にたいって俺の願いは)
 今の貫は、至極満足そうであった。

「悪くねぇな」
 続いて逸も未来飴を口に入れ、程よい甘さと同時に未来を迎えた。
(……どう見ても平和とは言えないな……)
 酷い未来の風景の中
「おい、貫!!」
 未来の逸の焦った声が響く。
(……この焦った声……)
 逸は、未来の自分の様子から嫌な予感が胸に過ぎる。
 予感は的中。
「すぐに血を止めてやるからな!!」
 未来の逸は、叫びながら血を流す貫を必死に『応急手当』をしている。
(……何で死にかけてんだ。何があったんだ?)
 どう見ても手遅れなのは明らかな上に、今の逸には詳しい状況が分からず、未来の自分以上に焦る。
(誰かをかばったのか? それとも無茶したのか?)
 今の逸は、原因を突き止めようとするが
(俺の姿は今とそれ程変わらないって事は近い未来なのか、これは!)
 分かったのは、未来の自分にそれ程変化が無い事ぐらい。
 その事実は
(くっそ! よく見えねえ。もっと何か分かったら変えられるかもしれねえのに!)
 一層逸を不安にさせた。

「……幸せな未来だったな」
 未来から覚めた貫は、余韻に浸った後
「それにしても、あの飴ってどういう原理何だろう?」
 未来飴に興味を傾けた。
 その時
「アイドルはどこかなぁ」
 協力者捜しをする桃子が通りかかり
「モコ」
 貫は声を掛けた。
「どうしたの? 未来飴舐めたの?」
 振り返った桃子が訊ねた。
「あぁ、丁度舐め終わった所だ。インタビューをしてくれて構わない」
 貫が答えた。遅れて未来飴を使った逸は、まだ未来の中。
「じゃぁ、どんな未来を見たの?」
 桃子は、興味津々に訊ねた。
「自分の願いが叶うその瞬間を見せて貰った。俺にとってはとても幸せな未来だった(自分が死ぬ瞬間なんて言う訳にはいかないしな)」
 貫は未来の事を語るが、内容が内容だけに詳しい事は話さない。
「その未来が本当に来たらいいねっ!!」
 何も知らぬ桃子は笑顔で、貫の幸せを願った。
 瞬間
「おい!」
 未来から覚めた逸が、胸ぐらを掴むような勢いでモコに詰め寄り
「今見た未来は確定した未来なのか!? それとも変わる可能性もあるのか!?」
 おっかない気迫で責め立てる。
「その、飴はイクスピナのお菓子屋さんで買った物で……お店の人も楽しむ物だって……多分、変えられると思うよ……」
 ガタイの良い逸に迫られ、桃子はすっかり怯えた。
「落ち着け、逸。そんなに嫌な物でも見たのか? モコを責めても仕方ないだろ?」
 貫が急いで止めに入った。
「分かってる! こいつを責めたって何にもならないしこいつは何も悪くないって……分かってる! だがよ、俺は、俺は絶対あんな未来にはさせないからな!」
 逸は止められた事で、多少落ち着きを取り戻すも
「最低最悪の未来だった、悪ぃけど内容を語る気にもならねえ」
 顔色は変わらぬまま詳しい事は言わず、さっさと立ち去った。
「あ、ありがとうっ!! 協力してくれて」
 桃子は怯えが抜けない調子で、逸を見送った。
 去る逸の背中を見送りつつ
「あんなに取り乱すとは逸も同じ未来見たのかな」
 貫は、ふと逸が見た未来が気になった。

「そういえば貫の奴は何を見たんだ?」
 一足先に去った逸もまた貫が見た未来に興味を持った。
「……同じ未来見てもあいつなら落ち着いてそうで嫌なんだよなあ」
 聞いていないにも関わらず逸は、何となく予想がついていた。実は、貫が己を大事にしない奴だと何となく察し守ろうと、逸は決めているのだ。
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