イラスト

シナリオは、複数のユーザーが参加した結果を描写される小説形式のコンテンツです。
「ヒロイックソングス!」の世界で起こった事件やイベントに関わることができます。

フェスタde忘年会

リアクション公開中!
フェスタde忘年会

リアクション

★舞台発表(3)

 合歓季 風華には、フェスタに入学する前からずっと描き続けてきた夢がある。
 それは“ロリィタファッションモデル”。
 その夢を一年の集大成の舞台で実現させるよう、「ライブのストーリーによってシンプルな白い衣装を凝った衣装に変化させること」に挑戦する。
 風華は天草 燧にも協力してもらい、緻密な演出を組み立ててきた。

 嬉しいことに燧は「僕も僕で、声で何かを出来ることは一番の楽しみだから」と笑顔で言ってくれている。
 燧も、衣装と安眠への思いで今年を締めくくりたいと思っているのだ。

 ……………

 愛しいアーヴェントが贈ってくれた衣装【トロイメライ=エーポス】に身を包んだ風華は、衣装に込められた願いの言葉を胸に抱いて出番を待っている。
『愛する者よ、季節移ろおうと夢を失うことなかれ』
 彼の声でこの言葉を脳内再生する時、風華の心は温かい幸福感に満たされ、これから行うパフォーマンスが必ず成功する自信が生まれるのだった。

「さあ胸を張って行ってらっしゃい、ネムさん」
「ありがとう」
 風華は燧に淡く微笑んで感謝の気持ちを伝えた。

 ……………

 燧が【マイディアブリンク(イマジネイションスーツ)】を着て仮想体の天子人形「天のきざはし」に変身すると、フリルなどの装飾が増えて衣装は豪華に変化した。
 先に燧が【5凸パワー】と【ゴッズ・マスターピース】を使い、舞台袖で神がかった演奏を始めた。
 【ピクシートーン】のソプラノボイスでコーラスと、風華から預かった【≪星獣≫アルナさん(メロディカオオヘビ)】と【≪星獣≫オルガンゾウ】のウタで厳かに盛り上げ、風華の登場を効果的に演出する。

 そこで満を持して風華が登場した。
 【エレガンスアティチュード】に徹した優雅な挨拶の後、パフォーマンスを始める。

 風華は二つの芸器を【オルトポテンシャル】で駆使し、【ネムキエルの巡光響輪(プラズマリズムバングル)】の光と音でリズムを取りつつ【ネムキエルの三響光珠】の三個のボールを鮮やかにジャグリング。
 バングルと3つの玉の光と音は、巡る季節と命を表現している。

 燧が【マイディアブリンク】の【頼れる味方補正】を使ってフォローしている効果もあり、風華のジャグリングは安定していてミスが起きない。
 美しい音と光の共演に、見ている者は目を奪われていた。

 燧はテンポアップして【謎光乱舞】の輝きで盛り上げる。
 それに合わせて風華のジャグリングもテンポを速め、育つ樹の物語を表現している。
 シンプルだった風華の衣装が、物語に合わせて葉の飾りやレース、フリルを増やして“育って”いく。

 間奏を星獣たちに任せて、燧が【岩窟王のブリザードマイク】の【王様補正】を使って観客に語りかける。
「幾度季節が移ろおうとも変わらぬもの。少女の祈りは樹となり……」
 燧の語りを受けて風華がひときわ高く玉を空に放り上げ【あなたに贈る白昼夢】を発動した。

 玉からこぼれ出た緑あふれる空間と花咲き誇る大樹の様子を、その場の全員に数十秒間見せる。
 まるで夢のような光景を見、いつ夢が覚めたのか曖昧な中で観客がたゆたっているうちに、風華の衣装はついに完成形へ到達した。
 ネムノキをテーマに茶色地、金の飾り刺繍、葉と花飾りをあしらったロリィタファッション。
 それは、初めのシンプルな白い衣装とは全く別物に進化した究極の姿だった。
 風華は完成した衣装が客席からよく見えるようにポーズをとった。

「その樹、ネムドラシルは夢より一時。願いの花はここに咲く」
 燧は完成した衣装を語る口上を述べた後、星獣のウタにコーラスを添える。
 キラキラと輝く涼しい吹雪が会場を舞い、風華と燧のパフォーマンスは終了した。

 拍手を受けて風華は優雅にカーテシーをして挨拶をした。
「ご覧いただきありがとうございました。歳の終わりも翌年も。皆様がよく眠り目覚められますように。ねむねむとおっきりの加護を……」

 ***

 永見 音萌香は彼氏に仕立ててもらった【キュートテイル】に【エモーションネコミミ】を付け、舞台に登場した。
 普段のイメージとは少し違う「猫語尾キャラ」で【ボイスアクト】を使った可愛らしい声で挨拶する。
「やっほー! みんにゃ元気かにゃ~?」

 いつもの音萌香を知っているフェスタ生は、びっくりして二度見した。
 友人たちの驚いた顔を見て、音萌香は苦笑しながら普段の声に戻した。
「とまぁ、少し声色を変えるだけで普段のキャラと変わるなんてこともある訳ですが……」

 アイドル系芸人・音萌香の演目は、創作落語「ぶりっこ指南」。
 もうすでに、ここから落語のまくらが始まっているのだ。
「ぶりっこ指南」は音萌香が【ネタ作りの基礎】で作り込んだ自信のネタ。
 今日は、立ったままで落語をやる。

 まくら部分で観客のウケ具合を肌感覚で感じながら、【プラスアドリブ】でしゃべり方やネタの方向性を微調整しつつネタ部分に入っていった。

「ええと、モテ指南所は……ここか」
 音萌香は【ボイスアクト】でガラの悪い人物を演じ、ヤンキーキャラを表現する。
 元ヤンキーなので演技しなくても自然に表現できるのだが、念のために【ボイスアクト】を使っておくのだ。

 モテ技術指南所にやって来たヤンキーが、ぶりっこの演技を学ぶドタバタな場面では、音萌香の話術が光り、観客も引き込まれる。
 そんなヤンキーもどうにかテクニックを学び、意中の人とデートする運びとなる。
 学んだことを守って、途中までは完璧にぶりっこのフリができている主人公。
 しかし、ジェットコースターに乗るシーンでは、思わずヤンキーの素が表れてしまう。
「うぉおお……じゃなかった! きゃぁああー☆」

 相手に怪しまれるが、なんとか誤魔化してデートも終盤へ。
 食事に行くことになり、カップルは蕎麦屋に入る。
「お蕎麦食べるの初めて☆」
 可愛く言って、音萌香は【黒兎扇子】で盛大に蕎麦を啜った。
 念入りに練習した蕎麦を啜る技術を見せたい。
 しかし落語の蕎麦を啜る仕草は、ぶりっこにはそぐわない。
 豪快に蕎麦を啜りながら、合間にぶりっこの演技でしゃべる。
 そのギャップが面白く、大変にウケた。

「お後がよろしいようで」
 大笑いの中、最後に一礼して音萌香は確かな手ごたえを感じて舞台から降りたのだった。
ページの先頭に戻る