珍福満腹にゃーんにゃん
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リアクション
1 猫猫注意報
腹を減らした爆裂猫たちの襲来を受け、床町は大パニックに陥った。
猫達は「食べ物」と認識したものには手当たり次第に襲いかかり、こちらから手を出して追い払おうとすれば凄まじい衝撃波とともに破裂し、増殖してしまうのである。
現場に駆けつけたアイドルたちは住民に危害が及ばないよう、声をかけて注意を促して回った。
「床町の皆さん、聞いてください! こっちに注目してください!」
「黄泉憑要鎮」と書かれたハッピを着込んだ古川 玲河は猫達に先回りすると、天狗の狛笛を吹いて住民たちの注意を引いた。
突然現れた銀孤の半妖に人々は「何だ何だ」と家や店から顔を出した。
「もうすぐこの辺りに、黄泉憑きの猫の妖怪の群れがやって来ます! すぐに戸締まりをして、家やお店から出ないでください!」
「何だって? 黄泉憑きの猫ぉ?」
「そうです! 鰻屋さんも天ぷら屋さんもすぐに火を消して、閉店してください! そうしないと、お店の商品が狙われてしまうんです!」
飛炎を飛ばして自分を目立つようにしながら、玲河は周囲に向けて声を張った。
その手にはステージクラッカーがあった。
「それから、猫達が来ても、絶対に手を出さないでください! もし、猫の妖怪に構うと――」
「うわぁっ?!」
「そうです! こんな風に破裂します!」
玲河はクラッカーの破裂を見せ、人々に猫の危険性をアピールした。
人々は急いで店じまいをし、簾や雨戸を降ろし始めた。
しかし――。
みゃーん
にゃにゃにゃにゃぁーん
暗闇に光る眼、そして鳴き声……。
猫達はあっという間に押し寄せてきた。
「ぎゃああ! 本当に来たぁ!!」
「皆さん! 私が気を引いている間にお店を片付けてください! 早く!」
玲河はアルミケースを開けると、中に入れておいた桜餅やアイスのSAKURA=MOCCHIを路上にぶちまけた。
猫達はみゃあみゃあ鳴きながら玲河の周りに集まってくる。
するとそこへ、両手にたくさんの「ねこじゃらし」を持った佐藤 七佳が走ってきた。
「……ん。玲河さんだけじゃなくてわたしとも遊んで欲しいにゃ。ほらほらほら、こっちだにゃ」
ねこじゃらしはどこかの草むらに生えていたのを見つけてきたらしい。
猫の半妖の七佳は両手のねこじゃらしをパタパタさせ、尻尾を振って爆裂猫を引きつけた。
「……ん。やっぱり可愛い。触れないのが残念。ほらほら、みんなこっちだにゃ。爆発しても愛があれば大丈夫。気にしないにゃ」
尻尾や猫じゃらしをフリフリさせて誘う七佳に惹きつけられ、猫達はみゃあみゃあ鳴きながら集まってきた。
しかし、集まってきた理由は七佳の思っていたのとちょっと違ったようで……。
「……ん。何で食べるのにゃ。これは食べ物じゃないのにゃ」
「にゃー?(ねこじゃらしムシャムシャ)」
「……ん。これは完全にわたしの尻尾も危ないパターン」
爆裂猫は本気(マジ)でなんでも食べるらしい。
七佳が猫達と遊ぶのはそう簡単にはいかないようだ。
「……ん。ねこじゃらしがなくなってしまった。なら、新しく調達する。みんな、こっちなのにゃ」
「みゃー♪」
「みゃみゃーん♪」
ひとまず、七佳は尻尾で猫達を誘い、ねこじゃらしを採取した空き地に向かうことにした。
猫達の数は多く、玲河や七佳が引きつけただけでは全ての爆裂猫をどうにかする事はできなかった。
だが、床町の食べ物屋は次々に閉店し、町からはだんだん食べ物の匂いが消え始めた。
そして、その時町外れから何かいい匂いがし始めた。
みゃー?
にゃぁーん?
ぐーるぐるぐる……
爆裂猫たちはお腹を鳴らし、匂いのする方へぞろぞろと動き始めた。
この匂いの正体は何なのだろうか?
腹を減らした爆裂猫たちの襲来を受け、床町は大パニックに陥った。
猫達は「食べ物」と認識したものには手当たり次第に襲いかかり、こちらから手を出して追い払おうとすれば凄まじい衝撃波とともに破裂し、増殖してしまうのである。
現場に駆けつけたアイドルたちは住民に危害が及ばないよう、声をかけて注意を促して回った。
「床町の皆さん、聞いてください! こっちに注目してください!」
「黄泉憑要鎮」と書かれたハッピを着込んだ古川 玲河は猫達に先回りすると、天狗の狛笛を吹いて住民たちの注意を引いた。
突然現れた銀孤の半妖に人々は「何だ何だ」と家や店から顔を出した。
「もうすぐこの辺りに、黄泉憑きの猫の妖怪の群れがやって来ます! すぐに戸締まりをして、家やお店から出ないでください!」
「何だって? 黄泉憑きの猫ぉ?」
「そうです! 鰻屋さんも天ぷら屋さんもすぐに火を消して、閉店してください! そうしないと、お店の商品が狙われてしまうんです!」
飛炎を飛ばして自分を目立つようにしながら、玲河は周囲に向けて声を張った。
その手にはステージクラッカーがあった。
「それから、猫達が来ても、絶対に手を出さないでください! もし、猫の妖怪に構うと――」
「うわぁっ?!」
「そうです! こんな風に破裂します!」
玲河はクラッカーの破裂を見せ、人々に猫の危険性をアピールした。
人々は急いで店じまいをし、簾や雨戸を降ろし始めた。
しかし――。
みゃーん
にゃにゃにゃにゃぁーん
暗闇に光る眼、そして鳴き声……。
猫達はあっという間に押し寄せてきた。
「ぎゃああ! 本当に来たぁ!!」
「皆さん! 私が気を引いている間にお店を片付けてください! 早く!」
玲河はアルミケースを開けると、中に入れておいた桜餅やアイスのSAKURA=MOCCHIを路上にぶちまけた。
猫達はみゃあみゃあ鳴きながら玲河の周りに集まってくる。
するとそこへ、両手にたくさんの「ねこじゃらし」を持った佐藤 七佳が走ってきた。
「……ん。玲河さんだけじゃなくてわたしとも遊んで欲しいにゃ。ほらほらほら、こっちだにゃ」
ねこじゃらしはどこかの草むらに生えていたのを見つけてきたらしい。
猫の半妖の七佳は両手のねこじゃらしをパタパタさせ、尻尾を振って爆裂猫を引きつけた。
「……ん。やっぱり可愛い。触れないのが残念。ほらほら、みんなこっちだにゃ。爆発しても愛があれば大丈夫。気にしないにゃ」
尻尾や猫じゃらしをフリフリさせて誘う七佳に惹きつけられ、猫達はみゃあみゃあ鳴きながら集まってきた。
しかし、集まってきた理由は七佳の思っていたのとちょっと違ったようで……。
「……ん。何で食べるのにゃ。これは食べ物じゃないのにゃ」
「にゃー?(ねこじゃらしムシャムシャ)」
「……ん。これは完全にわたしの尻尾も危ないパターン」
爆裂猫は本気(マジ)でなんでも食べるらしい。
七佳が猫達と遊ぶのはそう簡単にはいかないようだ。
「……ん。ねこじゃらしがなくなってしまった。なら、新しく調達する。みんな、こっちなのにゃ」
「みゃー♪」
「みゃみゃーん♪」
ひとまず、七佳は尻尾で猫達を誘い、ねこじゃらしを採取した空き地に向かうことにした。
猫達の数は多く、玲河や七佳が引きつけただけでは全ての爆裂猫をどうにかする事はできなかった。
だが、床町の食べ物屋は次々に閉店し、町からはだんだん食べ物の匂いが消え始めた。
そして、その時町外れから何かいい匂いがし始めた。
みゃー?
にゃぁーん?
ぐーるぐるぐる……
爆裂猫たちはお腹を鳴らし、匂いのする方へぞろぞろと動き始めた。
この匂いの正体は何なのだろうか?