バレンタイン・ブライド!
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リアクション
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リリカルカントリーの、メルヘンチックな森の中。
薔薇の洋館のさらに奥には、ひっそりと、森のガーデンチャペルが設えられていた。
飾りつけもセッティングも、準備はすっかり整ったように見えるが……
【Candy Forest~困難もふたりの幸せへ~淳×音羽】
「マジで?」
緑と花で作られたメルヘンチックな祭壇の前、花婿衣装の麦倉 淳が声をあげる。
淳の前には進行役の乃地はくまと、彼の相棒であるオカリナネズミのホワイト。
「そうなんだ。手違いがあって、どうしても間に合わないって」
「どうかしたの?」
そこに現れたのは矢野 音羽。
フルートバードのゆきみを連れ、今日の日のためのウエディングドレスを着ている。
「え? ウエディングケーキがないの?」
事情を聞いた音羽が、ふと何かに気付き、淳を見つめる。
「なんだかさっきから、甘い香りがすると思わない?」
「そういえばここ、『おもちゃとお菓子の国』っていうコンセプトだったっけ」
リリカルカントリーはオブジェや演出で作られた人工的な『おもちゃとお菓子の国』だ。
しかしヴァレンタインやニコラウスがはりきっている今日は、特別な魔法がかかっていてもおかしくはない。
「夫婦の最初の関門だな。乗り切ってみよう」
淳と音羽は見つめあい、うなずいた。
「フフフ……」
ガーデンチャペルの木陰には、不敵に笑うニコラウスの姿があった。
「魔法をかけておいて大正解だったニコ。あの二人なら、きっと大丈夫ニコ♪」
ニコラウスはそうつぶやくと、あっという間にどこかへ消えた。
「ろくべえ、少し手伝って」
淳がトランペットイヌのろくべえを召喚する。
ろくべえはくんくんしながらすぐそばの木の切り株に近づき、そこで吠えた。
切り株の根元では、ミニうさのあかりが、もっふりとうずくまり眠っている。
「あかり、いつの間に」
「これって……【切り株バウム】だわ?」
「うわあ本当だ。ベタベタする」
そこでろくべえが【イッヌファイア】。
いきなり火を吹いたので一同は驚いたが……
「え……【切り株バウム】のべたべたが乾いて、いい感じに香ばしいかも?」
「デコレーションをすれば、ケーキになるわね」
続いてゆきみが、苺がたくさん自生している茂みを見つけ出した。
「苺、大好きよ。ゆきみ、ありがとう」
音羽はゆきみを撫でてやった。
さらに探索すると、森にはミルクの川が流れていた。
苺の他にも果物はあちこちに自生しており、二人はそれらを使ってフルーツクリームを作った。
べとべとを除去した【切り株バウム】にフルーツクリームをかけ、苺をたくさん飾った。
最後に音羽が、美味しく食べられる薔薇【エディブルローズ】を。
淳は【盛り付けテクニック】を駆使して、とびきり綺麗に目立つ場所に【メレンゲドール】を飾り、ケーキは無事に完成した。
♪♪~
式の始まりを示す厳かな音楽が流れると、音羽が【ブルームミュージック】の花びらや香りでその場を演出する。
木々がざわめき、ミルクの川のせせらぎが聞こえる。
お菓子やおもちゃで出来た小動物や小鳥が、ひょっこりと顔を出してかわいらしい。
音羽のウエディングドレスの、ショートケーキの生クリームのような純白の布地は、日差しを受けてキラキラと輝く。
森の奥。二人(と3匹)きりの挙式は、和気あいあいとして温かだった。
「最初の困難を、力を合わせて、楽しんで乗り切っていたね。
夫婦になった二人は、これからもこうやって協力しあって、
健やかなる時も、病める時も、富める時も、貧しき時も、愛し、敬い、慈しみ、
夫婦二人……
プラスこの小さな仲間達と共に、しっかり生きていくと誓いますか? 淳」
はくまが淳を見つめる。
「はい、誓います。
これからも音羽と一緒に、
困難もハプニングも力を合わせて乗り越えて幸せに変えていく」
「音羽は?」
「はい、誓います。
ちょっとハプニングはあったけど淳さんや皆とケーキを作れたし、
協力すれば楽しい式になるのね。
これからも一緒にどんな事も乗り越えていこうね」
二人は、お揃いで身につけているネックレス――結婚のお祝いの頂きものの【山茶花のリングネックレス】を手に取り見せ合う。
あかりがぴょんと飛び跳ね、星獣達が祝福の歌を歌い始めた。
そして二人は、思い出深いケーキの前で、誓いのキスをする。
リリカルカントリーの、メルヘンチックな森の中。
薔薇の洋館のさらに奥には、ひっそりと、森のガーデンチャペルが設えられていた。
飾りつけもセッティングも、準備はすっかり整ったように見えるが……
【Candy Forest~困難もふたりの幸せへ~淳×音羽】
「マジで?」
緑と花で作られたメルヘンチックな祭壇の前、花婿衣装の麦倉 淳が声をあげる。
淳の前には進行役の乃地はくまと、彼の相棒であるオカリナネズミのホワイト。
「そうなんだ。手違いがあって、どうしても間に合わないって」
「どうかしたの?」
そこに現れたのは矢野 音羽。
フルートバードのゆきみを連れ、今日の日のためのウエディングドレスを着ている。
「え? ウエディングケーキがないの?」
事情を聞いた音羽が、ふと何かに気付き、淳を見つめる。
「なんだかさっきから、甘い香りがすると思わない?」
「そういえばここ、『おもちゃとお菓子の国』っていうコンセプトだったっけ」
リリカルカントリーはオブジェや演出で作られた人工的な『おもちゃとお菓子の国』だ。
しかしヴァレンタインやニコラウスがはりきっている今日は、特別な魔法がかかっていてもおかしくはない。
「夫婦の最初の関門だな。乗り切ってみよう」
淳と音羽は見つめあい、うなずいた。
「フフフ……」
ガーデンチャペルの木陰には、不敵に笑うニコラウスの姿があった。
「魔法をかけておいて大正解だったニコ。あの二人なら、きっと大丈夫ニコ♪」
ニコラウスはそうつぶやくと、あっという間にどこかへ消えた。
「ろくべえ、少し手伝って」
淳がトランペットイヌのろくべえを召喚する。
ろくべえはくんくんしながらすぐそばの木の切り株に近づき、そこで吠えた。
切り株の根元では、ミニうさのあかりが、もっふりとうずくまり眠っている。
「あかり、いつの間に」
「これって……【切り株バウム】だわ?」
「うわあ本当だ。ベタベタする」
そこでろくべえが【イッヌファイア】。
いきなり火を吹いたので一同は驚いたが……
「え……【切り株バウム】のべたべたが乾いて、いい感じに香ばしいかも?」
「デコレーションをすれば、ケーキになるわね」
続いてゆきみが、苺がたくさん自生している茂みを見つけ出した。
「苺、大好きよ。ゆきみ、ありがとう」
音羽はゆきみを撫でてやった。
さらに探索すると、森にはミルクの川が流れていた。
苺の他にも果物はあちこちに自生しており、二人はそれらを使ってフルーツクリームを作った。
べとべとを除去した【切り株バウム】にフルーツクリームをかけ、苺をたくさん飾った。
最後に音羽が、美味しく食べられる薔薇【エディブルローズ】を。
淳は【盛り付けテクニック】を駆使して、とびきり綺麗に目立つ場所に【メレンゲドール】を飾り、ケーキは無事に完成した。
♪♪~
式の始まりを示す厳かな音楽が流れると、音羽が【ブルームミュージック】の花びらや香りでその場を演出する。
木々がざわめき、ミルクの川のせせらぎが聞こえる。
お菓子やおもちゃで出来た小動物や小鳥が、ひょっこりと顔を出してかわいらしい。
音羽のウエディングドレスの、ショートケーキの生クリームのような純白の布地は、日差しを受けてキラキラと輝く。
森の奥。二人(と3匹)きりの挙式は、和気あいあいとして温かだった。
「最初の困難を、力を合わせて、楽しんで乗り切っていたね。
夫婦になった二人は、これからもこうやって協力しあって、
健やかなる時も、病める時も、富める時も、貧しき時も、愛し、敬い、慈しみ、
夫婦二人……
プラスこの小さな仲間達と共に、しっかり生きていくと誓いますか? 淳」
はくまが淳を見つめる。
「はい、誓います。
これからも音羽と一緒に、
困難もハプニングも力を合わせて乗り越えて幸せに変えていく」
「音羽は?」
「はい、誓います。
ちょっとハプニングはあったけど淳さんや皆とケーキを作れたし、
協力すれば楽しい式になるのね。
これからも一緒にどんな事も乗り越えていこうね」
二人は、お揃いで身につけているネックレス――結婚のお祝いの頂きものの【山茶花のリングネックレス】を手に取り見せ合う。
あかりがぴょんと飛び跳ね、星獣達が祝福の歌を歌い始めた。
そして二人は、思い出深いケーキの前で、誓いのキスをする。