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シナリオは、複数のユーザーが参加した結果を描写される小説形式のコンテンツです。
「ヒロイックソングス!」の世界で起こった事件やイベントに関わることができます。

バレンタイン・ブライド!

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■ホワイトウォーターフロント■

 舞台はホワイトウォーターフロントに移る。
 海辺のリゾートを模したエリアだけあって、チャペルからは見事な海が見える。
 

【You are my happy blue.~藤×一晴】

 木戸 一晴は一人、所在なげに新郎控室にいる。
 
 フェスタに来て二年。
 まさかこの歳で結婚する事になるとは想像もしていなかった。
 だがしかし、勿論一晴は、後悔などしていない。
 大好きな人と、これからも一緒に在るという契りを結べるのだから。

「とはいえ、流石に緊張するな」
 
(ヘマをしたら、いつもみたいにおどけて……とはいかないし、いかせたくない)

「よしっ……!」

 一晴は身なりを正し、気合を入れて新婦を迎えに行った。
 
 
「青いウェディングドレスにしてみたんだけど……どーだろ、似合うかな……?」

 氷堂 藤は照れ臭そうに一晴の前に立つ。

「っと、ん……綺麗だよ、藤。
 いつもは可愛いって、思う事が多いけど……うん、惚れ直した」

「ハル……」

 藤の手には、ブルースター、藤、青薔薇を使用したブーケ。
 今日の藤は純白の花嫁ではなく、青の花嫁だ。
 
(私はきっと、とうの昔にハル――あなたの色に染まってる)
 
 藤にとって、青は一晴の色――。
 

 ♪♪~

 厳かで美しい曲が響く中、二人はチャペルに足を踏み入れた。
 チャペルからは、ホワイトウォーターフロントの青い青い海が見える。
 海と繋がっている空も、どこまでも晴れやかに青い。

 祭壇には進行役のハル。
 緊張気味の二人に、ハルが笑いかける。

「ハルがハルの結婚式のお手伝いするなんて、いい思い出になるでしょ」

 3人は微笑みあい、その場の緊張がとけ、誓いの言葉となった。

「一晴。あなたは、ここにいる藤を妻として、
 その健やかなる時も、病める時も、富める時も、貧しき時も、
 愛し、敬い、慈しみ、生涯真心を尽くすと誓いますか?」

「はい。誓います」

「藤。あなたは、ここにいる一晴を夫として、
 その健やかなる時も、病める時も、富める時も、貧しき時も、
 愛し、敬い、慈しみ、生涯真心を尽くすと誓いますか?」

「はい。誓います」

 続いてハルは、指輪の交換を宣言。
 まずは一晴が、藤の手を取った。
 
 こんな大事な瞬間だったので、一晴はフェスタに来てから起こった、良いこと悪いこと、色んなことを思い出した。

(俺は中途半端で、自分の自業自得という事も多かった。
 それでもずっと、藤がいた。いてくれた。
 そのことに、どれだけ救われた?
 その救われた分、俺は返す事が出来てきていただろうか)

 返せていない――そう感じつつ、一晴はリングピローから指輪を抜き取る。
 一方的で勝手かも知れないと判っていても、藤に感謝の気持ちを伝えたかった。

「藤。一緒に居てくれて、ありがとう……」
 
 もちろん、藤が一晴のことを勝手だなどと感じるわけがない。
 
「……えへへ、私こそ。……ありがとう。
 私がハルにしてあげられたことは、隣にいることだけだった。
 けど私は、ハルからたくさん……たくさん貰ってきたよ」

 藤もまた、一晴と同じように感謝してもしきれない気持ちを抱いている。

「なのに私、今までわがままで、振り回してばかりだったね……」

 一晴は微笑み首を横に振りながら、藤の指にゆっくりと指輪を押し込んた。
 
「愛してる。だから……どうか、藤……」

 言葉に詰まった一晴の手を取ると、藤は彼の指に指輪をはめていく。

「いーよ。私、ハルに愛されてあげる。
 ……だから、これからもそばにいて、私にもハルを愛させて?
 私に、ハルを幸せに出来るかはわかんないけど、あなたの隣は幸せだよ。
 ハルは私の『幸せの青』だからね」

 その言葉を聞いた一晴が、強い瞳できっぱりと男らしく言った。

「これからも、一緒に歩いてゆこう」

 藤の目には、すでに幸せな涙がにじんでいる。
 
「私の未来はぜんぶ、ハルにあげる。これからも、隣で生きて行く」


 青い空と青い海の見えるそのチャペルで、青い二人は、誓いのキスを交わす――。
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