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シナリオは、複数のユーザーが参加した結果を描写される小説形式のコンテンツです。
「ヒロイックソングス!」の世界で起こった事件やイベントに関わることができます。

哀しみのマッチ売り少女

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哀しみのマッチ売り少女

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■オモチャの兵隊、出現だ♪

 空にはひらひらと舞い散る雪。ひと気も明かりも少ない淋しい通りを、寒さにふるえたマッチ売りの少女が歩いている。少女のまわりには5体のオモチャの兵隊たちが行進している。
 
「今日こそは、私のマッチ、売れるかしら」
 この先の大通りでマッチを売るのが彼女の行動パターンだった。
 「来た来た」
 暗く狭い路地裏。少女と兵隊の行進をじっと見守っているの空莉・ヴィルトールの足元に、黒猫が現れた。
「にゃ~ん♪」黒猫は初対面の空莉が気に入ったらしく、すりすりと足元にすりよってきた。
「初めまして。これから危ないことするから、気をつけてね?」
 空莉は猫に笑いかけたあとすぐに表情を引き締めた。
 路地の暗がりから【ルシフェルの手】をのばした。禍々しい無数の手の形を見た猫が「ミギャア!」と飛び上がり、どこかへ逃げていく。
 【ルシフェルの手】はオモチャの兵隊たちを取り押さえ、引き寄せていくが、異変に気づかずマッチ売りの少女は歩き続けている。 少女と兵隊のあいだに、距離が広がっていく。
「こんな暗くて冷たい場所で続く、なにも生みださない苦痛は虚しいだけ」
 次のしゅんかん、空莉の印象的な左眼がきらりと輝く。
「いまだ」
 すでに兵隊と少女には十分な距離がうまれている。これなら戦っても少女に被害は与えないと判断した空莉は【ゴッドブラスト】と使い、兵隊たちに瞬時に接近した。
(あのコを、明るくって暖かい光の世界へ連れてってあげたい)
 空莉は決意をかためながら、手近にいた兵隊を【セイクリッドオーダー】で一刀両断しようととびかかる。暗い夜の闇に美しい光の軌跡が走った。
 木の体は想像以上にかたくて、両断こそできなかったが、兵隊はその場に倒れて歩行できなくなった。
 異変を感じたほかの兵隊たちは、表情のないにっこり笑ったオモチャのまま、ばたばたと暴れている。少女の方へ戻りたいのか、反撃したいのか……gどちらにしても【ルシフェルの手】がそれをゆるさない。
「おいでおいでー♪ もっと真っ暗な世界に連れていってあげるから……」

 ふふふと笑う空莉の横に、弥久 風花がかけつけた。
「なんだか、ホラー映画みたいだわ」
 苦笑いしながら、風花は【≪戦礼≫花葬】で花の種を撃ち込んでいく。空莉の【ルシフェルの手】に加え、みるみる成長していく植物によってオモチャの兵隊はますますがんじがらめになってしまう。
「面白半分で殺され続ける命なんて、どこにも無いのよ!」 
 風花は【ゴッドブラスト】で兵隊たちに接近し、手にしていた【ナゲキノ大鎌】を振るった。
 ひんやりと冷たい風が起き、兵隊がバキッと音を立てて破損した。さらに風花は【嵐の爪痕】を繰り出した。彼女にはある狙いがあった。その狙い通り、破損した兵隊の体からぽろりと脚だけが取れた。

「なんか……変だよ?」
 空莉が、異変に気づいた。
 
 カタカタカタカタ コトコトコトコト

 突然兵隊たちがふるえだしたのだ。破損した兵隊たちも、拘束されている兵隊たちも、全員が不気味にぶるぶるとふるえている。そして……

  パカッ!

 すべての兵隊の胴体が横一文字に真っ二つになり、中から2~3回りほど小ぶりのオモチャの兵隊が飛び出してきた。まるでマトリョーシカのようだ。
 厄介なことに、外側は破損していても、中の兵隊はまったく無傷だった。飛び出した兵隊たちは、にっこり笑ったオモチャの顔で、意気揚々とマッチ売りの少女へ向かって行進を始めた。
「早く止めないと!」
 追おうとする空莉を、風花が制止する。
「私たちは、まずこっちの抜け殻を片付けるしかないわ」
 見れば、中身がカラになったはずの抜け殻のほうの兵隊は、まだ動きを止めず、頭や手足をばたばた動かしていた。
 
 空莉と風花のそばには、先ほどの兵隊の『脚』もいた。中身の兵隊を追うつもりはないらしく、壁や街灯にぶつかりながらあたりをのろのろ歩きをしている。しばらくは放っておいても見失わないだろう。
「あの脚……帰巣本能が働いてるだろうから、きっと拠点へ逃げていくわ。追いかけて拠点ごと壊しましょう。でもその前に……」
 風花たちが武器をかまえた。
「あなたたち全部、バラバラのバキバキにして、薪(たきぎ)にしてやるわ。そしてたき火をして、あの少女を暖めてあげましょう」
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