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シナリオは、複数のユーザーが参加した結果を描写される小説形式のコンテンツです。
「ヒロイックソングス!」の世界で起こった事件やイベントに関わることができます。

共奏のオルトアース~ファイナルステージ~

リアクション公開中!
共奏のオルトアース~ファイナルステージ~
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リアクション

■満身創痍の彼らの元に現れたのは……?

『シールド消失を確認! これよりブリリアントレイカ本体への攻撃を開始する!
 ……へへっ、改修した『ヴァルキュリア』の火力を味わえ!!』
 戦闘機型Dマテリアルにダイブした水鏡 彰が照準をブリリアントレイカに合わせ、ビームの雨を降らせる。スカート自体もかなりの強度を持ってはいるが、それでも数発ビームを受けた箇所は組織が破壊され、内部までの穴が開いていた。
『大した強度だ、けど、攻撃が通らないわけじゃねぇ――おっと!』
 アラート音が鳴るのと同時、飛来するビームを機動力を活かして避ける。
『先に火器を黙らせた方がいいんだが、今の感じだとブリリアントレイカ本体に一発かますのがいいところか……。
 あと一人二人、援軍が来てくれると大分楽になるんだがな』


「はっはぁー! 今の俺にゃすべてが波! どんな攻撃だろうと『乗って』やるぜぇ!」
 槍沢 兵一郎が『VBJR』を操り、両腕に装着した円形のバックラーでブリリアントレイカの放つビームやミサイルを受け流す。受けた衝撃さえも推進力にして、ブリリアントレイカの周りを張り付くように飛び、積極的に囮役を買って出る。
「……とまぁ、この間に攻撃してくれる奴がいりゃあ、もっと楽できんだが」
 地上に視線を向ければ、数名のDマテ使いが攻撃を行っているものの、多くのDマテ使いは戦線から離脱していた。怪我をしているのではなく、一時的なエネルギー不足のためであった。
「あいつらに無茶は言えねぇ。回復するまでいくらでも時間稼いでやるぜ!」


『ふむ……予想された通り、玲花と戦えるDマテ使いが不足しているか。ところで詩歌の姿が見えないようだが……』
 トパーズ・ティアーハートが懸念するように、ここまで奮戦を続けてきたフェスタ生とオキナワのDマテ使いたちだが、使用者の疲労とDマテリアルの一時的なエネルギー不足が深刻になっていた。ブリリアントレイカも保有エネルギーは無限ではないが、元々保有するエネルギーが莫大であり、今、その差が致命的になりつつあった。
「……行かなきゃ。アイツは今でも、キョウヤ君を傷つけようとしてる……!」
『気持ちは分かるが、瀬那覇氏、君では大きなダメージを与えることはできないぞ?』
「分かってる! だけどせめて、囮くらいなら――」

『――――!!』

 瀬那覇 智里のすぐ近くで、ミサイルが炸裂した。爆風に打ち上げられた智里に、ビーム砲の照準が定まる――。

『――! ――!!』

 ビームが発射されるより早く、智里の後方から飛んできたビームが砲を撃ち抜き、沈黙させる。
「間に合ったーーー!!」
 星獣に乗った近衛 詩歌が息を切らせながらも叫び、彼女を追い抜いて流線型の車両が段差で跳ねると、人型形態に最速で変形した後、落下する智里を受け止めることに成功する。
『……僕はまだ、あなたの本当の名前を聞いていない。
 玲花と決着をつけた暁には、あなたの本当の顔を、見せてほしいと思う』
 意識を失った状態の智里を詩歌に託し、武器を剣形態に変化させ、リニアカイザーのダイバー――海藤 キョウヤがブリリアントレイカと交戦する。
「あら、怯えて帰ってしまったのかと思いましたわ」
『借りを返す絶好の機会に、僕がそんなことをするはずがないだろう。……遅れた分は、レイカ、君を倒すことで償わせてもらう』
「……たかが一人で、何ができますの!?」
『僕はひとりじゃない。姉さんもいる、アラタもメグも、ドクターも……僕を好きだと言ってくれたあの人も……。
 僕は決して、ひとりで戦っているわけじゃない」
 キョウヤの声を耳にしたアラタとメグが笑い合って、キョウヤに手を振ってから援護に入る。砲弾がブリリアントレイカのスカートに着弾し、ビーム砲とミサイル発射口を破壊した。
「……わたくしと対等に渡り合うなんて!」
『僕はいい師匠に出会えたと思っている。……君の筋は、見切った」
 何度かの鍔迫り合いの後、キョウヤの剣がブリリアントレイカの剣を弾き飛ばす。宙を舞った剣が地面に刺さり、隙を晒したブリリアントレイカへ、キョウヤは剣形態から銃形態に武器を変形させ、照準を合わせる。
『貫け!』
 最大出力のビームがスカートを言葉通り貫き、大きな穴を開けた。
『よっしゃ行くぜぇぇ!!』
 その穴から彰が飛び込み、持てる火力のすべてを内部から叩き込む。
『ゲームセットだ、天歌院玲花。強かったのは認めよう、だが一枚、俺が上手だったな』
「あああぁぁ……崩れる、わたくしのドレスがああぁぁぁ……」
 最後に大きな穴を開けて離脱した彰の後方で、悲鳴をあげながらブリリアントレイカが崩れ落ちていく。
「逃げろ逃げろ! 下敷きになっちまうぞ!」
 落ちてくる破片を兵一郎が捌き、逃げ遅れたDマテ使いが出ないように努める。

 ――そして、ブリリアントレイカであったものは、ただの瓦礫と化した。

「……勝った、のか? 俺たち」
「そうみたいだね。今から急げば、操舵システムを正常に戻してオキナワの崩壊を防げそうだ。ハル、メグ、来てもらえるかい」
「オッケー!」
 ドクターKとハル、メグが操舵システムを元に戻すべく、向かう。一人その場に残ったアラタは、ダイブを解いたキョウヤの元へ歩いていく。
「キョウヤ! 来てくれて助かったぜ。ありがとな」
「僕が来ないと思っていたのか? 失礼だな」
「そ、そんなんじゃないって」
「……分かってるさ。間に合ってよかった」

 二人の差し出した手が、間で結ばれる。
 こうして、ギリギリの戦いではあったが、フェスタ生とDマテ使いたちはブリリアントレイカを倒すことができたのであった。
 
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