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シナリオは、複数のユーザーが参加した結果を描写される小説形式のコンテンツです。
「ヒロイックソングス!」の世界で起こった事件やイベントに関わることができます。

真夜中に出没する扉

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真夜中に出没する扉

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■扉の向こう(2)

 シャーロット・フルールは我が家にいた。本当のところシャーロットの家はもうこの世にはないのに、当たり前のように、シャーロットは我が家にいた。

「ただいま、パパ、 ママ」
「おかえりなさい。今日はシャーロットの好きなアップルパイを焼いておいたのよ?」
「うれしい! ありがとうママ」
「ママったら失敗したら大変だからって、大きなパイを3つも焼いたんだぞ。シャーロット、責任とって全部食べてくれよ?」
「もう。パパったら、バラさないでちょうだい」
「3つ!? そんなに食べて太っちゃったら、軽業ができなくなっちゃうかも!」
「いいんだよ。おまえはもう孤児じゃない。サーカス団なんかで無理に働く必要はないじゃないか」
「でも……でもボクはお金のためにフルールクラウン(サーカス団)にいるわけじゃなくって」

 シャーロットが動くたびに、広袖につけられた鈴がリンリンと鳴る。

「さあ、シャーロット。お話はあとで! はい、どうぞ」
「そうだよ。早くおあがり? シャーロット」
「そうだね! いっただっきまーす! 食べたらまた、ボクのジャグリング、見てくれる?」
「ああ、もちろんだよ。楽しみだねえ、ママ」

 慣れ親しんだテーブルにつきフォークを持つと、袖の鈴がリンリンと鳴り響いた。
 
 リンリン リン
 
 トレードマークの鈴の音が、彼女に大事なことを思い出すように訴えているようだ。

「あれれ?」

 アップルパイを食べていたシャーロットが、ふと、違和感に気づいた。
 
 リンリン リンリン

  ボクの家。パパとママ。楽しい生活。幸せすぎる時間。おいしいアップルパイ。 
  でもボク……なにか忘れてない?

「どうしたの? シャーロット」
「ううん! なんでもないよママ! う~ん♪ おいしい!!!」
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