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シナリオは、複数のユーザーが参加した結果を描写される小説形式のコンテンツです。
「ヒロイックソングス!」の世界で起こった事件やイベントに関わることができます。

ファイト島開発記1 上陸

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ファイト島開発記1 上陸

リアクション

 
★    ★    ★

「いいかなあ。何よりも重要なのは、トイレなんだよー」
 相変わらず川を辿りながら、萩原雅怜が力説していました。
『アイドルはトイレに行きません……たぶん』
「まずは、上水道として、きれいな水を引き込める仕組みを作るんだよぉ。次に、下水として、流した水を川に流す仕組みを……」
「ちょっと待ったあ、それでは、川下の人たちはどうなるのですか!」
 それを聞いて、さすがにアルテミス・カリストが待ったをかけます。
「まるで、プールの中でごにょごにょごにょ……」
 弥久風花も、何か言いかけて言葉を濁しました。
 まったく、アイドルには似合わない会話です。
 トイレは大事ではありますが、やはりお茶の間に流す映像としては不適切です。たぶん、このシーンは後でカットされてしまうことでしょう。
「何か音が聞こえますね……。あっ、みなさん、見てください、滝です」
 歩きにくい川原をかなり上っていった所で、アルテミス・カリストが、ついに滝を見つけました。道でない所を登ってきたので、結構時間がかかってしまいました。
「やったあ、本当にあるもんなんだね。これなら、裏側に洞窟もあるかも」
 弥久風花も目を輝かせます。
「うん、実にマイナスイオンが気持ちいいよお」
 萩原雅怜が、気持ちよさそうに大きくのびをしました。
 結構大きな滝で、飛び散る水飛沫が、周囲に霧を作っています。
 しかし、こんなに湿気があったのでは、ますます弥久風花は火を熾すことができません。秘密基地を作るにしても、湿気が問題です。
「とにかく、洞窟を確かめてみましょう」
 アルテミス・カリストが一同をうながしました。
「洞窟、洞窟~♪」
 わくわくのとまらない弥久風花です。
「おーい、こっちだよー」
 アルテミス・カリストたちを見つけた川村萌夏が手を振ります。
「しまった、先客が……」
 これでは秘密基地になりません。早くも、アルテミス・カリストたちの計画が崩れます。いや、まだ川村萌夏を亡き者にしてしまえば……。ゼウス・オリュンポスとは違って、さすがに、それはできないアルテミス・カリストでした。
「ここから上に登れそうだよぉ」
 萩原雅怜が、滝の中程に近づく道を見つけました。
「滝の裏に、道が通っているねぇ」
 面白そうに、川村萌夏が言いました。
 滝裏の洞窟というわけにはいきませんでしたが、水に削られて滝の裏に窪みができていました。さすがに、水飛沫が始終あたってびしょびしょです。奥行きもそれほどありませんし、うっかり掘ったりして水が吹き出てきても困りそうです。
「でも、面白い眺めだよね♪」
 滝の裏からの景色を見て、弥久風花が楽しそうに言いました。
 そのときです。
「うぶくわあっくはあげっぼ!!」
 なんだか人ならぬ悲鳴をあげて、何かが水源から飛び出して、滝を流れ落ちていきました。
わっ、驚いたあ。なになになに!?
 突然のことに、驚いた弥久風花が涙目になります。いきなりの土左衛門です。
「きゃあ、痴漢! 河童ぁ!!」
 運悪く息継ぎに水面に浮かびあがってきた空莉・ヴィルトールが、滝の水と共に落ちてきた平平平に、必殺の鉄拳を見舞いました。
「うぼあっ!?」
 吹っ飛ばされた平平平が、ぷっかりと水面に浮かびます。そのまま、うつ伏せの状態で流されていきます。
「平!?」
 何が出てきたのかやっと気がついて、アルテミス・カリストが慌てて追いかけました。
『アイドルは、特殊な厳しい忍者修行をしていますので大丈夫です。よい子は真似しないでください』
「待ってえ~」
 まだ唖然としている空莉・ヴィルトールを残して、アルテミス・カリストたちは、どんどん流されていく平平平を追って、走っていきました。

★    ★    ★

「水の音がするな。うまく水が確保できれば嬉しいんだが」
 滝の場所にやってきたのは、火澄悠です。
「ここは、水確保には最適だな。まあ、飲み水に使えるかは、水質検査をしないとだめだが、生活用水には申し分ないだろう」
 満足そうに、滝を見回して火澄悠が言いました。
「きゃあ、また痴漢だよー!」
 もう誰もいなくなったと思っていた空莉・ヴィルトールが、両手を挙げて驚きました。
『光光光光光光光光光光光光光光光光光光光光光光光光光光光光光』

『光光光光光光光光光光光光光光光光光光光光光光光光光光光光光光光』

 またもや謎の光の出番です。
 が、肉眼でもろに目撃してしまった火澄悠が、盛大に鼻血を噴いてぶっ倒れます。尋常じゃない出血量です。
「きゃあ、大丈夫ぅ!?」
 慌てて水から上がると、ジャージを着て空莉・ヴィルトールが火澄悠に駆け寄りました。そのまま近づいたら、さらに出血しそうでしたから、的確な判断です。
「生きてます?」
「大丈夫、フェイクブラッドだから、ただの演出だから」
 改めて聞く空莉・ヴィルトールに、火澄悠が答えました。
『治療中』
 字幕で誤魔化して、場面が飛びました。
「とりあえず、出先の小屋程度は作っておこう」
 そう言うと、火澄悠は空莉・ヴィルトールに手伝ってもらって、簡単な基地を造り始めました。
 すでに立っている木を利用して、四隅の柱に相当する木が都合よく生えている場所を探しだします。邪魔な下生えを刈り取って、ノコギリで下枝を落とせば、下準備は完了です。
 ありがたいことに空莉・ヴィルトールが蔓を持っていたので、それをロープ代わりに使います。ロープで柱の木の間を結んで、梁の代わりにします。その上に、切り落とした葉のついた枝を載せていけば、簡単な屋根の完成です。雨を完全に防げるわけではありませんが、休憩所程度には使えるでしょう。何よりも、再びやってきたときの目印にはなりますから、必要な物を置いておくことができます。
 さらに今度は葉を落とした枝を集めて立てかけ、壁のような物を作りあげます。
「完成ですね。更衣室?」
「いやいやいや。でも、まあまあかな」
 空莉・ヴィルトールに言われて、火澄悠が自画自賛しました。

★    ★    ★

「竹林があったのは幸いでしたわね」
 鉈で、カンカンと竹を切り倒しながら三木里緒菜が言いました。
「ええ。それに、タケノコもたくさん♪」
 思わぬ副産物に、ほくほく顔の八重崎サクラもいます。道中キノコなどはたくさん発見しましたが、毒キノコかどうか分かりません。一応、後で確認できるように、サンプルと、採れた場所はメモしてあります。
 ところが、タケノコであれば、一目瞭然です。これは食えないはずがありません。
 また、竹の方も、素晴らしく優秀な素材です。建物を作るときの足場にも使えますし、半分に割って組み合わせれば、雨に有効な屋根にすることもできます。壁や床にも最適です。また、細工しやすいので、コップや器、スプーンからナイフまで作ることができます。それどころか、釣り竿などにも利用できる優れものなのです。
「それでは、小屋を作っている人たちの所へ竹を運びましょう」
 途中で集めてきた蔓で竹を縛ると、三木里緒菜と八重崎サクラは竹を運んでいきました。

★    ★    ★

「森の木樵は、コンコンコン♪ 狐じゃないよ、コンコンコン♪」
 鼻歌まじりに、槍沢兵一郎が森の木を切っていきます。
 むやみやたらに木を切っていったのでは単なる環境破壊ですから、ちゃんと切る木を吟味しています。一箇所を丸裸にしないように、適度に間引く形で、森全体は維持できるように配慮します。
「次はこいつかな」
 次に切る木を決めると、槍沢兵一郎が木を倒す方向を吟味します。他の木に引っ掛かったり、誰かにぶつかったりするとやっかいです。
「よし、こっちかな」
 邪魔な枝をある程度切り落とすと、斧で切れ込みを入れます。次いで、倒す側にも小さく切れ込みを入れると……。
「せーのぉ、倒れるぜー!!」
 キック一発、槍沢兵一郎が木を蹴り倒しました。メキメキと音をたてて、木が倒れていきます。
 運べるように残りの枝を落とせばできあがりです。
「よいしょっと、よいしょっと」
 そこへ、二人で竹を運ぶ三木里緒菜と八重崎サクラが通りかかりました。
「おお、大漁だな。どれ、俺もいったん運ぶか」
 そう言うと、切り倒した木をひょいと担ぎあげます。
「凄いなあ、さすが男の子です」
 八重崎サクラたちが感心します。

 
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