神々の悪戯! ハロウィンナイト悪夢編
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■Halloween night light(3)
暗い森の外には、ライトアップエリア。
頭上に足元に、溢れるジャック・オ・ランタンの光。
あちこちから歌や悲鳴が聞こえてくる。
その悲鳴の中には、実はお菓子ゴーレムに遭遇した一般客の悲鳴もあった。
しかしアイドル達の活躍でゴーレムは出没と同時に討伐されており、大した騒ぎにもならずイベントは楽し気に続いている。
ライトアップエリアの、薄暗い木陰に身を潜めているのは虹村 歌音とウィリアム・ヘルツハフト。
「見て? ウィルさん、黒猫だ。親子かな……?」
歌音がひそっと囁いた。
「猫?」
「あーあ、行っちゃった。2匹ともキャンディをくわえてたよ? どうやって食べるつもりだったのかな、ふふっ」
「案外、歌音と同じ魔物の類かもな……」
「うん。ハロウィンだもんね」
今夜の歌音は、怪しく美しく幻想的なイブニングドレス【月虹夜の夜会服】を身にまとった吸血鬼の姿だ。
~♪
そして2人は、聖歌を歌い始めた。
ウィリアムが【清浄なるナイトヒム】をこめて静寂を呼び、さらに歌を響かせる。
すぐ向こうには明るい道。
皆、歌に気づき、しかし歌の出どころが判らず立ち止まっていく。
~♪
人が集まってくるとウィリアムが執事風の仮装で登場。
あまりの凛々しさに、あちこちから女子の悲鳴と歓声が上がる。
歌音はその混乱と【幽冥なる月影】で姿を隠しながら、人々の背後にまわり、囁いていく。
「わたしは吸血鬼……
今宵皆さまを、わがあるじのもとへご案内いたしましょう、ふっふっふっふ~」
ドレス姿の吸血鬼版歌音は、見たままの姿でも十分怪しく可愛らしかったが、さらに【甘美なるユーフォリア】と【血沸く共鳴】でその魅力をアップさせる。
よく切れる刃物のような圧倒的カッコよさを放っていた執事風ウィリアムが一礼した。
「皆さま、こちらでございます」
【イケてる輝き】と【ファイナルイケメンデストラクション】でそのイケメンぶりをさらに増長。
失神者が出そうな勢いとなった。
「さあ参りましょう、『リトルフルール』のステージへ」
人々は、かわいい吸血鬼と寡黙なイケメン執事にくぎ付けだった。
皆大人しくうなずき、2人に続いて歩き出す。
ウィリアムが【オルトゴースト】や【コウモリ】を放ち、雰囲気満点、ハロウィンナイトの行進が始まった。
□■□
広めの場所を陣取っていた『リトルフルール』のシャーロット・フルールとアレクス・エメロード、そして今回もお手伝いに来た戦戯 嘘(そよぎ うそ)は、見えて来たた行列に、目を見張る。
「壁側の人気サークルさんみたいな行列なのよ!」
「さすがかのんちゃん達!」
「ほら、いくぞシャロ、後輩」
ライブの場に到着した歌音とウィリアムは、人々に向かい丁寧に頭を下げる。
「皆さま、お疲れ様でございました」
「ごゆっくりお楽しみ下さいませ」
そして……
「はっぴーはろうぃん!
リトルフルールが贈る、お化け南瓜の迷いの森にようこそ♪」
妖精の姿をしたシャーロットが現れ、いきなりフェアリースターの力【ツリーオブライフ】を放った。
辺りには、これまでとまったく違う景色が広がっていく。
暗い夜闇。
音を立てて揺れる麦畑。
にょきにょきと、黒く不気味な木々が乱立。
ぽん、ぽぽん♪
地面からは、たくさんのカボチャが出現した。
魔王の仮装をした嘘が、シャーロットと共に、カボチャや黒い木々に【モンスターフェイス】を施す。
不気味な顔がつけられたカボチャや黒い木々は、歌って踊って、光り出した。
行きは良い良い
帰りは怖い
行けども行けども
帰り道は見つからぬ
ケケケケケ……
不気味な笑い声の中、シャーロットが【虎又の焔絵筆】を一振り。
空中に、妖火で髑髏(どくろ)を描く。
「っくっくっく!」
【インビジブルスチーマー】で姿を隠していたアレクスが、突然現れた。
「きゃあっ!」
あちこちから悲鳴が上がった。
それもそのはず。
アレクスはホラー映画でおなじみのホッケーマスクをつけている。
手には妖包丁の【國幸】と 【國雨】の二刀流。
血糊までつけて芸が細かい。
しかしアレクスの目的は惨殺ではなく……
「あらよっと」
アレクスは足元のオバケカボチャを宙に投げると、
シュシュシュシュシュッ!
妖包丁二刀流を乱舞させての【後光スライス】。
特別な捌かれ方をしたカボチャは、シャーロットの描いた妖火の髑髏の中へ飛び込んでいく。
シャーロットは【スープストック】を発動。
あっというまに出来上がったのは、『ハロウィンのパンプキンパイ』だった。
素敵な素敵なパンプキンパイ
これを食べれば
怖くない
だって
キミもボクらの仲間になるんだから♪
「みなさん! 召し上がれ!」
パイをふるまわれた観客がそれを口にすると……
ケケケケケ……
あちこちからカボチャの笑い声が起きる。
びっくりして口を押えても、止まらない。
ケケケケケ……
リトルフルールのメンバーが、声を揃えて叫ぶ。
「とりっくおあとり~と!」
暗い森の外には、ライトアップエリア。
頭上に足元に、溢れるジャック・オ・ランタンの光。
あちこちから歌や悲鳴が聞こえてくる。
その悲鳴の中には、実はお菓子ゴーレムに遭遇した一般客の悲鳴もあった。
しかしアイドル達の活躍でゴーレムは出没と同時に討伐されており、大した騒ぎにもならずイベントは楽し気に続いている。
ライトアップエリアの、薄暗い木陰に身を潜めているのは虹村 歌音とウィリアム・ヘルツハフト。
「見て? ウィルさん、黒猫だ。親子かな……?」
歌音がひそっと囁いた。
「猫?」
「あーあ、行っちゃった。2匹ともキャンディをくわえてたよ? どうやって食べるつもりだったのかな、ふふっ」
「案外、歌音と同じ魔物の類かもな……」
「うん。ハロウィンだもんね」
今夜の歌音は、怪しく美しく幻想的なイブニングドレス【月虹夜の夜会服】を身にまとった吸血鬼の姿だ。
~♪
そして2人は、聖歌を歌い始めた。
ウィリアムが【清浄なるナイトヒム】をこめて静寂を呼び、さらに歌を響かせる。
すぐ向こうには明るい道。
皆、歌に気づき、しかし歌の出どころが判らず立ち止まっていく。
~♪
人が集まってくるとウィリアムが執事風の仮装で登場。
あまりの凛々しさに、あちこちから女子の悲鳴と歓声が上がる。
歌音はその混乱と【幽冥なる月影】で姿を隠しながら、人々の背後にまわり、囁いていく。
「わたしは吸血鬼……
今宵皆さまを、わがあるじのもとへご案内いたしましょう、ふっふっふっふ~」
ドレス姿の吸血鬼版歌音は、見たままの姿でも十分怪しく可愛らしかったが、さらに【甘美なるユーフォリア】と【血沸く共鳴】でその魅力をアップさせる。
よく切れる刃物のような圧倒的カッコよさを放っていた執事風ウィリアムが一礼した。
「皆さま、こちらでございます」
【イケてる輝き】と【ファイナルイケメンデストラクション】でそのイケメンぶりをさらに増長。
失神者が出そうな勢いとなった。
「さあ参りましょう、『リトルフルール』のステージへ」
人々は、かわいい吸血鬼と寡黙なイケメン執事にくぎ付けだった。
皆大人しくうなずき、2人に続いて歩き出す。
ウィリアムが【オルトゴースト】や【コウモリ】を放ち、雰囲気満点、ハロウィンナイトの行進が始まった。
□■□
広めの場所を陣取っていた『リトルフルール』のシャーロット・フルールとアレクス・エメロード、そして今回もお手伝いに来た戦戯 嘘(そよぎ うそ)は、見えて来たた行列に、目を見張る。
「壁側の人気サークルさんみたいな行列なのよ!」
「さすがかのんちゃん達!」
「ほら、いくぞシャロ、後輩」
ライブの場に到着した歌音とウィリアムは、人々に向かい丁寧に頭を下げる。
「皆さま、お疲れ様でございました」
「ごゆっくりお楽しみ下さいませ」
そして……
「はっぴーはろうぃん!
リトルフルールが贈る、お化け南瓜の迷いの森にようこそ♪」
妖精の姿をしたシャーロットが現れ、いきなりフェアリースターの力【ツリーオブライフ】を放った。
辺りには、これまでとまったく違う景色が広がっていく。
暗い夜闇。
音を立てて揺れる麦畑。
にょきにょきと、黒く不気味な木々が乱立。
ぽん、ぽぽん♪
地面からは、たくさんのカボチャが出現した。
魔王の仮装をした嘘が、シャーロットと共に、カボチャや黒い木々に【モンスターフェイス】を施す。
不気味な顔がつけられたカボチャや黒い木々は、歌って踊って、光り出した。
行きは良い良い
帰りは怖い
行けども行けども
帰り道は見つからぬ
ケケケケケ……
不気味な笑い声の中、シャーロットが【虎又の焔絵筆】を一振り。
空中に、妖火で髑髏(どくろ)を描く。
「っくっくっく!」
【インビジブルスチーマー】で姿を隠していたアレクスが、突然現れた。
「きゃあっ!」
あちこちから悲鳴が上がった。
それもそのはず。
アレクスはホラー映画でおなじみのホッケーマスクをつけている。
手には妖包丁の【國幸】と 【國雨】の二刀流。
血糊までつけて芸が細かい。
しかしアレクスの目的は惨殺ではなく……
「あらよっと」
アレクスは足元のオバケカボチャを宙に投げると、
シュシュシュシュシュッ!
妖包丁二刀流を乱舞させての【後光スライス】。
特別な捌かれ方をしたカボチャは、シャーロットの描いた妖火の髑髏の中へ飛び込んでいく。
シャーロットは【スープストック】を発動。
あっというまに出来上がったのは、『ハロウィンのパンプキンパイ』だった。
素敵な素敵なパンプキンパイ
これを食べれば
怖くない
だって
キミもボクらの仲間になるんだから♪
「みなさん! 召し上がれ!」
パイをふるまわれた観客がそれを口にすると……
ケケケケケ……
あちこちからカボチャの笑い声が起きる。
びっくりして口を押えても、止まらない。
ケケケケケ……
リトルフルールのメンバーが、声を揃えて叫ぶ。
「とりっくおあとり~と!」