タマゴのタマゴを育てよう!「よろしく、プロデューサー!」
リアクション公開中!

リアクション
1.情熱的なアイドルたち
「「「よろしく、プロデューサー!」」」
「えっ」
「きゃあっ」
「わっ」
扉が開くと同時に、元気の良いかけ声とクラッカーの破裂音が響いた。
呆然として立ち尽くしているのは、今日初めてマテプロの門をくぐった新米プロデューサー兎多園 詩籠と天音 遥、渋谷 柚姫。
担当アイドルが待つという部屋を教えられ、その扉を開けた瞬間の出来事。
彼らの前には、3人の元気そうな少女が立っていた。
「あたし、一花 蜜柑(ひとはな みかん)って言います! よろしくお願いします!」
口火を切ったのは詩龍の前にいる、オレンジ色の髪の少女だった。
大きくぺこりと頭を下げると、笑顔で詩龍の顔を見つめる。
「初めまして、兎多園 詩籠だよ。気軽に詩籠って呼んでね」
彼女の笑顔に負けないように、なんとか口角をあげ微笑んでみせる。
表情が強ばっていないか、ほんの少し気になったけれども。
「あたしの名前は一花 林檎(ひとはな りんご)。蜜柑とは双子なんだ」
遙に挨拶するのは蜜柑とよく似た赤い髪の少女。
「ひゃ……っ、わわ、わた……し、天音 遥です。よろしくお願いします」
林檎の勢い押されながら、遥は少し言葉に詰まりながら何とか答える。
(元気な子ですね……)
そんな遙に、林檎は気合いを入れるように手を差し出した。
「バリバリやってくから、夜露死苦ぅ!」
「え……?」
彼女の言葉のニュアンスに、ほんのちょっとだけ違和感を覚えたのは気のせいだろうか……?
「わ、わたしは……と、とわぁあああっ!?」
「え……ええっ!?」
次は自分の番だと身構えていた柚姫の前に進み出たのは、燃えるような赤毛の少女だった。
けれども互いに挨拶する前に、少女は突然柚姫に向かって飛びかかってきた。
――正確に言えば、足をもつれさせて転んでしまった。
柚姫の顔に彼女のやや控えめな胸が当たる。
しかし柚姫自身の大きな胸がクッションとなり大事故には至らなかったようだ。
「あ……きゃあっ、わわわっ、ご、ごめんなさいプロデューサーさん!」
「う……ううん、これくらい大丈夫」
おろおろと顔を押さえる少女を助けて起き上がりながら、少女はなんとか挨拶をはじめる。
「わたしは……一寸木 園華(ますき そのか)。その……よく失敗しちゃうけど、がんばるからっ! プロデューサー、見捨てないでねっ!」
「う……うん。年も近いことだし、よろしくね」
園華は柚姫の言葉に安心したのか、ほっとため息をつく。
「えへへ……今日は、プロデューサーさんが来るから蜜柑ちゃんたちと一緒に歓迎の準備をしたんだよ」
見れば、部屋の中にはささやかに飾られた花、そして壁には『ようこそ、プロデューサー』と書かれた紙が貼られている。
テーブルの上にはお菓子とジュース。
それほど多い量ではないところを見ると、この子たちがお小遣いで買ってきてくれたのだろう。
「ありがとう……その、私の方からも話しておかなきゃいけないことがあるんだ」
そのまま歓迎会を始めそうになる園華を、柚姫は慌てて止めた。
まずは、話しておかなければいけないことがある。
「実は……」
「はいっ!」
柚姫の説明に、園華は神妙な顔をしながら耳を傾けた。
一方、詩龍の方も蜜柑と自己紹介の最中だった。
「僕の趣味はゲームや映画、どっちもアクションとか好き。今凝ってるのは料理。卵が好きだから卵料理が多いよ、お菓子とかも」
「わあ、すごーい! あたしは……えへへ、食べるの専門です! あ、でも体を動かすのが好きなんです。ダンスとか……といっても、特にどのジャンルが好きってわけじゃないんですけども」
「そっか、僕も……」
会話をしながら、詩龍は蜜柑をじっと観察する。
彼女の良さを、魅力をもっと確認するために。
「僕も一緒に勉強するつもりで頑張るよ」
「あたしは蜜柑と違ってどっちかって言うとあまりイイ子じゃない。けど、やる気だけはあるから!」
「う、うん……」
同じ年の林檎の気合いの入ったしゃべり方に、遥はやはり圧倒されながら頷いていた。
「あなたの夢は……」
「やるからには、やっぱりトップ! ……つってもどこがトップなのか正直わかんないから、そこは頼むよ、プロデューサー!」
「分かった、私も頑張るね」
ばしばしと背中を叩く林檎に遥は目を細める。
(この子と一緒だと、アイドルを目指せそうな気がしてくるのは何故だろう……)
どちらかと言えばリードしているのは遥ではなく林檎の方。
(私も、一緒に成長できたら嬉しいな)
賑やかな歓迎会は続いていった――
「「「よろしく、プロデューサー!」」」
「えっ」
「きゃあっ」
「わっ」
扉が開くと同時に、元気の良いかけ声とクラッカーの破裂音が響いた。
呆然として立ち尽くしているのは、今日初めてマテプロの門をくぐった新米プロデューサー兎多園 詩籠と天音 遥、渋谷 柚姫。
担当アイドルが待つという部屋を教えられ、その扉を開けた瞬間の出来事。
彼らの前には、3人の元気そうな少女が立っていた。
「あたし、一花 蜜柑(ひとはな みかん)って言います! よろしくお願いします!」
口火を切ったのは詩龍の前にいる、オレンジ色の髪の少女だった。
大きくぺこりと頭を下げると、笑顔で詩龍の顔を見つめる。
「初めまして、兎多園 詩籠だよ。気軽に詩籠って呼んでね」
彼女の笑顔に負けないように、なんとか口角をあげ微笑んでみせる。
表情が強ばっていないか、ほんの少し気になったけれども。
「あたしの名前は一花 林檎(ひとはな りんご)。蜜柑とは双子なんだ」
遙に挨拶するのは蜜柑とよく似た赤い髪の少女。
「ひゃ……っ、わわ、わた……し、天音 遥です。よろしくお願いします」
林檎の勢い押されながら、遥は少し言葉に詰まりながら何とか答える。
(元気な子ですね……)
そんな遙に、林檎は気合いを入れるように手を差し出した。
「バリバリやってくから、夜露死苦ぅ!」
「え……?」
彼女の言葉のニュアンスに、ほんのちょっとだけ違和感を覚えたのは気のせいだろうか……?
「わ、わたしは……と、とわぁあああっ!?」
「え……ええっ!?」
次は自分の番だと身構えていた柚姫の前に進み出たのは、燃えるような赤毛の少女だった。
けれども互いに挨拶する前に、少女は突然柚姫に向かって飛びかかってきた。
――正確に言えば、足をもつれさせて転んでしまった。
柚姫の顔に彼女のやや控えめな胸が当たる。
しかし柚姫自身の大きな胸がクッションとなり大事故には至らなかったようだ。
「あ……きゃあっ、わわわっ、ご、ごめんなさいプロデューサーさん!」
「う……ううん、これくらい大丈夫」
おろおろと顔を押さえる少女を助けて起き上がりながら、少女はなんとか挨拶をはじめる。
「わたしは……一寸木 園華(ますき そのか)。その……よく失敗しちゃうけど、がんばるからっ! プロデューサー、見捨てないでねっ!」
「う……うん。年も近いことだし、よろしくね」
園華は柚姫の言葉に安心したのか、ほっとため息をつく。
「えへへ……今日は、プロデューサーさんが来るから蜜柑ちゃんたちと一緒に歓迎の準備をしたんだよ」
見れば、部屋の中にはささやかに飾られた花、そして壁には『ようこそ、プロデューサー』と書かれた紙が貼られている。
テーブルの上にはお菓子とジュース。
それほど多い量ではないところを見ると、この子たちがお小遣いで買ってきてくれたのだろう。
「ありがとう……その、私の方からも話しておかなきゃいけないことがあるんだ」
そのまま歓迎会を始めそうになる園華を、柚姫は慌てて止めた。
まずは、話しておかなければいけないことがある。
「実は……」
「はいっ!」
柚姫の説明に、園華は神妙な顔をしながら耳を傾けた。
一方、詩龍の方も蜜柑と自己紹介の最中だった。
「僕の趣味はゲームや映画、どっちもアクションとか好き。今凝ってるのは料理。卵が好きだから卵料理が多いよ、お菓子とかも」
「わあ、すごーい! あたしは……えへへ、食べるの専門です! あ、でも体を動かすのが好きなんです。ダンスとか……といっても、特にどのジャンルが好きってわけじゃないんですけども」
「そっか、僕も……」
会話をしながら、詩龍は蜜柑をじっと観察する。
彼女の良さを、魅力をもっと確認するために。
「僕も一緒に勉強するつもりで頑張るよ」
「あたしは蜜柑と違ってどっちかって言うとあまりイイ子じゃない。けど、やる気だけはあるから!」
「う、うん……」
同じ年の林檎の気合いの入ったしゃべり方に、遥はやはり圧倒されながら頷いていた。
「あなたの夢は……」
「やるからには、やっぱりトップ! ……つってもどこがトップなのか正直わかんないから、そこは頼むよ、プロデューサー!」
「分かった、私も頑張るね」
ばしばしと背中を叩く林檎に遥は目を細める。
(この子と一緒だと、アイドルを目指せそうな気がしてくるのは何故だろう……)
どちらかと言えばリードしているのは遥ではなく林檎の方。
(私も、一緒に成長できたら嬉しいな)
賑やかな歓迎会は続いていった――