バレンタイン・ブライド!
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リアクション
◆溢れる想い
瀬那覇 智里はオキナワっぽい感じのホワイトウォーターフロントにキョウヤを呼び出し、模擬結婚式をしようと誘った。
「おねーさんは……いや、私はキョウヤ君のタキシード姿が見たい。だって中学生のキョウヤ君のタキシード姿とか今しか見れないよ?! 中学生でも式を完璧にこなしそうだし、絶対カッコいいって! 土下座してでも、何でもするからして欲しいよ!」
食い気味に言われて、キョウヤは赤面した。
「そ、そういうのは僕がもっと大きくなってからにしてくれよ」
顔を背けて困っているキョウヤに、智里はトーンを下げる。
「この前、本来の姿知られたから何も怖くないし……だからこそ、もう一度思いを伝えたいし」
ふと智里は辺りを見回した。
「それにしてもレストランが沢山……模擬結婚式だけど……美味しい物食べられたりしないかなぁ? 結婚式関係の知識、全くないからウエディングドレス含めて全部お任せしちゃって良いかな? さすがに式の流れとか必要な知識は聞きたいけど」
智里は遠い目をして何かを思い、黙りこくっているキョウヤに再び語りかける。
「ねぇキョウヤ君。私は19歳で不真面目と真面目を使い分けるし、人に言えないようなド変態な要素もある。性格だって、趣味だって、体型も君好みじゃないって分かってる。それでも……」
智里は息を継いだ。
「君は私の本当の姿を見つけてくれて、私を何度も助けてくれた。私の笑顔を見て目をそらしたり、格好良くDマテ操ってるクールな所も、年相応に慌てふためいたり、目を輝かせる所も、それらが全部愛おしくて。私、やっぱりキョウヤ君と恋人になりたい。恋人としてキョウヤ君と色んな思い出を作っていきたいよ」
そして智里は照れ隠しするように、最後にふざけるみたいな調子で言った。
「だからいつかはキョウヤ君の本当のお嫁さんにしてくれないかなぁ……って。駄目?」
「……いつかは、だぞ」
ふいっと視線を逸らせて海を眺め、キョウヤはぼそっと呟いた。
それはきっと彼の精一杯の格好つけで、そして照れ隠しだったのだろう。
***
今日はマリパラで行われるたくさんの結婚式の準備で、ヴァレンタインやニコラウスは大忙しだ。
そんな二人を手伝おうと思って小鈴木 あえかはやって来た。
細やかに動いて二人の雑用をテキパキとこなしていく。
用事が一段落したところで、三人はお茶をのみながら休憩を取った。
「あえかさん、今日は手伝ってくださってどうもありがとう」
ヴァレンタインが丁寧に礼を言うと、ニコラウスもそれに続く。
「あなたのお陰で、準備もすご~く楽しくできたニコ」
二人の気さくな雰囲気に安心して、あえかは聞きたいと思っていたことを思い切って聞いてみた。
「あの……お二人はどうしてみんなの幸せのために頑張れるのですか?」
どうしてと聞かれてヴァレンタインは一瞬きょとんとしたが、すぐににっこりと微笑んで答えた。
「私たちは、これが好きでやっているだけですから」
ねぇ、と振られてニコラウスも頷く。
「忙しいことも楽しいニコ。それがお祝い事だともっと楽しいニコよ」
朗らかな二人を見てあえかは落ち込む。
「どうしてそんなに強いんですか?……わたしはオトナになりたいです。わがまま言わないで我慢しないとオトナになれないので、お二人みたいに強くなりたいんです」
俯いてしまったあえかに、ヴァレンタインとニコラウスは顔を見合わせた。
「自分のやりたいことがあるなら、やらないとダメニコ!」
ニコラウスがあえかの背中をバシッと叩いた。
背中の痛みにニコラウスの情を感じて、少し寂しさが薄れるあえかだった。
瀬那覇 智里はオキナワっぽい感じのホワイトウォーターフロントにキョウヤを呼び出し、模擬結婚式をしようと誘った。
「おねーさんは……いや、私はキョウヤ君のタキシード姿が見たい。だって中学生のキョウヤ君のタキシード姿とか今しか見れないよ?! 中学生でも式を完璧にこなしそうだし、絶対カッコいいって! 土下座してでも、何でもするからして欲しいよ!」
食い気味に言われて、キョウヤは赤面した。
「そ、そういうのは僕がもっと大きくなってからにしてくれよ」
顔を背けて困っているキョウヤに、智里はトーンを下げる。
「この前、本来の姿知られたから何も怖くないし……だからこそ、もう一度思いを伝えたいし」
ふと智里は辺りを見回した。
「それにしてもレストランが沢山……模擬結婚式だけど……美味しい物食べられたりしないかなぁ? 結婚式関係の知識、全くないからウエディングドレス含めて全部お任せしちゃって良いかな? さすがに式の流れとか必要な知識は聞きたいけど」
智里は遠い目をして何かを思い、黙りこくっているキョウヤに再び語りかける。
「ねぇキョウヤ君。私は19歳で不真面目と真面目を使い分けるし、人に言えないようなド変態な要素もある。性格だって、趣味だって、体型も君好みじゃないって分かってる。それでも……」
智里は息を継いだ。
「君は私の本当の姿を見つけてくれて、私を何度も助けてくれた。私の笑顔を見て目をそらしたり、格好良くDマテ操ってるクールな所も、年相応に慌てふためいたり、目を輝かせる所も、それらが全部愛おしくて。私、やっぱりキョウヤ君と恋人になりたい。恋人としてキョウヤ君と色んな思い出を作っていきたいよ」
そして智里は照れ隠しするように、最後にふざけるみたいな調子で言った。
「だからいつかはキョウヤ君の本当のお嫁さんにしてくれないかなぁ……って。駄目?」
「……いつかは、だぞ」
ふいっと視線を逸らせて海を眺め、キョウヤはぼそっと呟いた。
それはきっと彼の精一杯の格好つけで、そして照れ隠しだったのだろう。
***
今日はマリパラで行われるたくさんの結婚式の準備で、ヴァレンタインやニコラウスは大忙しだ。
そんな二人を手伝おうと思って小鈴木 あえかはやって来た。
細やかに動いて二人の雑用をテキパキとこなしていく。
用事が一段落したところで、三人はお茶をのみながら休憩を取った。
「あえかさん、今日は手伝ってくださってどうもありがとう」
ヴァレンタインが丁寧に礼を言うと、ニコラウスもそれに続く。
「あなたのお陰で、準備もすご~く楽しくできたニコ」
二人の気さくな雰囲気に安心して、あえかは聞きたいと思っていたことを思い切って聞いてみた。
「あの……お二人はどうしてみんなの幸せのために頑張れるのですか?」
どうしてと聞かれてヴァレンタインは一瞬きょとんとしたが、すぐににっこりと微笑んで答えた。
「私たちは、これが好きでやっているだけですから」
ねぇ、と振られてニコラウスも頷く。
「忙しいことも楽しいニコ。それがお祝い事だともっと楽しいニコよ」
朗らかな二人を見てあえかは落ち込む。
「どうしてそんなに強いんですか?……わたしはオトナになりたいです。わがまま言わないで我慢しないとオトナになれないので、お二人みたいに強くなりたいんです」
俯いてしまったあえかに、ヴァレンタインとニコラウスは顔を見合わせた。
「自分のやりたいことがあるなら、やらないとダメニコ!」
ニコラウスがあえかの背中をバシッと叩いた。
背中の痛みにニコラウスの情を感じて、少し寂しさが薄れるあえかだった。













