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シナリオは、複数のユーザーが参加した結果を描写される小説形式のコンテンツです。
「ヒロイックソングス!」の世界で起こった事件やイベントに関わることができます。

ファイト島開発記1 上陸

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ファイト島開発記1 上陸

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★    ★    ★

「ふはははははは! さあ、愚民共よ、俺に秘密基地を貢ぐがよい!」
 一人ハイテンションなゼウス・オリュンポスですが、ここは無人島です。
『応えはなかった』
 仕方ないので、自力でとぼとぼと秘密基地を探します。
 だいたいにして、一から拠点を作るだなんて、そんな七面倒くさいこと、ちまちまとやっていられません。
「確か、以前は人が住んでたとか言っていたな。よし、適当な家を見つけて、秘密基地に改造するとしよう。ああ、我ながらなんという恐ろしいアイディアだ。ふはははははは!」
 自画自賛しながら、ゼウス・オリュンポスは集落を探しました。まあ、そんなに都合よく見つかるわけが――見つかりました。また、やらせでしょうか。
「ふはははははは! 俺の日頃の行いがよいせいだな。正に人徳!」
 悪の秘密結社総帥としては、それでいいのでしょうか……。
 ともあれ、首尾よく一軒の廃屋を見つけたので、さっそく家探しです。
『スタッフは、当局に許可をとっています。よい子のみなさんは、真似しないようにしてください』
「しかし、古くさい家だな……」
 探してもろくな物がないので、ゼウス・オリュンポスがやれやれと肩をすくめました。
 家と言っても、華乱葦原のド田舎にあるような家です。日本だと、江戸末期という感じでしょうか。木の柱と土壁、屋根は藁葺きです。それも、ほとんど穴が開いていたりしていて、このままでは建物として利用できそうにありません。
 しかし、人が住んでいたと言うことですが、それはいったいいつの時代の話なのでしょうか。アイドルたちは、勝手につい最近まで人がいて、近代的な建物がいくつも残っていると思っていたようですが、時代的に見て、100年以上前の建物のようです。
 とりあえず、落ちていた板にでかでかと『秘密結社オリュンポス ファイト島支部 第一秘密基地』と書いて、入り口の横に立てかけておきます。これで、もうこの建物はゼウス・オリュンポスの物です。そう決めました。
「なあに、我がオリュンポスの超科学力(物理)をもってすれば、こんな廃屋でもあっという間にリフォームできよう。この島の征服は、ここから始まるのだ。さあ、アルテミス、俺のためにこの小屋を直せ……アルテミス?」
 今になって、アルテミス・カリストがついてきていないことに気づくゼウス・オリュンポスでした。遅すぎます。
「アルテミス! おーい、どこ行ったー!」
 仕方なく、アルテミス・カリストを探しに行くゼウス・オリュンポスでした。とりあえず、自分が働いたら負けだと思っています。

★    ★    ★

「はいはいほっほー、環境破壊。オイラに切れない木はないぜ♪ はいはいほっほー……」
 大工道具を持った世良延寿が、使えそうな木を見つけてはノコギリで容赦なくぶった切って進んでいきます。
 後でこれらをみんな空花凛菜の所に持っていって、家の材料に使ってもらうつもりです。
「でも、木しか手に入らないというのもねえ。何か他にいいもんないかなあ~」
 変わった物はないかと不穏にあたりを物色する世良延寿です。
 すると、近くから人の声らしき物が聞こえてきました。なんだか笑っているようです。
「よーし、あっち行ってみよー!」
 おーっと片手を突きあげて気合いを入れると、世良延寿は声のした方へとむかいました。
「ああ、なんということでしょう。こんな所に、お宝があ~♪」
 なんだかちょっとわざとらしい台詞を世良延寿が言いました。
 ちょっとした茂みを抜けた先に、廃屋を見つけたのです。
「ああ、これはもう、誰にも使われていないよね。崩れても危ないから、取り壊してしまおう♪」
 ほとんど棒読み台詞で宣言すると、世良延寿がいきなりアクロバットキックで『秘密結社オリュンポス ファイト島支部 第一秘密基地』と書かれた板を真っ二つにへし折りました。これで、問題はなくなりました。
「おーらおらおら基地破壊♪ あたしゃに壊せない基地はない♪」
 またもや謎の鼻歌を歌いながら、世良延寿があっという間に廃屋を解体していきました。もともと壊れかけていたので、あっという間です。
「さあ、早く凛菜ちゃんの所に持ってこーっと♪」
 両手にかかえられるだけの部材を持つと、世良延寿は秘密基地跡を後にしました。

★    ★    ★

「我々探検隊は、いよいよこの未知なる島の根幹の部分に迫りつつあったのだった……えっ、ピンマイクつまむなって? これは、すまぬでござった」
 カメラにむかって一人語りしていた平平平が、何か注意されたのか、突然謝りだします。
『ほんと、やめてください(音響さん)』
「絶対に、この無人島には何かあるでござる。突如として、姿を消した住民たち……」
『そんなことはありません……たぶん』
「きっと、この島には、古代の遺跡が隠されているのでござる。それを暴いて、超古代の忍術を手に入れるのでござる!」
『超古代の忍術!?』
 何か、色々と誤解があるようです。どーしてこーなった。
「こ、この、破壊された遺跡の跡は……遅かったでござるかあ。おのれ、遺跡バスターどもめでござる!」
 真っ二つにされた『秘密結社オリュンポス ファイト島支部 第一秘密基地』という看板は無視して、平平平が壊れた建物を前にして悔しがりました。
「おや、この床は……。カラクリでござるか!?」
 地面に怪しげな撥ね上げ扉を見つけて、平平平が身をかがめました。
 瓦礫をどけて、扉を開いてみます。すると、地下室らしき場所へと続く階段が現れました。これは怪しい。
「いよいよ、究極を手に入れるでござる……」
 そろりそろりと忍び歩きで、平平平が階段を下り始めました。
 中は真っ暗で、いったいその先にあるのが地下室なのか、地下大空洞であるのか、はっきりとは分かりません。
 つるっ。
「あっ!?」
『つるっ!』
 階段を慎重に下りていたはずの平平平が、足をすべらせてしまいました。
 どんぐらわっしゃ!
 ぼっちゃ~ん!!
『ぼっちゃ~ん!!』
 続いて、大きな水音が響き渡りました。

★    ★    ★

「色々な種類の木があるみたいだけど、食べられるような物はないのかなあ」
 美味しそうな木の実はないかと、森の中を探す川村萌夏です。
 けれども、季節の関係か、花が咲いている木はたくさんあるのですが、実がなっている物はなかなか見つけることができません。本来であれば、今ごろだとサクランボとかモモでしょうか。
 どこかになっているのかもしれませんが、今のところは見つかりません。
 どちらかと言うと、キノコなどがよく見つかりますが、どれが毒キノコか分からないので、さすがに手を出す気にはなれませんでした。とりあえず、このへんの森にはキノコがたくさんと記憶します。
「うわーん、森の中もなんかジメジメしてるう。近くに水があるのかなあ。真水だと嬉しいなあ」
 そこへ、空莉・ヴィルトールがやってきました。川村萌夏とは別ルートを苦労して進んできたようで、結構ボロボロです。頭の上には枯葉が乗っかり、玉の汗をかいていました。
「大丈夫?」
「うん、なんとかあ」
 川村萌夏に聞かれて、空莉・ヴィルトールが胸元を指でつまんでパタパタしながら答えました。
「このあたりは、腐葉土みたいだから、植物はたくさんありそうだね」
「うん、ドングリとかは、たくさん拾ったんだけどねえ」
 ポケットに詰まった、ドングリや松ぼっくりを出して見せながら、空莉・ヴィルトールが川村萌夏に言いました。野菜や果物の種だったら後々役に立ちそうだったのですが。それ以外では、行く手を遮っていた蔓草を刈り取って、ロープのように巻き取って肩に掛けています。これは、何かに使えそうです。
「あれ? 水の音がしない?」
「ほんと、いこいこ! 水ー。ベタベタなんとかしたーい」
 耳を澄ませる川村萌夏を、空莉・ヴィルトールが背中を押し出すようにして急かしました。
 音を頼りに進んでいくと、ありましたありました、立派な滝です。滝壺に水がたまって池ができていて、そこから川が流れています。
「わーい、水だあ!」
 それを見るなり、空莉・ヴィルトールがジャージを脱いで滝壺近くに飛び込みました。
「ちょ、ちょっと、見えちゃうよぉ」
 空莉・ヴィルトールの大胆な行動に、川村萌夏が慌てます。
「大丈夫だよ、ほら」
 浅瀬に戻ってきて、空莉・ヴィルトールが立ちあがりました。濡れた下着が透けて……。
『光光光光光光光光光光光光光光光光光光光光光光光光光光光光光』

『光光光光光光光光光光光光光光光光光光光光光光光光光光光光光光光』

 さすがは謎の光さんです。自らの仕事に手は抜きません。
「一緒に泳ぐ?」
「ええっと、ちょっと滝を調べてくるね」
 空莉・ヴィルトールが誘いますが、さすがに川村萌夏は遠慮しました。
 水中に潜って水の中を調べる空莉・ヴィルトールとは離れて、川村萌夏は滝の方を調べに行きました。
 どうやら、滝は岩壁の途中から水が噴き出してできているようです。
「この岩は、ほとんど石灰岩かなあ」
 だとすれば、地下水に浸蝕されて、湧き水などが多いのも納得です。どうやら、この島の山は、石灰岩が基本のようです。これならば、鍾乳洞タイプの洞窟もあるかもしれません。ただ、鍾乳洞だと、むやみに鍾乳石を削ったり折ったりできませんから、そこを改造して基地にするのは難しそうです。だいたい、水の浸蝕でできるタイプの洞窟ですから、水をなんとかしないと中の物は水浸しになりそうです。
『番組では、環境破壊に対しては、常に配慮をしております』
 洞窟があるのかなあと川村萌夏が調べていると、話し声が近づいてきました。

 
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