秘境! 絶景! 温泉大作戦
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■出動! ミルク護衛隊
朝の気配は近づいているのに、空にはまだ星が見える。
「もーすぐ、あいつらが現れる場所だよぉ~」
山の中腹辺りまで来たところで立ち止まり、モー太郎さんがのんびりと言った。
一同を先導しているのは一匹の美しい虎――完獣化した弥久 風花だった。
のっしのっしと歩きながら、風花はあたりを見回す。
堂々たる虎の姿の首には【銀の鈴】。しゃんしゃんと可愛い音をたてている。
【ミルクホルダー】にはポーションミルクが3つ装着されている。
風花が身にまとっているものは実質それだけだった。
虎の姿なのだからまったく問題はない。問題はないのだが……
(凄く開放的かつ背徳感がする……、なんでだろう?)
そんなことを考えていると、風花の三角の耳が聞きなれない音を拾った。
「フン。護衛なんてつけたって、無駄無駄」
「見て?今日はミルクを持った虎さんもいるよ?」
(いよいよお出ましね!)
風花が一同に合図しようとした次の瞬間。
「いっただきー♪」
ガサガサと木々を揺らす音がして、つむじ風のように、誰かが駆け抜けて行った。
「させないわ!」
納品のミルクを守ろうと、風花がモー太郎さんの前に立ちふさがった。
のぼりはじめた朝日が、ひったくり犯を照らす。
黒と銀の混じったふさふさのしっぽと、三角の耳……狡猾ですばやい身のこなし。
二匹の、子どものギンギツネだった。
「くそ! 虎のせいで取り損ねた」
「危ない! お兄ちゃん、前!」
二人の前には大きな木が立ちふさがっていた。
急ブレーキはきかず、二人は左右に分かれて回避する。
朝の気配は近づいているのに、空にはまだ星が見える。
「もーすぐ、あいつらが現れる場所だよぉ~」
山の中腹辺りまで来たところで立ち止まり、モー太郎さんがのんびりと言った。
一同を先導しているのは一匹の美しい虎――完獣化した弥久 風花だった。
のっしのっしと歩きながら、風花はあたりを見回す。
堂々たる虎の姿の首には【銀の鈴】。しゃんしゃんと可愛い音をたてている。
【ミルクホルダー】にはポーションミルクが3つ装着されている。
風花が身にまとっているものは実質それだけだった。
虎の姿なのだからまったく問題はない。問題はないのだが……
(凄く開放的かつ背徳感がする……、なんでだろう?)
そんなことを考えていると、風花の三角の耳が聞きなれない音を拾った。
「フン。護衛なんてつけたって、無駄無駄」
「見て?今日はミルクを持った虎さんもいるよ?」
(いよいよお出ましね!)
風花が一同に合図しようとした次の瞬間。
「いっただきー♪」
ガサガサと木々を揺らす音がして、つむじ風のように、誰かが駆け抜けて行った。
「させないわ!」
納品のミルクを守ろうと、風花がモー太郎さんの前に立ちふさがった。
のぼりはじめた朝日が、ひったくり犯を照らす。
黒と銀の混じったふさふさのしっぽと、三角の耳……狡猾ですばやい身のこなし。
二匹の、子どものギンギツネだった。
「くそ! 虎のせいで取り損ねた」
「危ない! お兄ちゃん、前!」
二人の前には大きな木が立ちふさがっていた。
急ブレーキはきかず、二人は左右に分かれて回避する。