呪いの歌を止めて
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リアクション
むくは、さっきまでの緊張ぶりが嘘のように、楽しそうにステージをかけまわっていた。
「えーとえーと、まずは『パーティトラップ』で、音のなるしかけをようい、んでんでッ」
リズムをとりながら、打ち合わせ通りの役目をこなしていく。『パーティートラップ』の発動の合図は、あらかじめ示し合わせていた。もう、すぐだった。
「おむねぽかぽかになるといいな。たのしんでね、ことりさん」
待ちに待ったタイミングがきたので、むくはリズムに合わせて思わずジャンプした。と同時に、あみかが合図を高らかに唱えた。
「ファーブラ!」
あみかの幼生神獣のファーブラの『神獣光歌』だった。ファーブラとあみかの歌は協調し、光が瞬いた。その光は敵を倒すためのものではなく、曇りを晴らすためのものだった。ステージがまばゆい光に満ち満ちた。
むくの『パーティートラップ』が派手な音を鳴らした。むくは最高のグッドスマイルで『閃きのユーフォリア(ピクシーウィング)』のまばゆく光る、りんどうのような可憐な羽を、ぱたぱたさせる。
「この世界には、光があり、あなたに会いに来ている人もいる」
風華が小鳥に向かってうったえかけた。誰ともなく、みなが、プリーストの末裔の娘に視線をうつした。黒い小鳥も娘の存在に気づいたようだった。
絶妙なタイミングで曲が終わり、しんとした沈黙がふってきて、
ギイイェェエエ!!!
すさまじい小鳥の悲鳴が響いた。
「どうしちゃったのかな? おうた、きにいらなかったのかな。のろいのうた、うたっちゃうのかな」
むくが不安げにつぶやいた。
「思い出してしまったみたいです。生々しく、当時のことを。私、このコと契約していたというプリーストさんに、つまりご先祖様に似ているようです」
末裔の娘が、青い顔をして言った。
「あなた、神獣と意思の疎通ができるの?」
ステージの上から、風華が問いかける。
「判りません。こんなことは、初めてで……」
キギャッ、ギャッ、チチチ、
黒い小鳥が不思議な鳴き声をあげた。恐ろしい声と、甘える声がまじりあっている。
「ライブを続けてほしいって、言ってます」
娘がきりっとした顔でステージを見た。あみかと風華は目くばせしあい、こくりとうなずく。
「えーとえーと、まずは『パーティトラップ』で、音のなるしかけをようい、んでんでッ」
リズムをとりながら、打ち合わせ通りの役目をこなしていく。『パーティートラップ』の発動の合図は、あらかじめ示し合わせていた。もう、すぐだった。
「おむねぽかぽかになるといいな。たのしんでね、ことりさん」
待ちに待ったタイミングがきたので、むくはリズムに合わせて思わずジャンプした。と同時に、あみかが合図を高らかに唱えた。
「ファーブラ!」
あみかの幼生神獣のファーブラの『神獣光歌』だった。ファーブラとあみかの歌は協調し、光が瞬いた。その光は敵を倒すためのものではなく、曇りを晴らすためのものだった。ステージがまばゆい光に満ち満ちた。
むくの『パーティートラップ』が派手な音を鳴らした。むくは最高のグッドスマイルで『閃きのユーフォリア(ピクシーウィング)』のまばゆく光る、りんどうのような可憐な羽を、ぱたぱたさせる。
「この世界には、光があり、あなたに会いに来ている人もいる」
風華が小鳥に向かってうったえかけた。誰ともなく、みなが、プリーストの末裔の娘に視線をうつした。黒い小鳥も娘の存在に気づいたようだった。
絶妙なタイミングで曲が終わり、しんとした沈黙がふってきて、
ギイイェェエエ!!!
すさまじい小鳥の悲鳴が響いた。
「どうしちゃったのかな? おうた、きにいらなかったのかな。のろいのうた、うたっちゃうのかな」
むくが不安げにつぶやいた。
「思い出してしまったみたいです。生々しく、当時のことを。私、このコと契約していたというプリーストさんに、つまりご先祖様に似ているようです」
末裔の娘が、青い顔をして言った。
「あなた、神獣と意思の疎通ができるの?」
ステージの上から、風華が問いかける。
「判りません。こんなことは、初めてで……」
キギャッ、ギャッ、チチチ、
黒い小鳥が不思議な鳴き声をあげた。恐ろしい声と、甘える声がまじりあっている。
「ライブを続けてほしいって、言ってます」
娘がきりっとした顔でステージを見た。あみかと風華は目くばせしあい、こくりとうなずく。