神々の悪戯! ハロウィンナイト悪夢編
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■Halloween night fight(2)
「ゴーレム達、ずいぶん派手に暴れてますね……」
「せっかく用意したお菓子はどうなっちゃうかしら」
崩れていく3体のゴーレムを眺めながら、D.D.とイドラの女王は心なしかしょんぼりしている。
「あのゴーレムはアンタらが作ったんだろ?
だったら、ほい。トリック・オア・トリート!」
黒瀬 心美はそんな2人に【ルミマルクッキー】を押し付ける。
「あら、気が利くじゃない」
「ちょうど小腹が空いていたんですよ」
のんきにクッキーを食べようとした2人に、心美が熱い喝を入れる。
「何ねぼけたこと言ってんのさ。それ持ってあたしのそばを歩くんだよ!」
「そんなことしたら、ゴーレムが集まって来ちゃうんじゃないんですかぁ?」
「だからでしょ?」
心美がぎろりとにらむと、さすがに責任を感じているのか、2人は大人しく後をついて歩き始めた。
ほどなくして、木々のざわめく音と大きな悲鳴があがった。
すぐそばに何体ものゴーレムが現れ出たのだ。
しかも悪いことに、そこは墓場を模した『墓場パーティー!』の会場で、かなりの人数が集まっている。
状況を読み取った心美は、まず【グリムフォール】で闇の属性を強化させた。
「やっぱり私達って悪役だけあって、同類を呼ぶ何かを持ってるんですかね~」
「あー、それね」
「いーからとっとと闘うの!」
「でもこの数、ちょっとヤバくないですか?」
「そうね。お客さん達から引き離しましょう」
2人の悪役は【ルミマルクッキー】と自らのラスボスオーラで、ゴーレム達を引き寄せる。
「こっち来たら、中ボスにしてあげてもいいわよ?」
「ほ~らお菓子ゴーレムちゃぁん、ママがおやつをあげまちゅよ~♪」
心美達に引き付けられなかったゴーレムは2体。
その2体の周りには、逃げ遅れの一般客もいた。
とりあえず規制線は張られたものの、準備委員会の対応だけではその場をおさめ切れず、軽いパニック状態となった。
「取りこぼしは、ウサミ先輩に任せたまえ!」
そこへ颯爽とウサミ 先輩が現れた。
「良い子のお菓子ゴーレム君! トリック&トリート(悪戯するぞ、お菓子もよこせ)!」
パニックをものともせず、ウサミ先輩は2体のゴーレムに果敢に立ち向かう。
ゴーレムの周りを跳び回りながら挑発し、その注意を一身に引き受けながら攻撃を加える。
2体のゴーレムが口からお菓子を吐き出すと、だいぶ落ち着いたらしい一般客から拍手が起きた。
「ウサミ先輩は先輩なのでゴーレム君は後輩である。よって君はウサミ先輩にお菓子を提供する義務があるのだ!」
「がんばれ、うさぎ先輩!」
チビッコ達が声援を送り始める。
ウサミ先輩はゴーレムの身体を【クライムキック】で駆け上がり、連続蹴りを繰り出してトドメを指す。
そのままの勢いで隣りのゴーレムに飛び移って、【ダブルジャンプ】。
突き上げる風を巻き起こしながら高く跳躍した。
「とうっ!」
最後は【パンプキンヘッドバット】で【ウサミ先輩の着ぐるみ】のウサギの頭をカボチャに変身させ、急降下。
残りの1体にトドメを刺した。
心美は一般客のいないスペースを確保できたので、存分に戦うことができた。
【シクレシィエンブレイス】で自分の影を伸ばしゴーレムを拘束。
【インヴァイオラブルスピア】を突き刺し攻撃する。
ゴーレムはお菓子を吐き出した。
そして最後は【U.ディストーションブロウ】の強力な一撃。
「ほら、ちゃんと戦いなよ!」
心美にたきつけられながら、D.D.とイドラの女王もしぶしぶながらゴーレム達に攻撃し、その場のゴーレムは殲滅した。
……
…………
辺りには少しずつ、和やかな雰囲気が戻ってきた。
ウサミ先輩と心美、そしてD.D.とイドラの女王は、ゴーレムの吐き出したお菓子を回収。
「トリック・オア・トリート!」
お客さん達に配り歩き、大変喜ばれたという。
□■□
イドラの騎士は、高台に立っている。
視線の先には、墓地の周りでお菓子を配るイドラの女王……。
「急に呼び出されて、君も大変だな」
アーヴェント・ゾネンウンターガングが、イドラの騎士に声をかけた時。
「ゴーレムだ!!」
辺りが騒然となった。
四方から大勢のお菓子ゴーレムが現れたのだ。
見晴らしのいいこの場所には、それなりの数の人々が集まっている。
広い場所なので規制線を張るのも難しい。
「やれるか?」
「もちろん!」
イドラの騎士は黒く光るブラックルミマルを伸ばし、アーヴェントは【フォルクの剣】を構える。
【フォルクの剣】の【最強キャラ補正】が作動したらしく、ゴーレム達はアーヴェントに気を取られ集まって来る。
イドラの騎士の手にはアーヴェントから渡された【チョコ】。
これもまた、ゴーレムを呼ぶ材料となった。
「客のことは、自分に任せてくれ」
アーヴェントは【二次元キャラ:[眠れる魔王]ライ】と【十二使徒の制裁】。
合計14本の剣を出現させる。
これらはゴーレムが誰かを攻撃するたびに即座に発動。
剣にはダインヘルトの力【暁と黄昏のディンメルグ】がこめられるため、ゴーレムの攻撃はその場で無効化され、誰もゴーレムの攻撃を受けずに済んだ。
「どんどん集まってはずだ。思い切り戦ってくれ」
イドラの騎士はゴーレムに巨大化する隙も与えず、どんどんなぎ倒していく。
最後にアーヴァントが【レイジオブビースト】の衝撃波を打ち込み、事態は収束。
高台に、少しずつ人が戻り始めて来た。
「お疲れ様。イドラの騎士……あ……」
「なんだ」
「いや。この呼び方、不便なんだ。君の名前は?」
「私の名は、山田――いや、名前などとっくに捨てた。身バレすれば、両親にも迷惑がかかる……」
「だったら勝手に呼ぶぞ。イックンはどうだ。うん、キックンもいいな」
イドラの騎士はほんの少し表情を崩し、
「もうちょっとだな。私に似合う、カッコいいのを頼む」
颯爽とした足取りでその場を去って行った。
「ゴーレム達、ずいぶん派手に暴れてますね……」
「せっかく用意したお菓子はどうなっちゃうかしら」
崩れていく3体のゴーレムを眺めながら、D.D.とイドラの女王は心なしかしょんぼりしている。
「あのゴーレムはアンタらが作ったんだろ?
だったら、ほい。トリック・オア・トリート!」
黒瀬 心美はそんな2人に【ルミマルクッキー】を押し付ける。
「あら、気が利くじゃない」
「ちょうど小腹が空いていたんですよ」
のんきにクッキーを食べようとした2人に、心美が熱い喝を入れる。
「何ねぼけたこと言ってんのさ。それ持ってあたしのそばを歩くんだよ!」
「そんなことしたら、ゴーレムが集まって来ちゃうんじゃないんですかぁ?」
「だからでしょ?」
心美がぎろりとにらむと、さすがに責任を感じているのか、2人は大人しく後をついて歩き始めた。
ほどなくして、木々のざわめく音と大きな悲鳴があがった。
すぐそばに何体ものゴーレムが現れ出たのだ。
しかも悪いことに、そこは墓場を模した『墓場パーティー!』の会場で、かなりの人数が集まっている。
状況を読み取った心美は、まず【グリムフォール】で闇の属性を強化させた。
「やっぱり私達って悪役だけあって、同類を呼ぶ何かを持ってるんですかね~」
「あー、それね」
「いーからとっとと闘うの!」
「でもこの数、ちょっとヤバくないですか?」
「そうね。お客さん達から引き離しましょう」
2人の悪役は【ルミマルクッキー】と自らのラスボスオーラで、ゴーレム達を引き寄せる。
「こっち来たら、中ボスにしてあげてもいいわよ?」
「ほ~らお菓子ゴーレムちゃぁん、ママがおやつをあげまちゅよ~♪」
心美達に引き付けられなかったゴーレムは2体。
その2体の周りには、逃げ遅れの一般客もいた。
とりあえず規制線は張られたものの、準備委員会の対応だけではその場をおさめ切れず、軽いパニック状態となった。
「取りこぼしは、ウサミ先輩に任せたまえ!」
そこへ颯爽とウサミ 先輩が現れた。
「良い子のお菓子ゴーレム君! トリック&トリート(悪戯するぞ、お菓子もよこせ)!」
パニックをものともせず、ウサミ先輩は2体のゴーレムに果敢に立ち向かう。
ゴーレムの周りを跳び回りながら挑発し、その注意を一身に引き受けながら攻撃を加える。
2体のゴーレムが口からお菓子を吐き出すと、だいぶ落ち着いたらしい一般客から拍手が起きた。
「ウサミ先輩は先輩なのでゴーレム君は後輩である。よって君はウサミ先輩にお菓子を提供する義務があるのだ!」
「がんばれ、うさぎ先輩!」
チビッコ達が声援を送り始める。
ウサミ先輩はゴーレムの身体を【クライムキック】で駆け上がり、連続蹴りを繰り出してトドメを指す。
そのままの勢いで隣りのゴーレムに飛び移って、【ダブルジャンプ】。
突き上げる風を巻き起こしながら高く跳躍した。
「とうっ!」
最後は【パンプキンヘッドバット】で【ウサミ先輩の着ぐるみ】のウサギの頭をカボチャに変身させ、急降下。
残りの1体にトドメを刺した。
心美は一般客のいないスペースを確保できたので、存分に戦うことができた。
【シクレシィエンブレイス】で自分の影を伸ばしゴーレムを拘束。
【インヴァイオラブルスピア】を突き刺し攻撃する。
ゴーレムはお菓子を吐き出した。
そして最後は【U.ディストーションブロウ】の強力な一撃。
「ほら、ちゃんと戦いなよ!」
心美にたきつけられながら、D.D.とイドラの女王もしぶしぶながらゴーレム達に攻撃し、その場のゴーレムは殲滅した。
……
…………
辺りには少しずつ、和やかな雰囲気が戻ってきた。
ウサミ先輩と心美、そしてD.D.とイドラの女王は、ゴーレムの吐き出したお菓子を回収。
「トリック・オア・トリート!」
お客さん達に配り歩き、大変喜ばれたという。
□■□
イドラの騎士は、高台に立っている。
視線の先には、墓地の周りでお菓子を配るイドラの女王……。
「急に呼び出されて、君も大変だな」
アーヴェント・ゾネンウンターガングが、イドラの騎士に声をかけた時。
「ゴーレムだ!!」
辺りが騒然となった。
四方から大勢のお菓子ゴーレムが現れたのだ。
見晴らしのいいこの場所には、それなりの数の人々が集まっている。
広い場所なので規制線を張るのも難しい。
「やれるか?」
「もちろん!」
イドラの騎士は黒く光るブラックルミマルを伸ばし、アーヴェントは【フォルクの剣】を構える。
【フォルクの剣】の【最強キャラ補正】が作動したらしく、ゴーレム達はアーヴェントに気を取られ集まって来る。
イドラの騎士の手にはアーヴェントから渡された【チョコ】。
これもまた、ゴーレムを呼ぶ材料となった。
「客のことは、自分に任せてくれ」
アーヴェントは【二次元キャラ:[眠れる魔王]ライ】と【十二使徒の制裁】。
合計14本の剣を出現させる。
これらはゴーレムが誰かを攻撃するたびに即座に発動。
剣にはダインヘルトの力【暁と黄昏のディンメルグ】がこめられるため、ゴーレムの攻撃はその場で無効化され、誰もゴーレムの攻撃を受けずに済んだ。
「どんどん集まってはずだ。思い切り戦ってくれ」
イドラの騎士はゴーレムに巨大化する隙も与えず、どんどんなぎ倒していく。
最後にアーヴァントが【レイジオブビースト】の衝撃波を打ち込み、事態は収束。
高台に、少しずつ人が戻り始めて来た。
「お疲れ様。イドラの騎士……あ……」
「なんだ」
「いや。この呼び方、不便なんだ。君の名前は?」
「私の名は、山田――いや、名前などとっくに捨てた。身バレすれば、両親にも迷惑がかかる……」
「だったら勝手に呼ぶぞ。イックンはどうだ。うん、キックンもいいな」
イドラの騎士はほんの少し表情を崩し、
「もうちょっとだな。私に似合う、カッコいいのを頼む」
颯爽とした足取りでその場を去って行った。