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シナリオは、複数のユーザーが参加した結果を描写される小説形式のコンテンツです。
「ヒロイックソングス!」の世界で起こった事件やイベントに関わることができます。

バレンタイン・ブライド!

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■入口ゲート■

【春を呼ぶ門~『4tuneS』】

 開園直前の入口ゲートには、今日これから式を挙げるカップルやその関係者が集まっている。
 そんな中、挙式とは無縁のユニット『4tuneS』の4人の姿があった。
 4人は、新たな門出を迎える者達をライブで祝福したいと考え、今、ここに集まっている。
 
「遊園地貸し切って結婚式って、相変わらず校長先生はやる事がでかいっつーか派手っつーか……
 まぁでも、今まで余裕なかった分、全力で皆を祝おうとしてくれてるんだ、俺らも盛り上げねーとな」
 
 春瀬 那智はフェスタギターを手に、ゲートの向こうに広がる広大なパークを眺める。
 
「門出を祝って、一発デカいのキメてこー! こういうドでかい祭りは、やっぱ楽しくないとねー!」

 一浜 遥華は、手にしていた【noisy cat】をシャランと鳴らした。

「そんじゃ行くぜ。――Let’s make 4tuneS!」 

 那智の合図に合わせて、『4tuneS』のストリートライブが始まった。

 ♪~

「ちゃん凪、ちゃん瑤ー。好きに歌っちゃってー」
 
 遥華がタンバリンを鳴らす。
 穏やかな曲調に乗って、ダブルボーカルの日辻 瑶神崎 凪穂が前面に出た。
 二人はメロディとコーラスを、交互に絡めるように歌っていく。

「たくさん盛り上げていこ? 神埼さん」
 
 柔らかく落ち着いた口調で笑うと、まず瑤がボーカルを務めた。
 
 ♪ 春の陽射し、君の体温
 ♪ あたたかさに笑みがこぼれ
 
 男とも女とも判断のつかないその中性的な声を【クリアボイス】で。
 
(素敵なこと、幸せなこと、嬉しいこと、ぜんぶ温かい気持ちになるよね。
 みんなには、そんな気持ちを持ってほしい)

 そう願いながら、“雪解けの春”を瑶はイメージして歌う。

「楽しんでいこうね、瑶さん!」

 続いて凪穂がボーカルをとる。
 
 ♪ 祝福に小鳥が歌えば
 ♪ 幸せのつぼみが花開く

 凪穂は【バステトの癒し】で、聴く者の足元にたくさんの猫の幻影を見せた。

(ボクには恋愛や結婚はよくわかんないけど……でも、)

 猫達は歌に合わせてにゃぁにゃぁ合唱を始める中、凪穂はゲート内のカップルを見回した。

「にゃははっ。さっすが皆、幸せそうにゃぁ!
 もっともっと幸せにするお手伝い、ボク達の歌でできたら良いにゃぁ」
 
 ゲートに穏やかで和やかな雰囲気が作り上げられた。

♪~
 
 間奏に入ると那智が【トリッキーフェイク】。
 全体的に穏やかだった曲調を、アップテンポに変える。

「せっかくの結婚式なんだ、ちょっとしたサプライズも必要だろ?」

 ウィンクする那智のアップテンポに合わせ、瑶は歌い方を可愛らしく伸びる高音域の【ピクシートーン】へ切り替える。
 ここからは、明るく、元気よく、“これから成長してく春”のイメージで歌う。
 
 凪穂は【陽だまりのサンギータ】の壮大なパフォーマンス。
 ゲートにほんのりした暖かさが生まれ、良い香りの草花が咲き「春の幕開け」を演出する。

「いっっくよー!」

 タンバリンを鳴らしている遥華は、アップテンポに転調している曲に合わせ【こまちステップ】
 華やかな足音や所作で、あたかも足元に花が咲いたかのように錯覚させ、楽しい気持ちを演出する。
 
 いつものライブなら好きに踊る遥華だが、今日は不特定多数に向けたストリートライブ。
 派手に判りやすくするために、大きく跳ねたりタンバリンを放り投げたり、大道芸っぽさを心がけている。

 ♪~
 
 そして曲はサビに入り、遥華は【ナナイロフレイム】の炎を起こす。
 暖色……黄、橙といった春の花っぽい色の炎で、ユニットの皆を巻いて、派手に決める。

「……ぁ、なっちー焦げそうかも。まぁいいや燃え移らないし……」

「熱っ!? ちょ、おい遥華、俺にだけ炎近くねーか……!?」

 ギターを弾きながら軽くコーラスを添えていた那智は、【ナナイロフレイム】の炎にびびりながらも【A.L.スターブルーム】の花火を打ち上げる。
 
 散った花火が花弁となって辺りを舞う中、さらに【バード・ブーケ】を放り投げれば、鳥の形をしたその不思議なブーケもまた、辺りに花弁を降らせた。

 ♪ 祝福に小鳥が歌えば
 ♪ 幸せのつぼみが花開く
 
 舞う花弁の中、凪穂が最後のフレーズを大切に歌いあげ、【エタニティシャイン】。

 ――今日のこの日をずっと心に残せるように、
   新たな一歩を大きく踏み出せるように……

 今ここでライブを見ている者達の心へ、お祝いの気持ちを込めながら、全力で音楽を届ける。
 ゲートに花火のような光が充ち、見ていた者の心にその光は、そのメロディは、焼き付けられた。
 
 幸せな温かさと花々に彩られたライブは終了すると、晴れやかなアナウンスと共に、入口のゲートが開いた。

「「「「いってらっしゃい。よい一日を」」」」

 4人は、笑顔で皆を送り出す。
 
 
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