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神々の悪戯! ハロウィンナイト悪夢編

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神々の悪戯! ハロウィンナイト悪夢編
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リアクション

■Halloween night light(2)


 クロティア・ライハナレッジ・ディア、そして村雲 いろはの3人は踊っている。
 
 ♪~

 クロティアは、仮想体「プライ」の姿だった。
 水色のツインテールに黒ベースに黄色のアクセントのドレス……。
 いつものクロティアとは、別人のようだ。
 
「仮想体のクロティアにも慣れてきたかも……」
 いろはが踊りながらぽつりと言う。
「プライさんは、マスターのもう1つの姿。ずっとゲーム内で使っていたもう一人の自分……」
 ナレッジが答えると、ゲーム好きのいろははその言葉に深くうなずき理解を示した。

 ♪~

 ナレッジは【楽譜作成】の音符を描き奏で、ライブを盛り上げた。
 さらにいろはの作ったハロウィンっぽさ満点の踊りに合わせて【オルトゴースト】が飛び交わせ、【オルトシルフィード】の風が吹かせる。

 プライの姿のクロティアは【謎光乱舞】でキラキラのアピール。
 【タッチ&フィーバー】では「Touch!」マークを上手にタッチ。
 「Fever!」のキラキラ文字エフェクトを出し、ライブは絶好調を極めた。

 ♪~
 
 踊りながらナレッジは、人だかりの一番後ろを気にしている。 
 一番後ろには、最初に呼び出しておいた【プライ(創作物:歌って踊れる共演者)】の姿があった。
 この、創作物のプライは、仮想体のクロティアと瞳の色以外、まったく同じだ。
 会話などの意思の疎通はできないが、このライブの狙いは判っているらしく、動かず目立たずじっとしている。

 ♪~
 
 ライブの流れを察知した【オルトシルフィード】が、ふわふわと後方に向かう。
 なんとなくつられて【オルトゴースト】もついていく。
 すると最後方の観客がその動きにつられて、さらに何かに肩をたたかれたような気がして、何気なく後ろを振り返った。

「きゃあっ!! あそこのアイドルさんが、こ、こっちにもいる!?」

 観客が一斉に、最後方に立っている【プライ(創作物:歌って踊れる共演者)】に注目。
 【オルトゴースト】に囲まれて【オルトシルフィード】の風を浴びている姿は、なかなかそれっぽい。

「ドッペルゲンガー?」 
「生霊とか……?」

 そこで3人が、一斉に声をあげた。

「「「ハッピー・ハロウィン! びっくりしました?」」」

 場の空気を読めたのか、もしかしたら偶然か。
 絶妙のタイミングで【プライ(創作物:歌って踊れる共演者)】が「トリック・オア・トリート」と書かれた看板を掲げる。

 観客達はちょっと悔しそうなふりをしつつも、心底楽しそうに、お菓子を差し出した。


□■□


 ドッペルゲンガーライブからちょっと離れた場所には、かなり広めのスペースが確保されている。
 少しだけ岩が多く足場が悪いにも関わらず、そこには既に、人だかりができていた。
 
 人だかりの最前列にはフェイトスターアカデミーフェスタ職員一同。
 それぞれ黒服に黒猫耳、そして簡単なマントをはおっている。
 この場に招待してくれたフェスタ生を応援するためだった。

「やっちまえ! 明日の一面飾ってみろ~!」
「ぴょん太も先生も、ここで応援してますよ♪」
「はっはっは! 大丈夫! 自分を信じるんだ!」


 個性的な声援が飛ぶ中、天導寺 朱が現れた。

 【ME.ニンバスライトニング】で闇と稲光りを演出。
 【チェシャ猫の見た夢】では植物たちの明るく楽しい歌声と笑い声を。
 どこかに隠れている【≪星獣≫マラカスバッタ】のウタも響く。

 繰り返される闇と雷光の元での、楽し気な歌や笑い声……かなり不気味で、ハロウィンナイトにふさわしい。

 そしてマテリアライザーの朱は、【ME.マシーナリーキング】の眩い光を放った。

 ゴオオオ!
 ガシャン! ガシャン!

 光を浴びた周辺の岩々が、Dマテリアルのパーツへと変化していく。
 この大がかりな技は、そうそう簡単には繰り出せない。
 今夜もきっとこの1度きり……だから朱は感謝の気持ちをこめて職員達を呼んだのだ。

「新たな可能性が生み出した大いなる希望……
 その名も超玩覇王、マシーナリーキング!」

 朱の雄たけびと共に、ハロウィンっぽい装飾の巨大ロボが完成した。

「ハッピー・ハロウィン! マシナリーキーング!」

 その場にいた全員が、巨大ロボにお菓子を手渡しに走った。


□■□


 緑青 木賊は、ギャラリーに見つめられつつ真剣に飴細工を作っている。

「木賊、今年もうまそうな飴だな!」

 声をかけてきたのは北郷瑞己だった。
 黒猫耳に黒マント……先ほどの仮装姿のままだ。

「北郷教官、そのいでたちは、どうしたっす」
「はっはっは! どうだ、似合うだろう! お前もそのエプロン、似合ってるぞ!」

 木賊は作った飴を北郷に差し出した。

「感想を、お聞かせ願いたいっす」
「いいとも!
 俺は日々味覚を鍛錬しているんだ!」

 木賊はその言葉を聞き、真剣な顔で頷いた。
 だからこそ、この飴を食べて欲しかったのだ。

「これはうまい!
 【おばけキャンディ】を直火で熱して練飴状にした後、よく切れる鋏で断ち、
 キラキラとした装飾を施しつつ成型したのだな」
「すごい、その通りっす」
「技術と経験と工夫を大きな真心で包みこんだ逸品。いい仕事だ木賊、感動だ!
 味わいは去年のものよりシンプル。しかし物足りないわけではない。
 これこそ引き算の美学! 潔く美しい!」
「(こ……これはまことに、味覚の鍛錬のたまものというわけっすか?)
 では、こちらもどうぞっす。【山葵酢のあいす】っす」
「おっ、わさビネガー味のフェスアイスか」

 それは、名前のインパクトを裏切らない相当個性的なアイスだ。
 
「うをッ……落雷のように鮮烈な味!……うん、だがうまい!」
「うっ……うまいっすか! これが……?」
「ああ、うまいとも!」

 味覚を鍛錬した北郷は、あらゆるものを美味しく頂くことができるようになっていたようだ!
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