ヒロイックソングス・レジェンド!
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■人々の心を一つにし、異世界への道を拓こう! 3
(私……きっとこのライブ、見ていたんだと思う。あの頃はまだ、目標も何もなかった。
今の私を、過去の私に見せよう)
ステージに上がった鷺沼 月華がそんな決意を胸に、剣舞を思わせる舞いを披露する。
(今の私は、刀を手に取った。何もなかった、あの時とは違う)
激しいパフォーマンスでも美しさを印象づける衣装をなびかせ、舞う踊りはなめらかで柔らかなもの。
(今へと繋げるために、あの日の自分に見せるんだ――)
高いジャンプからの斬り伏せるような動作で締めくくった月華に、観客の大きな声援が送られた。
「颯爽登場! 蒼星美少年!」
輝く笑顔から暖かな光を放ち、ステージに立った青井 星一郎が肩掛けの竪琴を弾き、歌う。観客は彼の堂々とした立ち振る舞いに、黄金の光を見た。
(4年前の俺、見ているか! 今の俺は蒼く光る星となり、天上を駆け巡り駆け上がっている。
これが俺のアイドルとしての、あり方だ!)
自らを蒼星美少年と言い切ることでアイドルとしての芸を高める。やがて彼の歌によって高められたステージには色とりどりの花火が咲き、観客は星一郎の歌を深く心に刻み、いつまでも口ずさんでいた。
「無秩序な牌を綺麗な役に整える麻雀は、混沌から宇宙を創世するのにも等しい!
そう、いまのわたしは宇宙の創世者なのだ!」
水弾に押されて飛んできた牌のひとつを掴み、天地 和が手牌に加える。弾ける水飛沫が星の誕生のようにキラキラと煌めいた。そして手牌から牌を掴み、河へ滑らせれば牌が通った跡から草木が生まれ、色とりどりの花弁がステージに舞った。
(……あぁ、そうだったんだ。わたしが昔どこかで見て憧れたような気がした麻雀アイドルは……わたし自身だったんだ)
確信を得た和が、受け取った牌を天へと授けるように投げ上げる。そして羽を広げて空を飛び、先程の牌をキャッチして神の祝福を施す。観客には和が揃えた手牌が、自然と頭の中に浮かんでいた。
①①①②③④ ⑤ ⑥⑦⑧⑨⑨⑨
役に詳しくない観客でも、丸が5つ描かれた牌が来たら凄いことになるんだろうな、と予感を感じさせる光景だった。
――そして、和の手から地上へと舞い降りてきた牌は――。
⑤
穏やかですらある笑みを浮かべ、アガリを宣言した和へ、観客から盛大な歓声が送られた――。
For you! 君に歌を届けたい
君のために、そしてもちろん私のために!
エレキギターを提げステージに上がった芹沢 葉月の奏でるサウンドが、ステージから観客席へと駆け巡る。光の粒が流星となって音楽とともに降り注ぎ、観客席を大いに沸かせた。
(いつも応援してくれて、ありがとう! 私はみんなのことが、大好きです!)
感謝の気持ちを強く、パワフルに押し出した歌と演奏は、観客にもっと応援したい、という気持ちを植え付けた。
「皆さんも一緒に歌いましょう! 即興で私へのラブソングに替え歌してくれてもいいんですよっ」
そして、葉月が観客席へマイクを向けた直後――。
好きでいてくれる葉月ちゃん いつもありがとう!!
観客が歌の歌詞を活かし、葉月への応援のメッセージとして返す。
「っ……みんな、本当にありがとう!」
溢れそうになる涙を留め、葉月が歌の続きを歌う。
好きでいてくれる君 いつもありがとう
私のことまだ知らない君 これから好きになってもらうから前もってありがとう!
(私……きっとこのライブ、見ていたんだと思う。あの頃はまだ、目標も何もなかった。
今の私を、過去の私に見せよう)
ステージに上がった鷺沼 月華がそんな決意を胸に、剣舞を思わせる舞いを披露する。
(今の私は、刀を手に取った。何もなかった、あの時とは違う)
激しいパフォーマンスでも美しさを印象づける衣装をなびかせ、舞う踊りはなめらかで柔らかなもの。
(今へと繋げるために、あの日の自分に見せるんだ――)
高いジャンプからの斬り伏せるような動作で締めくくった月華に、観客の大きな声援が送られた。
「颯爽登場! 蒼星美少年!」
輝く笑顔から暖かな光を放ち、ステージに立った青井 星一郎が肩掛けの竪琴を弾き、歌う。観客は彼の堂々とした立ち振る舞いに、黄金の光を見た。
(4年前の俺、見ているか! 今の俺は蒼く光る星となり、天上を駆け巡り駆け上がっている。
これが俺のアイドルとしての、あり方だ!)
自らを蒼星美少年と言い切ることでアイドルとしての芸を高める。やがて彼の歌によって高められたステージには色とりどりの花火が咲き、観客は星一郎の歌を深く心に刻み、いつまでも口ずさんでいた。
「無秩序な牌を綺麗な役に整える麻雀は、混沌から宇宙を創世するのにも等しい!
そう、いまのわたしは宇宙の創世者なのだ!」
水弾に押されて飛んできた牌のひとつを掴み、天地 和が手牌に加える。弾ける水飛沫が星の誕生のようにキラキラと煌めいた。そして手牌から牌を掴み、河へ滑らせれば牌が通った跡から草木が生まれ、色とりどりの花弁がステージに舞った。
(……あぁ、そうだったんだ。わたしが昔どこかで見て憧れたような気がした麻雀アイドルは……わたし自身だったんだ)
確信を得た和が、受け取った牌を天へと授けるように投げ上げる。そして羽を広げて空を飛び、先程の牌をキャッチして神の祝福を施す。観客には和が揃えた手牌が、自然と頭の中に浮かんでいた。
①①①②③④ ⑤ ⑥⑦⑧⑨⑨⑨
役に詳しくない観客でも、丸が5つ描かれた牌が来たら凄いことになるんだろうな、と予感を感じさせる光景だった。
――そして、和の手から地上へと舞い降りてきた牌は――。
⑤
穏やかですらある笑みを浮かべ、アガリを宣言した和へ、観客から盛大な歓声が送られた――。
For you! 君に歌を届けたい
君のために、そしてもちろん私のために!
エレキギターを提げステージに上がった芹沢 葉月の奏でるサウンドが、ステージから観客席へと駆け巡る。光の粒が流星となって音楽とともに降り注ぎ、観客席を大いに沸かせた。
(いつも応援してくれて、ありがとう! 私はみんなのことが、大好きです!)
感謝の気持ちを強く、パワフルに押し出した歌と演奏は、観客にもっと応援したい、という気持ちを植え付けた。
「皆さんも一緒に歌いましょう! 即興で私へのラブソングに替え歌してくれてもいいんですよっ」
そして、葉月が観客席へマイクを向けた直後――。
好きでいてくれる葉月ちゃん いつもありがとう!!
観客が歌の歌詞を活かし、葉月への応援のメッセージとして返す。
「っ……みんな、本当にありがとう!」
溢れそうになる涙を留め、葉月が歌の続きを歌う。
好きでいてくれる君 いつもありがとう
私のことまだ知らない君 これから好きになってもらうから前もってありがとう!