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シナリオは、複数のユーザーが参加した結果を描写される小説形式のコンテンツです。
「ヒロイックソングス!」の世界で起こった事件やイベントに関わることができます。

【伯爵令嬢アリスの憂鬱】仮面舞踏会(第2話/全4話)

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【伯爵令嬢アリスの憂鬱】仮面舞踏会(第2話/全4話)

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◆エピローグ

「アリス嬢、次は私がお相手していただいてもよろしいでしょうか?」

 シンプルな仮面をつけた吸血鬼の青年がダンスを申し込んできた。
 アリスには見覚えがない青年だ。
 端正な顔立ちに上質の夜会服を着て、ピンと背筋を伸ばした立ち姿は一分の隙もない。
 どこかの吸血鬼貴族だろうことは一目で分かる。
 その口調は丁寧ではあるけれど否やを言わせない圧力を含み、その場の空気を支配する。
 アリスは魔物に魅入られたかのようにその青年の手を取った。

 曲が始まった。
 その青年は大変慣れた様子でアリスをリードし、見事なステップを踏んでフロア中を移動していく――。
 もしアリスがフェスタのアイドルだったら気付いただろうか。
 この青年がUltra Rayの橘駿に似ていることを……。

 アリスのダンスのお相手は、この青年が最後だった。

 ………………
 ……………

 仮面舞踏会が終わった夜更け――。

≪庭園のバラ園にて≫

 アーヴェント風華は連れ立って、バラ園に来ていた。
「バラの妖精様はお元気でしょうか?」
 優しい風華が、この前復活させたバラの妖精を気にかけていたから、夜更けにこっそり二人で確かめに来たのだった。

 風華が【≪慰霊≫風葬】の温かい風を吹かせると、バラの妖精がどこからともなく現れた。
「あなたが元気になってくれたから、今日という日が迎えられました。あなたもこの家の大切な存在ですよ」
 風華の言葉を聞いて、バラの妖精は嬉しそうに羽ばたいて宙返りをする。
 その度に、ぽん、ぽん、とバラのつぼみが花開き、辺りに甘い香りを漂わせる。
 アーヴェントは風華の肩を抱き寄せ、風華はアーヴェントの肩にそっと頭を預けてその光景を眺めていた。

 そうしてバラの妖精の先導で、美しい夜のバラ園をアーヴェントと風華は寄り添って逍遥したのだった……。


≪アリスの居室にて≫

 アリスは婚約者候補役で来てくれたアイドルたちのうち、誰に偽の婚約者を頼むか悩んでいた。

「途中でボロが出ずに騙し通せて、大叔父様が納得できる相手でしょ?……うーん」
 名前を書いたメモを見ながら唸る。
 婚約者候補役としてカップルで来てくれたアイドルは、お互いに惹かれ合っているパターンが多いことにアリスは気付いていた。

「いやあ、やっぱ好きな人が、嘘でも他人の婚約者になるのは気分悪いっしょ」
 自分の目的のために、人の恋心を傷つけていい筈はない。この人たちは除外だ。

 アリスは散々悩んでやっとこさ決めた。
「よし、明日の朝、この人に頼みに行こう」
 メモの名前の所にぐるぐると丸を付ける。

 その時、ノックの音がした。
「アリス、入ってもいいか。話がある」
 ブラウブルート伯爵の声だ。
 大叔父様がこんな所に自らやって来るなんて、悪い予感しかしない。
「あ、はい! 少し待ってください!」
 アリスは慌てて書き散らかしたメモをかき集め、ベッドの下に隠した。

 ドアを開けると、そこには大叔父様ともう一人、アリスが最後にダンスをした青年吸血鬼が立っていた。
 え? と疑問符だらけのアリスの表情に応えるように、伯爵は告げた。

「彼はヒンデローグ伯爵の子息でフィリップという。お前の結婚相手だ」
「えええええええええええ!!!!!」

 厳格な大叔父様の前ということも忘れ、アリスは叫んだ。
 フィリップは微塵も感情を動かした素振りを見せず、ただ薄く笑っていた。

 ――つづく――

担当マスター:浅田 亜芽

担当マスターより
 最後まで読んでいただいて、ありがとうございます。お疲れさまでした。
 今回もたくさんの方にご参加いただきました。
 シナリオに参加してくださった皆様に、心よりお礼申し上げます。

 アリスの第2話、楽しんでいただけましたでしょうか?
 今回は皆さんが3つの選択パートに、きれいに等分に分かれて参加されていて驚きました。
 凄い偶然ですね!
 おかげでバランスの取れた場面が展開されたように思います。
 今回も皆様のアクションは、キャラクターの個性を存分に発揮して、とても自由にのびのびと表現されていました。
 一緒に参加した相手を大切に思う気持ちや、アリスを助けてやりたいという優しい気持ち、自分を高めるために学びたいという気持ち、様々な想いで書かれていて、大変読み応えがありました。
 このシナリオに参加したことで、ご自分の本当の気持ちに気が付かれた方もいらっしゃって、私はアリスの恋よりもそっちの方が気になったりしますですよ、ハイ。
 本文中でアリスが言っていた通り、互いに思いを寄せているかもしれない方々は偽婚約者からは外れておりましたが、最終的に彼女がどなたに依頼しようとしたかは内緒です。

 そのアリスちゃん、突然大叔父様の決めた結婚相手が出てきて窮地に立たされました。
 大叔父様を騙してお茶を濁すなんて芸当は百年早い、長い年月を生きている高貴な吸血鬼には通用しないってわけです。
 絶対にラルフ意外の人とは結婚しないと固く決心しているアリスの運命やいかに!
 ……なーんて、いろんなところでよく見るアオリを書いてみました☆
 念のために申し上げますが、フィリップは橘駿さんとは全く関係ない別人(別吸血鬼?)ですので、お間違いのないようよろしくお願い致します。
 そしてフィリップはそれほど重要なNPCではないこともお伝えしておきます。

 アリスが無理やりフィリップと結婚させられないよう、まだまだ皆様のご協力をお願いしなければなりません。
 どんなことをお願いさせていただくのかは、来年になりますが第3話のガイドをお待ちくださいませ。
 サービス終了が発表され寂しい限りですが、「伯爵令嬢アリスの憂鬱」は最終話までまだ残っています。
 よろしければ、次回も是非ご参加ください。

  浅田亜芽でした。
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