イラスト

シナリオは、複数のユーザーが参加した結果を描写される小説形式のコンテンツです。
「ヒロイックソングス!」の世界で起こった事件やイベントに関わることができます。

夢見る少女のエキサイト・クリスマス

リアクション公開中!
夢見る少女のエキサイト・クリスマス
  • 夢見る少女のエキサイト・クリスマス

リアクション

「ふう! これで出番も終わりだな」

 客席に戻ったクロシェルは胸をなでおろしている。
 
「でも兄さん。まだまだ演目は残っていますよ? ほら、始まります!

「なんだって!? 今、いかにも終わりっぽかったじゃないか」

「でも、ほら……」

 ステージに立った二人のアイドルを見て、クロシェルは震えあがる。

「……こりゃあヤバイぞ」


 何がどうしてもニヤニヤするのを隠し切れない抑えきれない……そんな表情でアーヴェント・ゾネンウンターガングはステージから降り、クロシェルの前にやって来た。

「クロシェル! よろしく頼んだぞ。さっき打ち合わせた通りだ」

「てめぇ、あれ……冗談じゃなかったんだな」

「もちろん歌うのだろう? いや、歌おう!」

 観客席じゅうからリクエストの拍手が起こる。
 これは、先ほどのようにみんなで歌うのとはわけが違う――それはクロシェルも判っていた。
 
「兄さんの、ライブ……」

 リンアレルの輝く瞳に背を押され、
 
「耳かっぽじって、聞きやがれ」

 クロシェルは剣型マイク【ナイトハートスタンド】を手に、アーヴェントと共にステージへ駆けあがった。

 ♪~~~

 アーヴェントは、クロシェルと似た剣型マイク【レゾナンツ・ミクロフォン】で【ネイティブ・コラール】を歌う。
 セブンスフォールの人ならば馴染みのあるその歌を、観客席の人々は一緒に口ずさんでくれた。
 クロシェルも、戸惑うことなう歌声を重ねてきた。

 狛込 めじろは魅惑的な投げキッス――心のたがを外す効果のある【リミット・キッス】を観客に送る。

「皆、心のままに騒ぎましょう!
 アイドルに興奮すると言ってくれたリンアレルちゃんのために!」
 
 心のままに――その反応をさらに得るため、めじろは【欲張りなユートピア・ユーフォリア】と【甘い誘惑】を繰り広げる。
 パーティールームはうっとりとした夢見心地に包まれ、人々は甘い香りの中、美味しそうなお菓子やケーキの幻を見る。
 さらに、眼鏡や鈴……めじろの大好きアイテムの形をした風船も、舞い降りて来た。
 術の効果によって、人々は自然と、めじろの大好きアイテムに好感を抱く。
 
 【欲張りなユートピア・ユーフォリア】には『会場にいる者はみな使用者の好きなテーマに沿った服装に変わる』という効果がある。

「皆に眼鏡をプレゼント!」

 めじろの楽し気な声が響き、いつの間にか会場にいる全員が眼鏡姿になっていた。
 観客のみならず、リンアレルやアーヴェント、クロシェル、そしてめじろ自身も、眼鏡を装着している。
 観客席は、楽しい雰囲気で溢れている。
 今は皆「眼鏡好き」になっているため、お互いの眼鏡姿を称え合っているのだ。
 
 そしてアーヴェントが【シャイニーオーディエンス】
 観客一人一人の手に、指輪やバングル型の光の輪が出現し、カラフルに光る。
 眼鏡の他にもお揃いの物をつけ、その場はますます一体化した。
 
「クロシェル。次は、さっきこっそり教えたやつだ」

「本当に、本気か?」

「実は自分も恥ずかしいんだ。しかし今日はクリスマスだぞ」
 
 二人の間に、めじろの弾んだ声が飛びこんで来る。

「心の準備はいいですか? あべさん、クロシェルさん」

 覚悟を決めた二人は、すちゃっと眼鏡をずりあげる。

「任せろ、狛込」

「お、おうともよ!」

 めじろは、巨大な白い羽根ペンを模したスタンドマイク【ディバイン・アンジェリカ】を手にしている。
 端から端まですべてが雪のよう白く仕立てられており、めじろが歌うと雪のように白い羽が舞う。
 そんな白い羽の舞う中、アーヴェントとクロシェルは剣型マイクを置き、ビシッ! と両手でハートマークを作った。
 この場の観客に感謝と愛を込めての【サインオブハート】だった。
 クロシェルは、ハートマークを作ったまま客席を見回し、最後にリンアレルを見てニコォッ……と凶悪に笑う。

「兄さん」

 彼の気持ちが届いたらしく、リンアレルが眼鏡を外して泣き出した。
 観客達は引き続き故郷の歌い、リンアレルを励ます。
 
「リンちゃん……」

 眼鏡ニコラウスが杖を振り、リンアレルをステージ――クロシェルの横に届けた。
 泣きじゃくる妹の髪を、乱暴ながらクロシェルは何度もなでた。
 
 会場が、歌と涙に包まれる。
 
 アーヴェントとめじろは視線を交わし、うなずいた。
 それぞれの運命や責任を背負って生きるこの兄と妹に。
 目の前のすべての人に。
 そして、共に舞台に立ったこの友に向け。
 
 二人はとびきりの笑顔で、
 
「メリークリスマス!」

 
 真っ暗だった窓の向こう。
 温かく白い雪と、クリスマスの灯りに彩られた美しい街並みが、ぐんぐんと広がっていった。
 


 すっかり暖かく明るくなったパーティールームは、今やリラックスムードで溢れている。
 そんな中、ステージに向かうのは楢宮 六花

「楢宮六花です」
 
 六花はしっかりと【王城の礼儀】をもって皆に挨拶をして名乗った。
 観客だけでなく、すでにライブを終えたアイドル達も六花に微笑みと拍手を送る。

 六花は幼生神獣『アマービレ』と共に、『名も無き祷り(祈り)歌』を歌う。
 セブンスフォールの伝承歌を、元の持ち味を壊さない程度にアレンジしたもので、観客の人々も嬉しそうに耳を傾けている。
 
 エンシェントの六花は【フライトシング】で、アマービレと共に飛びながら歌い踊る。


 ♪ 今日の善き糧、くださりたもう、暖かなるは陽の光

 ♪ 今日の善き日、おまもりたもう、勇ましきは金の剣

 ♪ 今日の善き夜、みちびきたもう、静かなるは月の光

 ♪ 今日の善き夢、おささえたもう、疾風なるは銀の剣


 アマービレがクロシェルとリンアレルが並ぶ席に舞い降りた。
 どうやらクロシェルのことが気になるようだ。

「なんだ? 俺みたいに凶暴な男になりたいのか?」

 クロシェルは凶悪に笑いつつも、優しい手でアマービレを撫でる。
 アマービレと共にそこに舞い降りていた六花は、リンアレルに申し出る。

「一緒に、飛んでくれますか?」

「もちろんです! 飛ぶのは久しぶりな気がします。あぁ、楽しみ」

 リンアレルが楽しそうにエンシェントの翼を広げる。
 その笑顔に比例するかのように、パーティールームの天井がますます高く高くのびていく。

「行きましょう?」

「あ、待って、リンアレルさん!」

 リンアレルと六花、そしてアマービレは飛び立ち、歌の続きを再開した。



 六花の歌が終わっても、リンアレルは翼を広げ飛翔していた。
 リンアレル達をまぶしそうに見上げているのは、氷華 愛唯
 愛唯の視線はとても優しい。

 客席でリンアレルを見上げていたニコラウスの前には、小鈴木 あえか
 あえかは恭しく頭を下げ、ニコラウスをステージへ誘った。

 ~~♪
 
 愛唯は、雪の模様が刺繍された、純白仕立てのフィッシュテイルドレス【スヴァリンテイル】を揺らして踊る。
 【ネプチューンエコー】(ハンドマイク)の青と白の長いリボンをふわふわさせながら唄うのは、『アラウンド・ザ・ワールド』。

 ♪ 愛する世界はすぐそこに 希望の世界はこの胸に
 ♪ 信じているよ 願っているよ それで奇跡が起きるなら

 ♪ あなたの世界はわたしにも わたしの世界はあなたにも
 ♪ 通じているよ つながっているよ それが奇跡を起こすから


 歌はリンアレルにも届いた。
 リンアレルは、明るく軽やかなその曲調に合わせ、楽しそうに飛翔している。


「ニコさんのお誕生日は、やはりクリスマスでしょうか?」

 あえかは、目を輝かせながらニコラウスを見つめる。
 そもそもサンタクロースに会えるなど、冷静に考えてみれば夢のような出来事だ。

 ニコラウスは屈託なくにっこりと笑った。

「この世界には、たっっっくさんのセント・ニコラウスがいるにこ。
 私はその一人にこ。
 『*サンタクロースの誕生日には、諸説あります』なんだけど、
 もちろん今日もその一つにこ」

「良かった……。
 お口に合うか判りませんが、バースデーケーキを作ってよろしいですか?」

「クリスマスケーキじゃないにこ?」

「わたし達も小さい頃は、ニコさんにお世話になっているはずで……
 今のこの時間って、そんなニコさんにお礼が出来るまたとないチャンスです
 だからぜひ……」

 あえかは【崩落のショヴェル】の発動時に生成される、美味しいカステラを取り出した。
 今日のライブのために用意して来たものだった。
 バトルで使うものなので、あまり見栄えも良くない。
 
「それは嬉しいにこ。
 だったらぜひ、お手伝いして欲しいことがあるにこ」
 
 ニコラウスが杖を振ると、ステージに、シンプルなキッチンセットが展開した。
 カステラ生地は、巨大なスポンジケーキへと早変わり。

「これでケーキを作るにこ」

 あえかは頷き、用意してきた【メレンゲドール】【テーブルカトラリー】【ゴールドチョコレート】【宝石キャンディ】などを駆使してケーキを仕上げる。
 そこにニコラウスが杖を振り、さらにケーキを豪華に飾る。

 あえかとニコラウスの手によって、大きなケーキが出来上がった。

「サンタの願いはただ一つ。世界中のみんなの笑顔にこ。
 リンアレルも、その一人にこ。もちろん、ここにいるみんなもにこ?」

 ニコラウスが、本場仕込みの【サンタにお願い】
 その場にいるすべての人、そして窓の向こうに広がった夢の世界の、あらゆる人々に、平等にケーキを届けた。
 
「とっても素敵な夜になったにこ。
 これからは、クリスマスのお仕事の時は今日のことを必ず思い出すにこ」

 愛唯が【ウィンターファンファーレ】にて周囲に雪をちらつかせる。
 雪は観客席の方へ散っていき、触れると光の粒になって消えていく。
 聖夜にぴったりの演出だった。
 

 ♪ 白い世界の中で 今あなたの想いを受け止めて
 ♪ この天空(そら)のもとに集う 愛を持つ天使たち
 ♪ 輝く世界の中で 今わたしが想いを受け止めて
 ♪ この地上(ほし)のうえでいきる 夢を持つ生命たち

 ♪ そのすべてを抱きしめて
 ♪ そのすべてに愛を込めて

 ♪ そのすべてをウタにのせて!


 愛唯の歌に乗りながら、リンアレルが窓に近づいた。
 全ての窓がリンアレルを迎え入れるかのように一斉に開いた。
 臆することなく、リンアレルは外の世界に飛翔する。
 
 そして今夜。
 リンアレルの夢の世界は、ますます広がっていく。
 
 皆が見守る中。
 のびのびと自由に。
 心のままに。
ページの先頭に戻る