共奏のオルトアース~ファイナルステージ~
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リアクション
■降臨、『プロミネンス』天歌院玲花
「……来ましたわね」
スカイタワー最上階でアイドルたちを迎える玲花は、分身をすべて倒されたにも関わらず、余裕の笑みを崩さなかった。
「玲花……あなたとは子役の時から、互いに切磋琢磨し合う間柄だったわね。あなたの実力を、私は認めていたわ。……だけど!」
咲田 茉莉花が玲花に向け、言葉をぶつける。
「こんなやり方で――力ずくで知名度を勝ち取るなんて! ファンを大切にしないアイドルは、失格よ!」
「ハッ! あなたも堕ちたわね、茉莉花。綺麗事を並べたところで、結局アイドルは消耗され使い尽くされる存在。
ならば――できるだけ多くの『命』を燃やして、存在を魅せつけるのがアイドルの目指すべき姿ではなくて?」
玲花の両手に、黒い螺旋を描く炎が生まれた。そのうねりこそ『命』の滾りであり、妖しくも魅力的に映る。
「……なるほど一理あるかもしれないわね。だったら――より強いものが『命』を喰らう、それもまたアイドルの摂理よねぇ?」
「それだけがアイドルのあるべき姿では無いってこと、私が示してみせます!」
西宮 彩の身体を借りたイドラの女王が妖艶に微笑み宣戦布告を叩きつけ、光を纏った光凛が真っ直ぐに玲花を見つけ、宣言する。
「これ以上は時間の無駄。どちらが真のアイドルか、白黒はっきりいたしましょう!」
両手を広げ、炎を迸らせる玲花へ、アイドルたちは勝負を挑む――。
先陣を切って、天導寺 紅が空に光の球を打ち上げる。
(以前ナゴヤで玲花に「朱はアンタを超える」って言っちゃったし、朱ガンバ! もちろん、アタシたちで場は作っておくから!)
天導寺 朱によるパフォーマンスをより最高のものにするため、弾けた光がステージに降って消える前に間髪入れず、ダイブした状態の虚田 真白の巨大ホログラムを映し出す。
(天歌院玲花……可哀想な人)
ちらり、と視線を一瞬だけ玲花に向け、すぐに視線を戻してから、浮遊する太鼓を用いての演奏でステージを盛り上げていく。噴き上がる炎も重なって確かな熱気がステージに集まっていく。
(ここで会場中の熱を、爆弾に!)
そして紅と朱のマテリアルパワーが、熱気を爆発する爆弾へと変える。
想いの花火を、キングに捧げよ!
直後、会場全体に響く掛け声が生じた。
「今よ!」
紅の合図で、サーフボード型Dマテリアルに乗った朱が宙へ飛び出し、ノイズのフィールドを形成する玲花の頭上に移動する。
(ここで実力を認めさせて……玲花っちと友達になる!)
王冠のついた杖を掲げ、そして会場中の爆弾が集まったところへ、思わず目を覆わんばかりの光が生じた。
皆の想いを輝きに、輝きを希望に変える!
超・玩・合・体! 超玩覇王、マシーナリーキング!
七色の虹を背景に、巨大なDマテリアルが出現する。
「これぞ名付けて、天導寺Wビッグバン!」
ブースターを噴き、『超玩覇王マシーナリーキング』が玲花に突撃する。元々は感情の爆弾だったもの、それが一つになって爆発すればどうなるか――。
『――――!!!!』
ビリビリと、会場が震え渡ったように誰もが感じる中、ステージに大輪の花が咲いた。この衝撃は流石の玲花もその場に立っていられず、膝を折る格好になった。
「俺なら玲花っちの暴走を止められるし、頑張りを褒められるのぜ。
だから、このライブが終わったら……俺と友達になろうぜ!」
その玲花に手を差し伸べ、引き起こさせてから、朱がニカっ、と笑ってそう口にした――。
背中に繋がれた重りで動けないまま
掴みかけたものが目の前で消えてしまう
君は今も
一人で背負うべきだと思いこんでいるのかい
キラキラとエフェクトを舞わせ、アーヴェント・ゾネンウンターガングがステージに上がれば、物語のクライマックスを感じさせる曲と演出がステージを彩る。ナゴヤで得た彼だけのスタイルによるライブは、玲花でさえも思うどおりにライブを行えない力を生み出していた。
REIKAさんは手に入らないものは要らないって言ってたけど、
きっと、手に入らなかったのは一人で全部やってたからじゃないかな?
自由に動けず、もがく玲花の前に、ギターを自在に演奏するリーニャ・クラフレットが現れ、思いを込めた言葉をぶつけ玲花を怯ませる。
ほら、今までのREIKAさんはお終い!
今度はみんなでお話を紡ぎながら、欲しいものを手に入れに行こうよ!
拒むように玲花がノイズを放つも、リーニャの姿はフッ、と消えるだけで何の手応えもなかった。
REIKAちゃんの本当の夢は今からだって叶います。わたしが約束する。
わたし達、敵だけど、同時にライバルで友達ですもん。
代わりに、数多の蝶と風船を降らせながら狛込 めじろが玲花の前に現れ、やはり思いを込めた言葉をぶつける。
友達の夢は応援します。ねぇ、あべさん?
めじろの姿が消え、めじろの声に応じるようにアーヴェントが玲花の前に進み出る。
一人で全てが完結するのなら、そのライブは成り立ってすらいない。
言葉を浴び、よろめいた玲花が膝を折る。キッ、と睨みつける玲花にアーヴェントは優しく、手を差し伸べ告げた。
だが気づけたなら、これからだ。また夢を目指そう、次は一緒に。
だってまだ終わったばかりだろう? 長い長い第一話がさ。
思い通りにならない時もあるけど
忘れないでほしい
君は今も
いつだって一人じゃないことを
オリジナルスタイルを獲得した二人のアイドルによるライブは、玲花のプロミネンスとしての力を大いに弱める結果となった。
それはこの後に続く者たちにとっても、大いに力となるものであった――。
「……来ましたわね」
スカイタワー最上階でアイドルたちを迎える玲花は、分身をすべて倒されたにも関わらず、余裕の笑みを崩さなかった。
「玲花……あなたとは子役の時から、互いに切磋琢磨し合う間柄だったわね。あなたの実力を、私は認めていたわ。……だけど!」
咲田 茉莉花が玲花に向け、言葉をぶつける。
「こんなやり方で――力ずくで知名度を勝ち取るなんて! ファンを大切にしないアイドルは、失格よ!」
「ハッ! あなたも堕ちたわね、茉莉花。綺麗事を並べたところで、結局アイドルは消耗され使い尽くされる存在。
ならば――できるだけ多くの『命』を燃やして、存在を魅せつけるのがアイドルの目指すべき姿ではなくて?」
玲花の両手に、黒い螺旋を描く炎が生まれた。そのうねりこそ『命』の滾りであり、妖しくも魅力的に映る。
「……なるほど一理あるかもしれないわね。だったら――より強いものが『命』を喰らう、それもまたアイドルの摂理よねぇ?」
「それだけがアイドルのあるべき姿では無いってこと、私が示してみせます!」
西宮 彩の身体を借りたイドラの女王が妖艶に微笑み宣戦布告を叩きつけ、光を纏った光凛が真っ直ぐに玲花を見つけ、宣言する。
「これ以上は時間の無駄。どちらが真のアイドルか、白黒はっきりいたしましょう!」
両手を広げ、炎を迸らせる玲花へ、アイドルたちは勝負を挑む――。
先陣を切って、天導寺 紅が空に光の球を打ち上げる。
(以前ナゴヤで玲花に「朱はアンタを超える」って言っちゃったし、朱ガンバ! もちろん、アタシたちで場は作っておくから!)
天導寺 朱によるパフォーマンスをより最高のものにするため、弾けた光がステージに降って消える前に間髪入れず、ダイブした状態の虚田 真白の巨大ホログラムを映し出す。
(天歌院玲花……可哀想な人)
ちらり、と視線を一瞬だけ玲花に向け、すぐに視線を戻してから、浮遊する太鼓を用いての演奏でステージを盛り上げていく。噴き上がる炎も重なって確かな熱気がステージに集まっていく。
(ここで会場中の熱を、爆弾に!)
そして紅と朱のマテリアルパワーが、熱気を爆発する爆弾へと変える。
想いの花火を、キングに捧げよ!
直後、会場全体に響く掛け声が生じた。
「今よ!」
紅の合図で、サーフボード型Dマテリアルに乗った朱が宙へ飛び出し、ノイズのフィールドを形成する玲花の頭上に移動する。
(ここで実力を認めさせて……玲花っちと友達になる!)
王冠のついた杖を掲げ、そして会場中の爆弾が集まったところへ、思わず目を覆わんばかりの光が生じた。
皆の想いを輝きに、輝きを希望に変える!
超・玩・合・体! 超玩覇王、マシーナリーキング!
七色の虹を背景に、巨大なDマテリアルが出現する。
「これぞ名付けて、天導寺Wビッグバン!」
ブースターを噴き、『超玩覇王マシーナリーキング』が玲花に突撃する。元々は感情の爆弾だったもの、それが一つになって爆発すればどうなるか――。
『――――!!!!』
ビリビリと、会場が震え渡ったように誰もが感じる中、ステージに大輪の花が咲いた。この衝撃は流石の玲花もその場に立っていられず、膝を折る格好になった。
「俺なら玲花っちの暴走を止められるし、頑張りを褒められるのぜ。
だから、このライブが終わったら……俺と友達になろうぜ!」
その玲花に手を差し伸べ、引き起こさせてから、朱がニカっ、と笑ってそう口にした――。
背中に繋がれた重りで動けないまま
掴みかけたものが目の前で消えてしまう
君は今も
一人で背負うべきだと思いこんでいるのかい
キラキラとエフェクトを舞わせ、アーヴェント・ゾネンウンターガングがステージに上がれば、物語のクライマックスを感じさせる曲と演出がステージを彩る。ナゴヤで得た彼だけのスタイルによるライブは、玲花でさえも思うどおりにライブを行えない力を生み出していた。
REIKAさんは手に入らないものは要らないって言ってたけど、
きっと、手に入らなかったのは一人で全部やってたからじゃないかな?
自由に動けず、もがく玲花の前に、ギターを自在に演奏するリーニャ・クラフレットが現れ、思いを込めた言葉をぶつけ玲花を怯ませる。
ほら、今までのREIKAさんはお終い!
今度はみんなでお話を紡ぎながら、欲しいものを手に入れに行こうよ!
拒むように玲花がノイズを放つも、リーニャの姿はフッ、と消えるだけで何の手応えもなかった。
REIKAちゃんの本当の夢は今からだって叶います。わたしが約束する。
わたし達、敵だけど、同時にライバルで友達ですもん。
代わりに、数多の蝶と風船を降らせながら狛込 めじろが玲花の前に現れ、やはり思いを込めた言葉をぶつける。
友達の夢は応援します。ねぇ、あべさん?
めじろの姿が消え、めじろの声に応じるようにアーヴェントが玲花の前に進み出る。
一人で全てが完結するのなら、そのライブは成り立ってすらいない。
言葉を浴び、よろめいた玲花が膝を折る。キッ、と睨みつける玲花にアーヴェントは優しく、手を差し伸べ告げた。
だが気づけたなら、これからだ。また夢を目指そう、次は一緒に。
だってまだ終わったばかりだろう? 長い長い第一話がさ。
思い通りにならない時もあるけど
忘れないでほしい
君は今も
いつだって一人じゃないことを
オリジナルスタイルを獲得した二人のアイドルによるライブは、玲花のプロミネンスとしての力を大いに弱める結果となった。
それはこの後に続く者たちにとっても、大いに力となるものであった――。