ヒロイックソングス・レジェンド!
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リアクション
■幕間1 ~変化~
――2029年、東京湾上空。
過去へ送り出した仲間を信じてアイドル達がアンラ・マンユの動向を見守っていた中、ついに状況が動いた。
彼女を取り巻いていたノイズの竜巻が弾けるようにしてピタリと途絶えたのだ。
吹き荒れていた嵐も弱まっていく中で、アイドル達は徐々に作戦の第一段階の成功を確信していった。
「……どうして! どうして何度やっても“最悪のイドラ”の力を引き出せないの!?」
アンラは肩で息をしながら苦しげに胸に手を当て、そこから何かを引きずり出すように身を捩った。
すると、燻るような黒いオーラがアンラの身体からどろどろと放出されていくではないか。
「あれが……先輩たちが戦った“最悪のイドラ”、ですか!?」
「ムムム、私が14年前に見たものとはかなり様子が違うようですね……!」
芸能界から総動員させてきた飛空艇に乗った花子と校長は、身を乗り出してその様子に目を凝らした。
やがて“最悪のイドラ”は何か形を成すでもなく、ふわりとまんまるな球状に変わった。
まるで何かを伝えようとしているように、アンラの前にただ浮かんでいる。
「あっは……そういうコト?
私の――世界の、純粋な悪意であるべきあなたに希望(つよさ)なんて教えて、
いつの間にかあなたを弱くしてしまったのは……一体誰なのよ!!」
次の瞬間、アンラのノイズの刃が“最悪のイドラ”を滅茶苦茶に切り裂いた。
途端に“最悪のイドラ”は一気に黒い炎となって燃え上がる。
「悪意はこの世から決して消えることはない。
けれど、時に人の心に触れて変質する――やってくれたじゃない」
弱々しく燃える黒い炎を抱きしめるようにして、アンラは「それなら、私も」と憎々しげに呟いた。
そしてアンラの高笑いに呼応して、灰色の空では雲の切れ間から徐々に小さな天空の島がその姿を現し始めていた。
――2029年、東京湾上空。
過去へ送り出した仲間を信じてアイドル達がアンラ・マンユの動向を見守っていた中、ついに状況が動いた。
彼女を取り巻いていたノイズの竜巻が弾けるようにしてピタリと途絶えたのだ。
吹き荒れていた嵐も弱まっていく中で、アイドル達は徐々に作戦の第一段階の成功を確信していった。
「……どうして! どうして何度やっても“最悪のイドラ”の力を引き出せないの!?」
アンラは肩で息をしながら苦しげに胸に手を当て、そこから何かを引きずり出すように身を捩った。
すると、燻るような黒いオーラがアンラの身体からどろどろと放出されていくではないか。
「あれが……先輩たちが戦った“最悪のイドラ”、ですか!?」
「ムムム、私が14年前に見たものとはかなり様子が違うようですね……!」
芸能界から総動員させてきた飛空艇に乗った花子と校長は、身を乗り出してその様子に目を凝らした。
やがて“最悪のイドラ”は何か形を成すでもなく、ふわりとまんまるな球状に変わった。
まるで何かを伝えようとしているように、アンラの前にただ浮かんでいる。
「あっは……そういうコト?
私の――世界の、純粋な悪意であるべきあなたに希望(つよさ)なんて教えて、
いつの間にかあなたを弱くしてしまったのは……一体誰なのよ!!」
次の瞬間、アンラのノイズの刃が“最悪のイドラ”を滅茶苦茶に切り裂いた。
途端に“最悪のイドラ”は一気に黒い炎となって燃え上がる。
「悪意はこの世から決して消えることはない。
けれど、時に人の心に触れて変質する――やってくれたじゃない」
弱々しく燃える黒い炎を抱きしめるようにして、アンラは「それなら、私も」と憎々しげに呟いた。
そしてアンラの高笑いに呼応して、灰色の空では雲の切れ間から徐々に小さな天空の島がその姿を現し始めていた。