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神々の悪戯! ハロウィンナイト悪夢編

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神々の悪戯! ハロウィンナイト悪夢編
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■Halloween night fight(1)


   楽しいハロウィンナイトの水面下には、お菓子ゴーレムと戦うアイドル達がいた。
   彼らがお菓子ゴーレムを倒してくれていたので、ハロウィンナイトは円滑に楽しく和やかに開催できたのだ。


 Ultra Rayの4人のポケットはお菓子でいっぱい。
 首からも、たくさんのキャンディレイをぶらさげている。
 
 裏山の奥深くにいる彼らの周りには、ひときわゴーレムが集まっていた。
 お菓子ゴーレムは、お菓子を持っている者や仮装をしている者を見つけると襲ってくる。
 いわばウルレイの持っている大量のお菓子は、「ゴーレムホイホイ」の役目を果たしていた。

「やった! 2体目、倒したぜ!」
「悪いな泰河、俺は3体目だ」
「俺も3体目だよ。お疲れ♪ みんな」
「あはは……ゴメンね。ボク、4体もやっつけちゃったみたい……」

「うおおお!!! 負けてられないぜ! こうなったらコスプレもしてやろうか!」
「あーあー。春人が泰河に火をつけちゃったー♪」


「やっぱいっぱいゴーストを倒してるだけあって、たっぷりお菓子持ってんな!」 

 そんなウルレイを遠巻きに見ていたのは、ジュン・ガルハーツだった。

「よーし」

 ジュンは威勢よくウルレイのもとへ駆け寄った。
 
「なんだジュン、加勢に来てくれたのか?」

「はーはっはっは! トリック・オア・トリート!
 オレこそがお菓子ゴーレムの首領! ガルハーツ様だー!」

 ジュンはやみくもに【暴食の紅蜘蛛】を放ち、ウルレイの4人の動きを止めた。

「おいおい、ボク達の動きを止めてどーすんのさ」

 そしてジュンは、動けなくなったウルレイメンバーのお菓子をせしめて歩く。

「そんなに独り占めすると、ゴーレムが集まって来るぞ」

 その通りだった。
 すぐに辺りのゴーレム達は、大きな腕を振り回してジュンに殺到してきた。
 そこでジュンが【暴君の断首刑】。

「オレの邪魔する奴はオレが倒してやるっ」

 ドン! ドン! 
 ギロチンの刃のようなものが複数出現し、お菓子ゴーレム達の頭上に落ちた。
 切断されたお菓子ゴーレムは、お菓子をぱっと吐き出して、砂になって崩れた。

 満足気にそれを見届けるジュンの周りには、ウルレイの4人。
 とっくにジュンの【暴食の紅蜘蛛】を破って出て来ていた。
  
 「「「「トリック・オア・トリート、ジュン!」」」」
 
 4人は寄ってたかってジュンをくすぐりまくり、自分達のお菓子を奪還した。



□■□



 ハロウィンナイト会場を、血塗れなゾンビナース姿の梧 双葉が歩いている。
 万が一、大勢人間が集まっている場所にお菓子ゴーレムが出没して人々を襲い始めたらパニックになりかねない。
 双葉が警戒しながらゴーレムを探して歩いていると、がさがさと草木の音がしてお菓子ゴーレムが現れた。

「すぐにここから離れて下さい!」

 双葉はお客達を守るようにしてゴーレムの前に立った。
 駆けつけた準備委員会メンバーが、すぐに一般客を非難させ近辺に規制線を張る。

「あとは任せて!」

 双葉は全員を退避させ、一人、ゴーレムと対峙した。
 まずは【スーパーブレッシング】でチョコトリュフを出して食べて、元気いっぱいに。

「シャロちゃん、わたしに力を……」
 
 心をこめて唱え、聖剣【シャーロットカリバー】をその手に出現させて攻撃した。
 
 ゴーレムは攻撃するたびにお菓子を吐き出し、それを数回繰り返すと最後は砂のように崩れて消えていった。

 あとに残ったのは、色とりどりのお菓子達。
 この後、一般客や友人たちに配ろうと考え、双葉はお菓子を丁寧に回収していく。
 しかしどうしても気になって、1つだけ味見することにした。

 選んだのは桜色の和紙にくるまれた上品な和菓子。
 華乱葦原の輝夜が用意したものだった。

 口に入れたとたん華乱葦原の桜が脳裏に浮かび、双葉は幸せな気分になった。


□■□


 そしてこちらでも……。
 梓弓 莉花が、臨時に張られた規制線の内側で戦っている。

「とりっくおあとりーと! 大丈夫、お菓子はちゃんと、みんなで食べてあげるから」

 まずは素早くゴーレムの背後に回りこみ【アクロバットキック】で後頭部に飛び蹴りをかました。
 莉花は、こんなアクロバティックな動きにも耐えうる姿だった。
 モチーフはシンデレラ。
 丈の長いドレスではなくタイトでシンプルなボディスーツのような見た目だ。
 要所要所に女の子らしい抜け感のあるデザインで、フリルのついたスカートが可愛らしい。

 それから莉花はお菓子ゴーレムの正面に回り、ボディめがけて、【météore(ジャンプグローブ)】で左ストレート。
 ヒミツの体重の乗った重いパンチに耐えきれず、ゴーレムは大量のお菓子をその場に吐き出し、崩れて消えた。
 あとに残ったのは、ラスボス四人衆が用意していたそれぞれの世界を彷彿させるお菓子達。

 華乱葦原の和菓子は、一番仕事が細かく種類も多い。
 砂糖の塊や水あめの瓶詰は、ディスカディアらしくなんともシンプルで合理的。
 ネヴァーランドのチョコやクッキーはかわいい小動物の形をしており、さらになんだか生きているようだ。

 どれもそれぞれの世界にぴったりで、莉花は規制線が解かれるまでの間、1つ1つを確認して集めていった。


□■□


 八重崎 サクラ龍崎 宗麟は、3体のゴーレムに遭遇していた。
 閑散とした場所だったので数人の一般客しかいなかったが、全員退避できずその場に立ち尽くしている。
 準備委員会はまだ現れず、規制線も張られないままの戦いとなった。

 背中合わせに立った2人は、しっかりと仮装している。
 サクラは吸血鬼狩りの聖職者の仮装。
 宗麟はオペラ座の怪人のような、白い仮面とマント姿だ。

「背中は任せたが、危なくなったらすぐに呼んでくれ!」
「大丈夫ですよ、そっちこそ……無理しないで下さいね?」

 まずは一般客の避難が最優先だった。

「ちょっといいとこ、見せたいですよね、っと」
 サクラはお菓子を見せびらかし、ゴーレムを引き寄せる。
 そして木々の間を跳びまわりながら、踏み付けたり、【NCFウィップ(マイティストリング)】で鞭打って攻撃。
「今日の俺は怪人だ。多少のラフプレーも使うぜ」
 宗麟は【ツキマル団子】を投げていく。
 
 点々としていた一般客達は、2人がゴーレムを引き付けている隙にひと固まりに。
 準備委員がやっと駆けつけて来て、規制線を張り、全員を無事に避難させた。
 
 人払いが終わったタイミングで、ばらばらに動いていた3体のゴーレムが一か所に集まり始めた。

「そうは問屋が……卸しませんよっ!」

 サクラは【NCFウィップ(マイティストリング)】で1体を絡め取って、太い枝に吊るし上げるように固定。
 宗麟は1体のゴーレムを【ビートスタンパー】で足止めし、もう1体を【ナイフディーリング】でけん制。
 
「宗麟さん!」

 サクラの合図で宗麟は怪人のマントを颯爽とはためかせ、

「ファントムオペラブレイク!!」

 【アクロバットキック】を繰り出した。
 
 
 こうした2人の連携プレイが功を奏し、3体のゴーレムは全て、たくさんのお菓子を残し砂のように崩れて消えて行った。
 さらさらと舞う砂を背景に、仮面の怪人がサクラに言う。
 
「怪我はないか? 愛しのクリスティ……じゃなくて、サクラ?」
「心配してもらえる程か弱くも無いけれど……ありがとう、怪人さん」

 サクラはその気遣いに、笑顔を返した。
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