イラスト

シナリオは、複数のユーザーが参加した結果を描写される小説形式のコンテンツです。
「ヒロイックソングス!」の世界で起こった事件やイベントに関わることができます。

【異世界カフェ】ようこそ! もふもふカフェ・ミルクホール

リアクション公開中!
【異世界カフェ】ようこそ! もふもふカフェ・ミルクホール

リアクション

 
◆まったりのんびり楽しんで(1)

 もふもふカフェ・ミルクホールに、お客として楽しんでくれるアイドルたちが次々とやって来た。

 その中の一人、北極熊のびーすとになっている死 雲人は、
「俺は女一人だけで収まる男ではない」
 とハーレム作りに精を出している。
 美女や美少女が大好きな雲人。今回は美少女の藍と茜を口説くことが目的だ。

 雲人は首尾よく藍と茜を自分の左右に座らせ、話しながら一緒に食事をする。
「これはうまそうだ。食べていいか?」
 テーブルにはキッシュもシチューも、ミルクゼリーもカスタードプリンも、その他パンやコーヒーなど一通り並んでいる。
「全部、食べていいですよ」
 茜が応じる。
「俺はほにゅーるいだが、はちゅーるい向けのキッシュやカスタードプリンも美味しく食べられるぞ。生クリームや牛乳が材料に入っているからな」
「たくさん食べていってくださいね」
 藍が微笑む。
「これはうまいな。コーヒーと合う味わいで優しい味だ。コーヒーもブレンドはいい方だ」
 ブラックコーヒーを手に、違いの分かる男を演出してみる。
「藍に茜。ブラックコーヒーは好きか? 苦いが奥深さと深みのある味わいで、甘い食べ物に合う飲み物だ。一緒に味わうといい」

 まだまだ味覚が鈍感な藍と茜だったが、雲人が勧めるのでなるべく味を感じられるようにと、ゆっくりブラックコーヒーを口に含む。
 奥深さと深みというのがわからなくて、ただ苦いだけなので顔をしかめていたが、雲人には気づかれなかったようだ。
「藍に茜。また料理を作ってくれ」
「私たちがいつも作るとは限りませんが、三つの世界にカフェを開いていますので、雲人さんもお時間がありましたら来てくださいね」
「ああ、そうするよ」
 ちゃっかり営業をしておくのを忘れないしっかりものの茜だった。

 ***

 空莉・ヴィルトールは、コヨーテのびーすと姿。
 フワフワの耳と立派な尻尾が特徴だ。
 
 彼女は仲良くなった【ガマ王子】にビーストラリアのおいしい空気を満喫させてあげようと、もふもふカフェに連れてきた。
 
 連れてきたのはいいが、のんびり休暇を楽しむのが目的なので、特にすることがない。
 料理も食べてお腹いっぱいになったし、この機会にゆっくり話したいと思っている藍と茜は他の人と一緒にいるし、空莉は手持ちぶさただった。
 ガマ王子が不思議な貫禄のある声で鳴いて間を持たせてくれたが、それにも限りがある。
 
 そこで空理が取り出したのは、【ちっちゃいボール】。
 これでガマ王子と一緒に遊べば、退屈しないでいられる。
 
「ほら、行っくよー♪」
 空莉はガマ王子にちっちゃいボールを転がして投げる。
 ガマ王子は器用に受け止めて、空莉に転がし返す。
 
 何度かボールが行き来した後、イタズラ好きの空莉は変化球を投げた。
 指先でボールにドライブをかけて転がし、ガマ王子の手前まで行って引き返してくるようにしたのだ。
 受け止めようとした直前にボールが逃げ、ガマ王子は掴み損なって慌てたようだが、すぐ元の姿勢に戻って挑むような眼で空莉を見返している。
 
「よーし、もう一丁♪」
 と、転がそうとした時、藍と茜がやってきた。
 
「空莉ちゃん、お待たせしてごめんね」
「何してるの~?」
「あ、ガマ王子とボールで遊んでたんだよー♪ 双子ちゃんも一緒に混ざって遊ぼ~?」
「うん、いいよ~」

 藍と茜が空莉の横に座り込んだ時、空莉は二人の顔を至近距離でジ~ッと見つめた。
「前から言おうと思ってたんだけど~」
 空莉の龍の瞳に見つめられ、何を言われるのかと、双子は瞬きを激しくする。
 
「二人とも美人で可愛すぎてずっとずっと驚きなんだよー! 食べちゃいたい感覚だよー♪……今日の私はコヨーテさんだからかな?
 コヨーテは狼さんだから、うさぎさんもフクロウさんも食べちゃいたいんだよー♪」
 
 一気に言うと空莉は肉食動物が獲物を狙うが如く、手をコヨーテの前脚のように使って双子の方ににじり寄る。
 冗談だと分かってはいても、空莉の妖しい眼力に圧されて後退る双子。
 ソファの背もたれに追い詰められたところで、「もふもふしちゃうよー♪」と空莉が襲い掛かった。
 …………
 ……
 三人で存分にもふり合った後、双子は今まで全部のカフェに協力してくれた空莉に、最大限の感謝の気持ちを伝えた。
 空莉もカフェで世話になった礼を述べ、三人で楽しかった思い出話に花を咲かせた。
 
 のんびり語り合ううち、ガマ王子はお眠になったようだ。
 空莉は【微睡まくら】を体の下に敷いてあげた。

 ***

「あっ、ねぇねぇ双子ちゃん、今いーい?」
 藍と茜の横に座り込んだのは深郷 由希菜
 
「俺、双子ちゃんときちんとお話したことなかったから、今日はいっぱいお話ししたいな」
「あ、由希菜さん、この間は神様をもてなしてくれて、どうもありがとうございました」
 藍が満面の笑みで感謝の気持ちを伝える。
 
「ううん。俺も楽しんだんだから、気にしないで」
「由希菜さん、優しい……じゃあ今日も、もふもふカフェをたっぷり楽しんでいってくださいね!」
「うん、そうするね! けど、せっかくだし、二人も楽しまなくちゃ!」

 由希菜は双子と三人で料理が並んだサイドテーブルに行った。
「料理もいっぱーい」

「どれも美味しいですわ! たくさん召し上がってくださいね!」
 食器を補充していた蔵樹院紅玉が勧める。
 
「これ、私たちも作りましたけど、アイドルの皆さんの工夫がいっぱい詰め込まれているんですよ」
 藍が胸を張る。
 
「そう。みんな頑張ったんだね! 凄い~」
 ニコニコと話しながら料理を取り、席に戻っておしゃべりの続きをする。

「ふー、このソファー、ふかふかでゆったりするね!」
「そうですね。もふもふカフェにピッタリだと思っています」
 茜が相槌を打つ。
 
「もふもふと言えば、双子ちゃんはコーギー触ったことあるー?」
「コーギーって何ですか?」
 藍が尋ねたが、茜も同じ角度で首を傾げている。

「もふもふのワンちゃんなんだけど、全体が薄茶色でお腹が白くて、足が短いのが何とも言えず可愛いんだよ」
「見た事ないですが、もふもふなんですか?」
「そう、もふもふ」
「ああ、絶対もふもふしてみたい~」
 …………
 ……

 もふもふ女子トークは途切れることを知らない。
 
 
ページの先頭に戻る