アイドル田舎探訪~今晩泊めてください!~
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リアクション
~釣り場へGO!~
「それじゃあ、今度は魚釣りの場所へ案内しますよ」
茂三が歩き出した。
「ごめん、田んぼに水を入れている間、魚釣りの様子を見てくるよ」
ディレクターに促されて、春人が歩き出す。
その横につつつ……と弥久 風花が行き、春人の隣に並んだ。
「都会っ子の神谷先輩、田舎の遊び方を教えてあげますよ」
「え? 本当? 助かるよ。 僕さ、田舎って慣れてなくてどうすれば良いか分からないんだ……」
「折角、田舎に来たんですから都会では出来ない事をしないと損です! めいっぱい遊びましょ。道具は村長が貸し出してくれるんですよねー?」
風花が先頭を歩く茂三に声をかける。
「はい、必要なものはなんでもありますから言ってください」
「やったぁ! あ、それと……川の傍で火を熾しても良いですか?」
「後始末をしてくれるのでしたら全く問題はありません。もちろん私の家でも調理等可能ですので。トイレもお風呂も安心して使ってください」
「至れり尽くせりですね、神谷先輩! せっかくだから絶対に魚を獲りましょう!」
「ああ!」
さっきの田んぼからそんなに離れていないと言うのに、いつの間にか木々の隙間から光が差し込む緑の世界へと入っていた。
道の横には、透明度半端ない綺麗な川が流れている。
(前にデートした時、夏になったら今度は川に行こうなって約束してたさかい実はちょっと楽しみにしてたんよねぇ、ふふ)
朝霞 枢は涼やかな水の流れる音がする綺麗な川を見て、以前のデートを思い出していた。
「仄はん、川に着いたら釣りを教えてもらえへんやろか。うち、初めてやさかい、やさしゅうしてな?」
枢の無意識に甘える小首を傾げる様に、高城 仄は微笑んで言った。
「あぁ、春に約束したデートは川遊びだったもんな。渓流釣り楽しもうぜ」
「覚えててくれはったんですか?」
「当たり前だろ! 枢との約束を俺が忘れるわけ……」
ごほんと照れ隠しに咳払いをして仄は話を変える。、
「ま、まぁ、まだ中学生の女の子に餌釣りと言うのは難易度が高そうだな。技術というよりは、虫なんかを餌にするって所で」
「あややー、虫どすかぁ。ルアーじゃダメなん? ルアーてかあいらしいん多いんやけど」
「う~ん、やっぱ虫は厳しいかぁ」
(【飴と鞭理論】で釣りのやり方をレクチャーしようと思ったけど、枢相手じゃ一筋縄で行かないなぁ。やっぱ枢の事、甘やかしちまう)
そんな苦悩も知らず無邪気に川を眺めている枢に、仄は苦笑した。
その後ろで、木漏れ日の光を受けてキラキラ反射する川をうっとり眺めていた藍屋 あみかは言った。
「綺麗な川ですね……」
隣を歩いていた竜胆 華恋も大きく頷く。
「透明度の高い綺麗な川と、そしてこの豊富な竹……笹船の大会を開くのはどうでしょう?」
「笹船の大会……素敵ですね! 立派な竹笹を使って、色んなことが出来そうです。笹船を作ったり笹笛を製作したり。この村の特産品になるのでは?」
前を歩いていた風花が、聞こえてきた内容に賛同の意を示した。
「凄い! それナイスアイデア! こんなにたくさん竹があるんだもの。使わない手はないよね!」
「僕もそう思う!」
春人も大きく頷いた。
「あ、ありがとうございます。まさかこんなに反応が返ってくるとは思いませんでした。例えばそうですね……笹船大会を開催するとして、
〇制限時間1時間の間に笹船を2個作成(笹は運営が事前に準備)
〇サイズ制限はなし。作成したうちの一つを運営に提出し審査員が確認し”技術点”が与えられる
〇もう一つはレースに使用し、タイムで競い合う。
〇タイムと技術点を加算し総合的な順位が決定。タイム、技術点での単独の表彰も有。優勝者、入賞者には特産物が贈られる。
なんていかがでしょうか?」
華恋が笹船大会の詳細を提案をする。
「六月は春草と夏草を楽しめ、中でも竹笹は最も美しいと言われる時期です。皆さん、七夕前に、笹を楽しんでみませんか?」
あみかが華恋の提案する笹船大会の後押しをする。
「素晴らしい案ですね! 村で大会を開催して賑わってもらう。考えただけで興奮してきました!」
茂三が華恋やあみかを交互に見ながら鼻息荒く、拳を突き上げた。
「そ、村長さん……まだ仮案なので……」
苦笑しながら華恋が言うと、村長は恥ずかしそうに頭をかいた。
「あはは、そうでしたね」
「……笹船は、昔、作り方を教えてもらったんです。一度指を切って泣いたこともあったり……」
あみかが遠くを見ながら、昔を懐かしむように呟いた。
かつて藍屋家の引越しで華恋と別れ、10年越しの偶然の再会。
夢叶い交際に至っている今が夢のようだ。
「あらあら、そんな昔のことを覚えていて……。嬉しいですよ、あみかちゃん」
昔、あみかに笹船作りを教えたのを覚えていてくれて、華恋は純粋に嬉しく思った。
愛しさをこめて、あみかの頭を優しく撫でる。
熱い華恋の眼差しに、あみかの頬が熱くなった。
「あみかちゃん? 顔が赤いですよ?」
「そ、そんなことないです!」
あみかの気持ちを知っていながら揶揄ってくる華恋に、更に胸が高鳴るあみかだった。
そんな様子をプロデューサーはカメラに収める。
良いものが提案され、活気づいていく様は絶好の絵になる。
それがこんな美少女二人の絵面となれば、視聴者は食いつくに決まっている。
「……え? きゃっ、カメラ!」
あみかは慌ててレンズから逃れ、プロデューサーの後ろに回った。
そんなあみかの様子を、華恋は愛しそうにくすくす笑った。
「それじゃあ、今度は魚釣りの場所へ案内しますよ」
茂三が歩き出した。
「ごめん、田んぼに水を入れている間、魚釣りの様子を見てくるよ」
ディレクターに促されて、春人が歩き出す。
その横につつつ……と弥久 風花が行き、春人の隣に並んだ。
「都会っ子の神谷先輩、田舎の遊び方を教えてあげますよ」
「え? 本当? 助かるよ。 僕さ、田舎って慣れてなくてどうすれば良いか分からないんだ……」
「折角、田舎に来たんですから都会では出来ない事をしないと損です! めいっぱい遊びましょ。道具は村長が貸し出してくれるんですよねー?」
風花が先頭を歩く茂三に声をかける。
「はい、必要なものはなんでもありますから言ってください」
「やったぁ! あ、それと……川の傍で火を熾しても良いですか?」
「後始末をしてくれるのでしたら全く問題はありません。もちろん私の家でも調理等可能ですので。トイレもお風呂も安心して使ってください」
「至れり尽くせりですね、神谷先輩! せっかくだから絶対に魚を獲りましょう!」
「ああ!」
さっきの田んぼからそんなに離れていないと言うのに、いつの間にか木々の隙間から光が差し込む緑の世界へと入っていた。
道の横には、透明度半端ない綺麗な川が流れている。
(前にデートした時、夏になったら今度は川に行こうなって約束してたさかい実はちょっと楽しみにしてたんよねぇ、ふふ)
朝霞 枢は涼やかな水の流れる音がする綺麗な川を見て、以前のデートを思い出していた。
「仄はん、川に着いたら釣りを教えてもらえへんやろか。うち、初めてやさかい、やさしゅうしてな?」
枢の無意識に甘える小首を傾げる様に、高城 仄は微笑んで言った。
「あぁ、春に約束したデートは川遊びだったもんな。渓流釣り楽しもうぜ」
「覚えててくれはったんですか?」
「当たり前だろ! 枢との約束を俺が忘れるわけ……」
ごほんと照れ隠しに咳払いをして仄は話を変える。、
「ま、まぁ、まだ中学生の女の子に餌釣りと言うのは難易度が高そうだな。技術というよりは、虫なんかを餌にするって所で」
「あややー、虫どすかぁ。ルアーじゃダメなん? ルアーてかあいらしいん多いんやけど」
「う~ん、やっぱ虫は厳しいかぁ」
(【飴と鞭理論】で釣りのやり方をレクチャーしようと思ったけど、枢相手じゃ一筋縄で行かないなぁ。やっぱ枢の事、甘やかしちまう)
そんな苦悩も知らず無邪気に川を眺めている枢に、仄は苦笑した。
その後ろで、木漏れ日の光を受けてキラキラ反射する川をうっとり眺めていた藍屋 あみかは言った。
「綺麗な川ですね……」
隣を歩いていた竜胆 華恋も大きく頷く。
「透明度の高い綺麗な川と、そしてこの豊富な竹……笹船の大会を開くのはどうでしょう?」
「笹船の大会……素敵ですね! 立派な竹笹を使って、色んなことが出来そうです。笹船を作ったり笹笛を製作したり。この村の特産品になるのでは?」
前を歩いていた風花が、聞こえてきた内容に賛同の意を示した。
「凄い! それナイスアイデア! こんなにたくさん竹があるんだもの。使わない手はないよね!」
「僕もそう思う!」
春人も大きく頷いた。
「あ、ありがとうございます。まさかこんなに反応が返ってくるとは思いませんでした。例えばそうですね……笹船大会を開催するとして、
〇制限時間1時間の間に笹船を2個作成(笹は運営が事前に準備)
〇サイズ制限はなし。作成したうちの一つを運営に提出し審査員が確認し”技術点”が与えられる
〇もう一つはレースに使用し、タイムで競い合う。
〇タイムと技術点を加算し総合的な順位が決定。タイム、技術点での単独の表彰も有。優勝者、入賞者には特産物が贈られる。
なんていかがでしょうか?」
華恋が笹船大会の詳細を提案をする。
「六月は春草と夏草を楽しめ、中でも竹笹は最も美しいと言われる時期です。皆さん、七夕前に、笹を楽しんでみませんか?」
あみかが華恋の提案する笹船大会の後押しをする。
「素晴らしい案ですね! 村で大会を開催して賑わってもらう。考えただけで興奮してきました!」
茂三が華恋やあみかを交互に見ながら鼻息荒く、拳を突き上げた。
「そ、村長さん……まだ仮案なので……」
苦笑しながら華恋が言うと、村長は恥ずかしそうに頭をかいた。
「あはは、そうでしたね」
「……笹船は、昔、作り方を教えてもらったんです。一度指を切って泣いたこともあったり……」
あみかが遠くを見ながら、昔を懐かしむように呟いた。
かつて藍屋家の引越しで華恋と別れ、10年越しの偶然の再会。
夢叶い交際に至っている今が夢のようだ。
「あらあら、そんな昔のことを覚えていて……。嬉しいですよ、あみかちゃん」
昔、あみかに笹船作りを教えたのを覚えていてくれて、華恋は純粋に嬉しく思った。
愛しさをこめて、あみかの頭を優しく撫でる。
熱い華恋の眼差しに、あみかの頬が熱くなった。
「あみかちゃん? 顔が赤いですよ?」
「そ、そんなことないです!」
あみかの気持ちを知っていながら揶揄ってくる華恋に、更に胸が高鳴るあみかだった。
そんな様子をプロデューサーはカメラに収める。
良いものが提案され、活気づいていく様は絶好の絵になる。
それがこんな美少女二人の絵面となれば、視聴者は食いつくに決まっている。
「……え? きゃっ、カメラ!」
あみかは慌ててレンズから逃れ、プロデューサーの後ろに回った。
そんなあみかの様子を、華恋は愛しそうにくすくす笑った。


