■伊尾木屋・裏方

　伊尾木屋の前。

「素早い情報共有は大切ですから私は『伊尾木屋』で行動する皆さんが円滑に活動できるよう裏方として手助けをしましょう」
　裏方として皆を支える事に決めた『忍びの心得』を持つ羽倉　なつみは伊尾木屋で活動する皆を支える事に決めた。
　という事で潜入前になつみ含めた皆はあれこれと打ち合わせしてから行動に移した。
　なつみはというと
「私も頑張りますよ」
　潜入する皆に負けぬとばかりに『忍び足』で屋根上、屋根裏、床下、物陰、庭の木の上など物音を立てぬよう気を付けあちこち移動して回りつつ
「……情報は……」
　同志が何かを発見したのかどうかを細かく確認し
「そのような情報が手に入りましたか」
　重要な発見や情報を得たのを見届けるなり
「情報の伝達は任せて下さい」
　自ら代わりに破魔弓を使い
「伝達内容はこれでよしと。後は矢文にしてと」
　矢文を飛ばして伝達。
　時に店先で襲撃されている同志の手助けをしたり
　時に
「また、店主はあのお客さんの相手？」
「蔵でこそこそしてたと思ったら二階で何やら話し込んでるわ」
　奉公人達の情報を床下から手に入れ
「……タイミングから考えるとおそらく翡翠の煙管と犯人の居場所ですね」
　なつみは最重要と考えすぐさま情報を同志に伝達したり蔵へ侵入する同志の援護をしたりと忍びつつ忙しく自分の役目を全うした。