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シナリオは、複数のユーザーが参加した結果を描写される小説形式のコンテンツです。
「ヒロイックソングス!」の世界で起こった事件やイベントに関わることができます。

ヒロイックソングス・レジェンド!

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ヒロイックソングス・レジェンド!

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■人々の心を一つにし、異世界への道を拓こう! 5

(ここには4年前の僕が居る。まだ卵の僕が孵化するために――僕が僕であるために!)
 強い思いを胸に、兎多園 詩籠がステージに立ち、軽快なロックを刻む。

 お前が眠るその殻は 畳んだ羽が窮屈だろ
 今高鳴る鼓動に乗って
 ベッド踏み潰し飛びあがれ 世界に舞え!

 Time to go! Time to go!
 駆ける獣の群れ 舞い散る桜
 Time to go! Time to go!
 火花散らす機械に 理不尽な神さえ

 止められないお前を 愛してる
 恐れず破れ! 翼広げて!
 脱! た! ま! ご! Time to go!


「よーし、出番だね! 咲夜ちゃん、準備はいい?」
「バッチリよ! 歌もちゃんと覚えてきたんだから! そういう由希菜ちゃんは大丈夫?」
「お、俺だってバッチリだからね! もし忘れちゃったとしても、マシュマリックなシャインで切り抜けるから大丈夫さ!」
 深郷 由希菜がぽよん、と跳ねてみせれば、咲夜があははっ、と楽しそうに笑った。
「もちろん、ぽめぽめも一緒だからね! それじゃ、みんなでステージへ行こう!」

 開こう 可能性の扉
 満開に咲く桜のように
 信じる 仲間とウタう声を
 ビート(びーすと)を刻み心をならせ


 そして曲の冒頭、まずは由希菜と星獣ぽめぽめが羽を生やし空を飛びながら、じゃれ合うようにして仲の良さをアピールする。

 機械の 力を借り叩け
 小さな箱庭の世界でも
 色んな スタイルで描こう

 料理おもちゃ二次元パートナー
 高みを目指して共に羽ばたこう

 曲の盛り上がりを迎えるタイミングで、観客の心に直接響くように音色を合わせ、ステージに色とりどりの花火を咲かせる。旗を振ってアンサンブルを指揮すれば、暖かな光がステージから観客席へと広がっていった。
 
 アイドルの 俺たちの可能性
 『大好き』は誰でも持っているはずさ

 みんなの 叶えたい希望たち
 溢れる感情をさぁ ここに握りしめ 一歩前へ!


「自分と……オレの名は、レイ・トレード! 獄卒アイドルデス!」
 ステージに立ち、観客に向かって名乗りを上げたレイ・トレードから強烈なカリスマによる殺気が放たれ、観客は無数の針と血の雨の幻を見、『死』のイメージを抱く。そうして自分のテリトリーに観客を引き込んでから、透き通った小さな霊を呼び出しそれを追いかけるパフォーマンスと共に、自身の集大成である曲を熱唱する。

 いつからだろう? 何かを置き去りにしたのは
 どこからだろう? 誰かの声、聞こえなくなったのは

 後悔しても! 絶望しても!!
 想いは消えねェ! 魂(ココロ)は終わらねェ!!

 生きるって そうだろう!

 全力で走って 全力で迷って 全力で悩んで 全力で罪と向き合って 全力で立って 全力で考えて
 そしてそしてそして 全力で生きて 間違えてもイイ! 傷ついてもイイ!! だけど絶対忘れないで!!!

 誰にだって罪はある 知らず知らずに傷つけた何か
 目を逸らさずに考えよう そしたらまた歩き出そう 諦めないで考えてみよう

 レッツ! シンク!! ザ!! シンセカイ!!!
 ここから一歩、歩き出そう


(四年前のあの日――ステージに立つ姿に憧れたはずなのに、ずっと思い出せなかった『誰か』)
 ステージへの道を進む凍鶴 緋桜の耳に、観客の声援が大きくなっていく。立て続けに繰り出されるアイドルたちの全力を注いだライブに、観客のボルテージは最高潮を保ち続けていた。
(今なら思い出せる気がする。――さあ、あの日憧れた『俺』を魅せにいこう)
 広がる眩しさに目を覆いかけ、いや、と首を振って真っ直ぐに目を凝らす。やがて視界が晴れ、ぐるりと見渡す限りの観客と、感じる熱気が自分を奮い立たせる。

「お前たちの声――まだまだそんなもんじゃないだろ!
 聞かせてくれ、お前たちの声を! 俺がその声を世界中に、届けてやる!」


 光を広げ、構えたギターから観客を引き込む旋律を奏でる。頭上で様々な色の花火が弾け、観客の声援が自分の姿を最高の一瞬へと変化させた。

 世界は目に見えるだけじゃ無い
 音の翼広げればきっと
 どこにだって繋がっていける


 拳を振り上げ観客に応える緋桜の懐に収められた白紙のノートには、かつての自分が憧れた今の緋桜が描かれていた――。
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