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シナリオは、複数のユーザーが参加した結果を描写される小説形式のコンテンツです。
「ヒロイックソングス!」の世界で起こった事件やイベントに関わることができます。

真夜中に出没する扉

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真夜中に出没する扉

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■扉の前

「ずいぶん、時間が経った気がするわ」

 【ナチュラルセクシー】姿の弥久 風花が軽くあくびをする。風花は扉の前を見張る役を買ってでていた。眠くなると困るからと、【リングドロップ】を舐めたり苦い【スライムウォーター】を飲んだりして眠気を抑えている。なのでこの程度で済んでいた。

 ガタ……ガタガタ

 扉の向こうから、地響きのような振動が伝わってきた。
 
「なんの音?」

 一緒に扉の前を見張っていた小柄な世良 延寿が、不安そうに風花を見上げた。

「戻って来ない人たちを助けに行くつもりでいたけど、もっとヤバいことになるかも知れないわね」
「うん。よかったね、私たちがここにいて」

 延寿がにこりと笑う。極限の緊張感も、延寿の笑顔がいつもやわらげてくれる。

「今は、こっちのほうがよさそうね」

 風花は手にしていた【頑丈な懐中電灯】をそっと床に置き、【聖式小型拳銃】に持ち換えた。
 
 ガタッ!ガタガタガタ!

「いったいなにが出てくるのかしら」

 風花がまゆをひそめ、引き金に指をかける。

「大丈夫じゃ。内側の住人は、そう簡単にはこちらには来られぬ」

 突然後ろから老人の声がして、風花も延寿もすぐに身構えた。打合せもなく、本能的に二人は左右に散る。場数を踏んだ二人ならではの連携プレイだった。

 長いポニーテールを揺らしながら素早く走り、風花は【聖式小型拳銃】を老人に向けた。ただの老人ではないことは一瞬の対峙ですぐに判った。地球の者の気配ではない。帽子やローブ、ロッドから、魔法使いであることが推察できた。のんきそうな老人なのに、いちぶの隙も無い。

「動いたら打つわよ」

 風花が老魔法使いに銃を向けたまま、立ちふさがる。延寿はというと、先ほどから【アクロバックキック】を狙っており、攻撃可能な間合いに到達している。

「二人とも、かわいいのに、なかなかやるのう」

 魔法使いが笑い声をあげた。

「私たち、本気よ」

 風花が【クイックドロー】で素早く連続して、老魔法使いの足元に威嚇射撃をした。が、なにか手ごたえが違った。

「きゃあ! 間違えてペイント弾入れちゃってた!」
「もう終わりかのう?」
「くっ、こんのぉっ!」

 気を取り直した風花は攻撃しようとして動いたが、とっさに動きを止めた。【聖式寸勁】の極至近距離で見た老魔法使いからは、殺意も敵意も感じられなかった。

「ねえ魔法使いのおじいさん。扉に入ったみんなは、どうしてるの?」

 風花の様子を見て警戒心を解いた延寿が、明るく問いかける。
 
「みな無事じゃよ。どうやら見事、全員揃ったようじゃ」
「もしかして、あの扉を作ったのって……」
「ああ。わしじゃ。その扉はのう、敵どもを封じ込め、滅ぼすためのトラップなんじゃ。それがわしときたらトシのせいかのう、計算を誤って、全然関係ないこの世界にのこの座標に、扉を貼ってしもうたんじゃ。強すぎる魔法ゆえ、簡単には無効化されず、消えるまで責任もって見張っておった」

 老魔法使いが、手にしていたロッドで、何もない壁をつついた。するとそこに新たな扉が出現した。かちゃりと扉が開き、皆がぞくぞくと戻ってきた。
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