イラスト

シナリオは、複数のユーザーが参加した結果を描写される小説形式のコンテンツです。
「ヒロイックソングス!」の世界で起こった事件やイベントに関わることができます。

共奏のオルトアース~ファイナルステージ~

リアクション公開中!
  • 共奏のオルトアース~ファイナルステージ~

リアクション

 美しい立ち姿でファンを魅了していた玲花、しかし突然ノイズが走るとバランスが崩れ、おかしな立ち姿になってしまった。

 ここには皆の『好き』がある。皆の『好き』は何処にいく?

 ステージに現れた天草 燧の立ち姿、響く声にファンの視線が惹きつけられる。彼らを一通り見渡して、フッ、と微笑んだように見えた燧が翼をはためかせて舞い上がり、ファンの視線がそちらへと釣られる間、ステージには3つのコマが生まれた。

 私の夢は歌うこと 世界の皆で歌うこと

 そのうちの一つ、アニー・ミルミーンのコマでは歌とともにモンスターやそれを指揮する魔王が生まれ、対する勇者が剣を取って戦う……のではなく、オカリナを吹けば暴れていたモンスターが落ち着き、魔王と和解して共に演奏を始めていた。

 心を合わせてコーラスすれば 世界が歌に包まれる
 私達は夢を見続ける だから
 We are DreamerS


 次のコマ、ノーラ・レツェルのコマからラベンダーの花びらが舞い散る。香りが鼻に届けば、ライブ中にもかかわらず微睡みたくなるような気持ちが生まれ、実際にスヤァ……と寝息を立ててしまうファンも現れた。
「睡眠の秋、秋の夜長に眠りを」
 眠たげな羊とたゆたうダンスを披露しつつ、睡眠の素晴らしさを歌に込めて伝える。

 舟を漕ぐ そして辿り着く白河夜船
 いつからが夢だったのか いつからが現実なのか
 そんなことは分からない そんなことは気付けない

 全ては夢幻のごとくなり
 長きに渡る邯鄲の夢


 最後のコマ、真っ白な衣装を纏った合歓季 風華に動きが生じれば、思い出の服を身に着けた風華とそのテーマがファンの前に示される。

 白夜のシュガリィブライトは『砂糖菓子のお姫様』。
 微睡みのフラフィドールは『昼下がりの陽光とお人形』。
 夏幻ショコラトリィは『銅葉ネムノキとチョコ人形』。

 そして最後の一着を披露した時、ファンはステージに星が集うのを見る。

 星刻アスタークレストは『歩く星の宮』。

 3つのコマが弾けて崩れ、ノーラ、アニー、風華が輪になって歌い、『好き』という思いをハートにしてステージに届ける。

 心を合わせてコーラスすれば 世界が歌に包まれる
 私達は夢を見続ける だから
 We are DreamerS


 曲が余韻を残す中、ノーラとアニーに見送られる形で一人、ステージの前に立った風華が、作画の崩壊から復帰できていない玲花を見据え、全力で思いの丈を解き放った。

 ナゴヤの覇権は真の勇者が掴まれたのです。
 お慕いする想いに誓い、渡せはしません!


 玲花の姿が跡形もなく消え去り、一瞬の静寂の後、【DreamerS】を称えるファンの拍手と歓声が生まれた――。


「わたくしが消えていく……? すべての萌えを得たはずの、わたくしが!?」
 フェスタ生によって数多くの『アイドル補正』を打ち破られ、自信に満ちていた玲花の表情に陰りが生まれる。それでもなお残っていたアイドル補正を総動員してファンを繋ぎ止めようとした玲花だが、背景が切り替わっていくのを止められず、結果巻き込まれる形になる。

 今キミの中にあるもの どうかどうか忘れないで

 玲花の前に、魔法少女に変身した氷華 愛唯が歌を伴い現れた。空に浮かぶ満月の光をバックに、虹の光をステージに散らせながら登場した『愛溢れる月の魔法少女ルナ』と対峙した玲花が、後ずさりしているのに気付いて顔を歪めた。

 ドアを開けて未来に行こう
 魔法の鍵はココにあるわ

 怖がらないでボクがいるから
 キミの手をココにのばして!


 いいえそんなもの、あるはずがないわ! 芸能界は――

 それより先の声は、愛唯と、彼女をサポートしていた小鈴木 あえかの耳に届くことはなかった。
(玲花さんの心の傷、癒せたのでしょうか……)
 跡形もなく消え去った玲花が居た場所を見つめ、あえかは思いを馳せる――。
 
 
ページの先頭に戻る