桜稜郭にようこそ!
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リアクション
朝、華乱葦原、桜稜郭の床町。
「たくさんの人で賑わっているのは楽しいね……さすが、といったところかな」
日辻 瑶は歩きながら忙しなく活気に目をきょろきょろ。
「あぁ、大きな揉め事も無い、こういった日はいいもんだな」
隣のレオナルド・クレシェンテも平和な都の空気にのんびり。
という事で
「じゃぁ、色々見て回ろっか」
瑶の言葉を合図に二人はまったりと桜稜郭の各区画を見て回り店を覗いたり食べたり飲んだりと存分に楽しみ時間はすっかり昼過ぎとなった。
昼過ぎ、株町。
「ねぇ、レオ、次は匠町のほうに行こうよ」
瑶は匠町に続く通りを示しながら後ろを振り向いた。
「そうだな」
レオナルドはのんびり答え
「じゃぁ、行こう」
ウキウキと駆け出した瑶に続いた。
匠町。
「……いろんなお仕事の音で溢れてて、活気があるねー」
瑶はあちこちから聞こえる鉄を鍛える甲高い音や木材を切るリズミカルな音など作業の音に耳を傾け忙しなく駆け回る職人の姿を目で追ったり
「ほわぁ、すごいなぁ」
店を覗いて職人の作業を見学したりと忙しない。
後ろを歩くレオナルドは
「忙しないな……折角だから刀を見に……」
あちこち動き回る瑶に軽く口元を歪めた後自身の興味を満たすに相応しい店はないかと周囲を見回していた。
目に止めたのは刀鍛冶ではなく
「……硝子細工の展示か」
職人達が宣伝のため開催する硝子細工の街頭展示であった。
「……どれも見事なものだな」
色んな硝子職人が魂を込めて作り上げた精巧な作品にすっかりレオナルドの興味は持っていかれ刀鍛冶を探してた足は止まっていた。
そこに
「レオ? 硝子細工の展示?」
忙しくしていたはずの瑶がひょっこりと現れたので
「なんだ……瑶か」
レオナルドは振り返り
「一人で迷子にならなかったか?」
軽く揶揄った。
「もう、俺だってそんな子どもじゃないよ? ……少し迷ったけど……」
瑶は可愛らしく口を尖らせ
「後ろ見たらレオいないし……」
じぃと睨め付けた。
「あぁ、悪かった」
レオナルドは速やかに謝った。
「うん」
瑶は途端に表情を緩めるなり
「でも珍しいね」
レオナルドと硝子細工を見比べ今度は不思議そうな顔に。
「そうか?」
瑶の言わんとしている事を知ったレオナルドが聞き返すと
「うん、だって細工より刀のほうに興味あると思ってたから」
にこにこと笑いながら答えた。
「あぁ、そのつもりだったんだがな」
先程まで瑶の言う通りだった自分にレオナルドは口元を歪めて答えながらも視線は硝子細工。
「そうなんだぁ」
瑶はそう言うなり
「俺も見ようっと」
硝子細工展示の見学に加わった。
途端
「透明で、きらきらして綺麗だね」
並ぶ様々な繊細緻密な作品に興味キラキラさせる目をきょろきょろ。
「そうだな」
応じるレオナルドは変わらず硝子細工を見ている。
こうして二人は仲良く展示された硝子細工を見て回った。
見学を始めてしばらくして
「花びら一枚、一枚、すごく細かいなぁ……これ、売ってるんだ」
硝子の器に施された細かな装飾に感嘆を洩らした瑶は
「……」
ふと硝子細工から顔を上げて人の賑わいを遠い出来事かのように碧眼に映すと
「……幸せってなんだろうね」
口から独り言がぽろり。
すると
「……何が幸せかは人によるだろうが……」
耳に入ったのか隣で硝子細工を見るレオナルドが
「少なくとも、一人でいるよりは二人でいるほうが幸せなんじゃないか」
そっと瑶にだけ聞こえる程度の声で独り言を重ねるように呟いた。
「ん……、幸せを守りたいね」
貰った返答に瑶は少し憑き物が落ちたような晴れた顔で行き交う人々を見てから
「……ありがとう」
隣に振り返り笑みを返した。
「……あぁ(桜と藍色の硝子細工の簪か……合いそうだな)」
レオナルドは頷きつつ何やら購入可能である硝子細工の簪を手に取り展示の見学に戻った瑶に気付かれぬよう購入。
そして
「瑶」
レオナルドは声を掛け
「なに、レオ?」
相手がこちらに振り向いたと同時に
「お前に合いそうな物を見つけた」
冗談めかして購入した簪を瑶につけてやり
「人を幸せにするだけじゃなく……その幸せが続くように……ってな」
ニヤリと口を歪めて見せた。
「たくさんの人で賑わっているのは楽しいね……さすが、といったところかな」
日辻 瑶は歩きながら忙しなく活気に目をきょろきょろ。
「あぁ、大きな揉め事も無い、こういった日はいいもんだな」
隣のレオナルド・クレシェンテも平和な都の空気にのんびり。
という事で
「じゃぁ、色々見て回ろっか」
瑶の言葉を合図に二人はまったりと桜稜郭の各区画を見て回り店を覗いたり食べたり飲んだりと存分に楽しみ時間はすっかり昼過ぎとなった。
昼過ぎ、株町。
「ねぇ、レオ、次は匠町のほうに行こうよ」
瑶は匠町に続く通りを示しながら後ろを振り向いた。
「そうだな」
レオナルドはのんびり答え
「じゃぁ、行こう」
ウキウキと駆け出した瑶に続いた。
匠町。
「……いろんなお仕事の音で溢れてて、活気があるねー」
瑶はあちこちから聞こえる鉄を鍛える甲高い音や木材を切るリズミカルな音など作業の音に耳を傾け忙しなく駆け回る職人の姿を目で追ったり
「ほわぁ、すごいなぁ」
店を覗いて職人の作業を見学したりと忙しない。
後ろを歩くレオナルドは
「忙しないな……折角だから刀を見に……」
あちこち動き回る瑶に軽く口元を歪めた後自身の興味を満たすに相応しい店はないかと周囲を見回していた。
目に止めたのは刀鍛冶ではなく
「……硝子細工の展示か」
職人達が宣伝のため開催する硝子細工の街頭展示であった。
「……どれも見事なものだな」
色んな硝子職人が魂を込めて作り上げた精巧な作品にすっかりレオナルドの興味は持っていかれ刀鍛冶を探してた足は止まっていた。
そこに
「レオ? 硝子細工の展示?」
忙しくしていたはずの瑶がひょっこりと現れたので
「なんだ……瑶か」
レオナルドは振り返り
「一人で迷子にならなかったか?」
軽く揶揄った。
「もう、俺だってそんな子どもじゃないよ? ……少し迷ったけど……」
瑶は可愛らしく口を尖らせ
「後ろ見たらレオいないし……」
じぃと睨め付けた。
「あぁ、悪かった」
レオナルドは速やかに謝った。
「うん」
瑶は途端に表情を緩めるなり
「でも珍しいね」
レオナルドと硝子細工を見比べ今度は不思議そうな顔に。
「そうか?」
瑶の言わんとしている事を知ったレオナルドが聞き返すと
「うん、だって細工より刀のほうに興味あると思ってたから」
にこにこと笑いながら答えた。
「あぁ、そのつもりだったんだがな」
先程まで瑶の言う通りだった自分にレオナルドは口元を歪めて答えながらも視線は硝子細工。
「そうなんだぁ」
瑶はそう言うなり
「俺も見ようっと」
硝子細工展示の見学に加わった。
途端
「透明で、きらきらして綺麗だね」
並ぶ様々な繊細緻密な作品に興味キラキラさせる目をきょろきょろ。
「そうだな」
応じるレオナルドは変わらず硝子細工を見ている。
こうして二人は仲良く展示された硝子細工を見て回った。
見学を始めてしばらくして
「花びら一枚、一枚、すごく細かいなぁ……これ、売ってるんだ」
硝子の器に施された細かな装飾に感嘆を洩らした瑶は
「……」
ふと硝子細工から顔を上げて人の賑わいを遠い出来事かのように碧眼に映すと
「……幸せってなんだろうね」
口から独り言がぽろり。
すると
「……何が幸せかは人によるだろうが……」
耳に入ったのか隣で硝子細工を見るレオナルドが
「少なくとも、一人でいるよりは二人でいるほうが幸せなんじゃないか」
そっと瑶にだけ聞こえる程度の声で独り言を重ねるように呟いた。
「ん……、幸せを守りたいね」
貰った返答に瑶は少し憑き物が落ちたような晴れた顔で行き交う人々を見てから
「……ありがとう」
隣に振り返り笑みを返した。
「……あぁ(桜と藍色の硝子細工の簪か……合いそうだな)」
レオナルドは頷きつつ何やら購入可能である硝子細工の簪を手に取り展示の見学に戻った瑶に気付かれぬよう購入。
そして
「瑶」
レオナルドは声を掛け
「なに、レオ?」
相手がこちらに振り向いたと同時に
「お前に合いそうな物を見つけた」
冗談めかして購入した簪を瑶につけてやり
「人を幸せにするだけじゃなく……その幸せが続くように……ってな」
ニヤリと口を歪めて見せた。