スパルタ学校とプラクティス・マッチ!
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リアクション
■冷酷と冷静は紙一重■
人間大のサーバントゴーレムは力持ちで人間2人程度なら持ち上げる事が出来る。
千夏 水希はサーバントゴーレム、もといゴーレム1号に乗っての登場だ。
相手は1人。
「次に対戦するのは、フェスタ生、千夏 水希と、宗呂院生、倉掛 理桜~! おぉ、千夏選手はゴーレムに乗っての登場です!!」
んー? と考え込むのは千夏だ。
人間大のゴーレムがいるのだから、2対2になるのではなかろうか。
「ねぇ」
ちょいちょいと小囃を呼ぶ千夏。
「え? だって、サーバントゴーレムは力持ちだけど、戦闘には全然役に立たないので?」
誤解されて2人相手と対戦! と思っていたものの、知ってる人が多いフェスタの中ではそれは難しかったのである。
「それでは、良いですか?」
相手の倉掛は、目を輝かせながらワクワクと千夏との対戦を心待ちにしている。
「いつでもどうぞ?」
では、と。棒術を使うのか、棒を手に走ってくる倉持。
「ごめんねぇ? 魔女の辞書に反則とか卑怯なんて単語、存在しないんだ?」
マナエグザートで自身のマナを活性化させ、魔術的素養を含む身体能力を向上させた千夏は、エアリングで風の衝撃波を飛ばす。
魔法の攻撃を避ける事は難しく、倉掛はその攻撃をまともに受けながらも、真っ直ぐに突き進んでくる。
次にロック・スナイプで岩で作られた矢を飛ばして攻撃する。
「自分の力を試す練習試合だよ? あんたらのルールに合わせる理由はないだよねぇ」
棒術で軌道を変えながらも、やはり岩の矢をその身に受けながら、倉掛は走ってくる。
「ルールを読む限り、接近戦にしか挑めないメンバーを揃えてしまった我が校の落ち度かと思います」
接近戦に持ち込むしかない武道では、千夏と戦うには走って近付くしかないし、そんなに足の速さも変らないのだから、遠距離攻撃を得意とする魔法使用の千夏は距離をおきながら攻撃をしていけばいい。
間合いの差。
それは圧倒的な戦力の差ともなる。
ただ、武道は接近戦に持ち込んでしまえば、ぐんと勝利の道が近くなるし、魔法においてはMPの限界と言うものが存在する。
それを考えていなかった千夏ではない。
遠距離攻撃で怯まないのならば、と、魔力の無駄遣いになる前に、ダークフレア・ウィップで闇の炎を細い帯状に生成し接近戦に備える。
使用する魔喰の花の枝【カニバリスタッフ】にしても、相手に齧りつき、得た栄養を装備者に還元することができるという、接近戦に弱い魔法使いの為のものだ。
真っ直ぐ突き進んでくる倉掛に闇の炎で攻撃し、彼女が間合いを詰め攻撃態勢をとった頃には、倉掛はかなりのダメージを負い、その攻撃に勢いはなく千夏が杖で易々と受け止められる速度だった。
攻撃する為に足を止めた。
それも倉掛の言う「落ち度」である。
千夏のロック・スナイプが、狙い所を外さず、倉持の急所と言う急所を攻撃し、再起不能に陥らせた。
「実質剛健。まともにやったら私じゃ勝てなかった。これからも頑張ってね?」
「いえ、異世界での戦いは何が起きるか解りませんから。今度は遠距離タイプの相手にも充分通用するよう鍛えてきます……」
「うーん。スパスタ生って何を目指して頑張ってるの?」
「――――フェスタ生と同じだと思いますよ?」