スパルタ学校とプラクティス・マッチ!
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リアクション
■爽蒼曲の連携!■
「フェイトスターアカデミーから先陣を切るのは現在クエスト総合ランク1、2位の梶谷 幸とアーヴェント・ゾネンウンターガング~!!」
小囃の明るい声が会場に響く。
「その記念として、爽蒼曲(そうそうきょく)として、タッグ組んでの登場です~!!」
「他の学校の生徒との練習試合、楽しみだね。武道派部活動が相手とは言え、こっちは異世界の実践で鍛えてるんだよ。
……私達の実力見せてあげる。ちょっと宗呂学院の授業には興味あるけどね」
楽しげに梶谷がリングに上がる。
向かい側では、小囃の紹介を受けて宗呂学院の根立と代がリングに上がる。
「練習試合か……胸の奥が焼け付くように熱い、心が躍る。
さあ、楽しい戦いをしよう。フェスタ生の戦いを魅せてみせる!」
そうして、試合開始のゴングが鳴る。
キンコンダッシュで一時的にダッシュ力を向上させたアーヴェントが宗呂院生の中へと突っ込んでいく。
手には竹刀。サバイバルプロテクターで防御を固め、2人の間に入ったアーヴェントは根立に向かって竹刀を振るう。
根立が退き、代が背後から狙ってくるのを感じるが――。
「信頼はしてるからねアヴェン、背中は任せたよ」
金属バット2本を手に耐刃耐弾ジャケットで防御力を上げている梶谷がその間に入り、フェスタ流護身術の技術を持って、その攻撃を受け止める。
根立漣は男、代至恩は女子。自ずから対戦相手は決まっている。
「此方こそ、背中は預けたぞ……!」
根立に詰め寄っていくアーヴェント。
後退せざるを得ない根立の太刀筋は弱く、アーヴェントは軽々と竹刀で捌いていく。
そうして、じっくりと相手を観察しながら、防御や回避に徹していく。
少し後退したり、左右に動き、攻撃パターンから動きをじっくり見ていく。
防御に徹するアーヴェントと違い、梶谷は攻めの姿勢だ。
金属バットだし、当ったら痛いだろうな、と、多少力加減しなければと思っていた梶谷だったが、根立が竹刀、代が金属バットを持っていた事を考えれば合わせてくれたのかもしれない。
持っている金属バットが梶谷とは違い1本なので偶然なのかもしれないが。
2本の金属バットをぶつけ合わせ、代の目の前で爆音ヒットによる爆音をお見舞いする。
怯み、後退する代だが、低い姿勢からランナーのように飛び出し、梶谷に向かって突っ込んでくる。
フェスタ流護身術で攻撃を受け止め、もう一本の金属バットで爆発ヒットによる攻撃を、そのバットに見舞う。
(相手にダメージを与えるよりはひるませて……)
爆音の衝撃により金属バットを手放してしまう代。
ここぞとばかりに、抜刀一閃での素早い梶谷の攻撃は見事に決ま――武器を手放したのを見て、攻撃に一瞬ブレーキをかけた梶谷の攻撃は、見事にきまったが、威力は落ちていた。
どストライクに決まった攻撃に、これは絶対に痛い! と梶谷は血の気がひくが。
「大丈夫、防具だってつけてるから」
「……ごめんね」
(宗呂学院生と似たような戦い方だが、フェスタ生と宗呂学院生では流派が違う筈)
とは、思いつつも、そこまでの違いは中々見つけられない。
早々に対戦を終らせた梶谷は、じっくりとアーヴェントの戦いぶりを見ていた。
そんなに慎重にならなくても大丈夫かと、アーヴェントはタタンッ! と左右に動き、左に位置していた根立の攻撃に出来た根立の隙――もとい、右からクラックヒットで根立の防御の隙を狙った一撃をお見舞いする。
梶谷の攻撃が終るぐらいの長時間、じっくりと相手を観察していたのだ。
その一撃は確実に、間違いなく、狙い所へと打ち込まれた。
「良い試合だった、ありがとう」
アーヴェントが根立に手を差し伸べ、2人は握手する。
梶谷と代も笑顔で握手して、第一試合は終った。