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シナリオは、複数のユーザーが参加した結果を描写される小説形式のコンテンツです。
「ヒロイックソングス!」の世界で起こった事件やイベントに関わることができます。

バレンタイン・ブライド!

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 リリカルカントリーのメルヘンチックな森を抜けた先には、お菓子のオブジェで出来たお城がある。
 今日はヴァレンタインの計らいで、内部が開放的なチャペルになっており、たくさんのフェスタ生が参列していた。

 
【Wウエディングドレス~サヤカ×涼】

 設えられた祭壇には、相沢 涼サヤカ・ムーンアイル

「それではこれより、結婚式を始めます」
 
 式を進行するのはアルカ・ライム
 真剣な表情で、式を進行するアルカの横には、剣堂 愛菜
 新婦のサヤカが『師匠』と慕う愛菜は、神主のような司祭のような、この儀式を司る役目を担っていく。

 純白のドレスに身を包んだサヤカは、隣りの涼をそっと見上げる。
 タキシード姿の涼は、凛々しい新郎の顔をしている。
 女の子と間違われて、男から告白までされたことがあるとはとても思えない。

 サヤカは涼のヒーローらしさ、たくましさに心惹かれた。
 自分をしっかり持っている涼と共に過ごす事で、不安だらけなおのれの生活が、幸せなものになると感じた。
 アイドルをやっていくことで、涼の一番の心の支えになりたい――サヤカはそう願っている。
 
 大きな声が出ない愛菜は、手にしていたスケッチブックをはらりと開いて見せた。
 そこにはこんな文字が――

『愛を誓う?』 

 アルカがうなずき、厳かな声で新郎新婦を見た。

「涼。あなたは、サヤカを妻とし、
 その健やかなる時も、病める時も、富める時も、貧しき時も、
 愛し、敬い、慈しむ事を誓いますか?」
 
「はい。誓います」

「サヤカ。あなたは、涼を夫とし、
 その健やかなる時も、病める時も、富める時も、貧しき時も、
 愛し、敬い、慈しむ事を誓いますか?」

「はい。誓います」

 愛菜がはらりとスケッチブックをめくる。

『あたしの事は、世界で世界で三番目に愛する?』
 
「「「えっ!?」」」

 二人だけでなく、アルカまでがビックリする。
 
『今のはジョーク』

 サヤカと涼は顔を見合わせ苦笑いし、アルカが愛菜をちょっとにらむ。
 場内には好意的な笑い声が響き、場が和んだ。
 愛菜はどんどん、スケッチブックを開き、式は進行していく。
 
『指輪はめて?』

『キスして?』

 二人が誓いのキスをすると、感動したのか、アルカが瞳を潤ませた。

(うん、アルカちゃん可愛い……)

 愛菜は新郎新婦のほうよりも、むしろアルカに目を奪われてしまう。
 しかし今は大切な結婚式。

(よし、真面目にやろう)

 愛菜は自分に言い聞かせ【ピーターパン・シンドローム】で祭壇から飛び立ち、盛大な麦チョコシャワー。
 
「楽しい演出ですね」

 アルカも喜んでいるので、いっそう張り切れた。
 
 いっぽう祭壇のサヤカは、参列してくれたフェスタ生にむけて感謝と幸せの思いを込めた【リミットキッス】混じりの投げキッス
 最後は赤くなりつつも、隣の涼にもありったけのキスをする。
 
 チャペルが賑やかさに包まれる中。
 飛翔して麦チョコシャワーをしている愛菜と、キスを終えたタキシード姿の涼の目が合う。

 愛菜が考えていることを感じ取った涼は、仮想体で『女性』へと姿を変える。
 いっぽう、涼の気持ちを感じ取った愛菜は、彼に【深夜零時までの魔法】をかけた。
  
 ウエディングドレスの女性に変身した涼を見て、参列席には「待ってました!」という雰囲気が生まれた。
 
(好きでやってるわけじゃないけど、期待されてるなら着ないわけにもいかない)

 涼は、女性アイドルとしてデビューして、仕事として女の子の振る舞いをしてきた。
 それはすなわち『人々や世間に嘘をつく行為』であり、決して気乗りするものではなかった。
 好きでやってるわけではないが、期待されてるなら着ないわけにもいかない、というのが涼の感覚だった。
 
「サヤカが望むなら女の子として振る舞うのも悪くない……のかな?」

 そんな風に考えながら、涼は妻となったサヤカの様子をこっそりと見た。
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