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共奏のオルトアース~ファイナルステージ~

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共奏のオルトアース~ファイナルステージ~
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■空に描こう、虹のコンチェルト。
 ……そしてあなたの心には、ぬくもりを


 スポットライトが照らす下、葦原伝統の囃子をバックに、夢月 瑠亜が舞うように料理をする。鉄板の上で焼き上がるはオーサカのソウルフード、たこ焼き。仕上げに振りかけた伝説の食材が、【紫】の花弁となってステージに舞う。
(隠し味に和風だしを添えています。原点に帰るのは今日しかない! と思って頑張りました)
 いただきます、と一礼してたこ焼きを頬張る瑠亜から、テレパシーの形で食に感謝し楽しむ心が伝えられる。それを中継で見ているオーサカの民は感極まって涙を流すほどであったし、その他でも「たこ焼き食べたい」という感想が真っ先に思い浮かんだ。

 背景が賑やかな海岸――オキナワの海――に切り替わり、そして花火のような爆発が生じる。

 光を閉ざすような 嵐が吹き荒れたとしても
 想いの火は消えはしない
 キミと一緒ならきっと どんな暗雲も切り開けるから


 水飛沫をあげながらステージを滑走してきた雨宮 いつきが、海の【青】の中、アクロバティックなパフォーマンスを魅せる。打ち上げたリング状の花火をくぐって、色とりどりのスモークで空中に絵を描く。

 目が覚めるような大空を目指して 駆け抜けよう

 最後に青いスモークで、次の演奏者、空染 水花をぐるりと囲んで、いつきがステージを後にする。そのスモークを決めポーズと共に、【水色】の爆風で吹き飛ばしてファンにアピールする。
「オキナワの次はナゴヤだ! 皆、知ってるよな?」
 水花へ大きな声援が送られる――その瞬間、それまでなすがままだった玲花が最後の抵抗とばかり、強力なノイズを発射してきた。それは形として見える程に強力で、当たればたちまち冒されてしまうであろう威力を秘めていたが――。
『――――!』
 漆黒の影が一瞬、ステージを横切ったかと思うと、ノイズを両断する。二つに分かれたノイズもステージのはるか後方に弾かれ、誰も影響を受けることがなかった。

(流石玲花殿、あれほどアイドルのライブを受けてなお、これだけの力を残していたとは。
 だが拙者、今は黒子の【黒】。皆の虹色の舞台の邪魔はさせないで御座るよ!)
 ノイズを両断し、水花の危機を救った平 平平が舞台を円滑に進める黒子として、次の脅威に備える――。

「皆もナゴヤへご招待だっ!」
 ステージでは水花が、助けてくれた平平に心の中でお礼を述べつつ、ライブを続けていた。

 手と手を繋いで 輝く虹をかけよう
 心に夢を抱いたら 消えない魔法になるから


 水色の炎をうねらせ、キラッ☆とウィンクを見せて水花が、次の奏者へバトンを繋ぐ。

 キミも歌おう、懐かしい夢を
 大事な物を抱いたら それが祝福になるよ!


 星獣ルゥと登場した弥久 風花が、【緑】色に染められた羽で装飾された衣装をなびかせ、歌い踊る。踊りはやがて星獣を中心とした神殿を組み上げる力となり、その中心で紡ぐ歌が、ファンの心に届けられていく。

 声を上げれば、応えがある
 見渡せば、笑顔で答えあう
 踏み出せば、一緒に歩み出す
 大事なモノはきっと胸(ここ)だけじゃない
 大事な者は周りにも……


 オーサカ・オキナワ・ナゴヤ・ハコダテ、それぞれの地域で歌を紡ぎ、時には戦い、最後には笑いあった者たちの気持ちを込めたライブが行われ、渡されたバトンが夢月 瑠衣に渡る。
(オルトアースの人々を、廃人にするわけにはいかないよ……!
 ここまで来たんだ、最後まで協力して頑張ろう!)
 【橙】色のベースを弾き、ここまで各人のステージを支えてきたように、トリを務める二人のステージを全力で支えると決意する。白と赤を基調とした巫女服のような衣装の、周りを漂う蛍火がステージの両脇に分かれて飛び、そして二人の奏者、【黄】の日下部 穂波と【赤】の黒瀬 心美がステージに現れた。

「玲花、キミの輝きは悲しい輝きだ。ボクたちはそんな悲しい輝きに、決して負けない!
 ボクらアイドルは、みんなを笑顔にするのがお仕事なんだから!」

 穂波の声に応えるように、ステージがその景色を変える。仲間と懸命に繋いできたバトン――音楽を、この一瞬で解き放つため。

「玲花、アンタが芸能人を目指す過程で、何を見てきたのかは知らない。けど、アタシは絶対、諦めない!
 ファンの事も、玲花、アンタの心を救うことも……!!」

 黒でありながら強烈に輝く闇、白く煌めいて輝く光。その二つが合わさってステージ上空に伸び、放物線を描いて玲花に降り注ぐ。
「この光……この抗えぬ衝動……これが芸能人になり得る者の、力、なの……?」

 空に虹が描かれ、そして玲花の動きがピタリ、と止まった。ノイズは枯れ、彼女のアイドルとしての力はほぼ、尽きていた。
「……届かないのね、あの場所へは――」
 伸ばした手は、何も掴まない。やがて力なくだらり、と腕が落ち、玲花がステージに倒れ伏す――。
 
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