フェスタのスプリング・ワンデイ!
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1.スプリングフェスタへようこそ!
「わあ、こんな風にお花の景色をみんなと過ごすんだね!」
目を輝かせて、満開の桜の空間をリーニャ・クラフレットは眺める。
桜に囲まれた広場に多くの人々が集う。
その中に、ギターとマイクを携えた二人の少女がいた。
「スターの資質……それを発揮する良い機会じゃん!」
ビーストラリアにあるウエノのスター、「パンダマスターズ」への対抗心からリュンがお花見を盛り上げる決意をする。
「落ち着いてリュン、この広場の主役はこの桜の木。桜を楽しむ人々の気持ちを大事にしましょう」
ギターの少女ハルが、一呼吸し、静かな曲調のコードを奏でる。
人々は「何かが始まる?」という期待で注目する。
リーニャもハル達と共に【ことなしの羽織】を閃かせて自分も【玉兎天遊琴】を奏でる。
大桜の舞と、琴の音で人々の気持ちが明るく高められる。
「ほらほら!みんなも踊ったり手を叩いたりして楽しもう!」
桜花招来で一層多くの花びらの雨を降らすと一層大きな歓声が上がった。
広場のステージの一つに泰平羽織の姿で堀田 小十郎が立つ。
小十郎が手にしているのは、「模擬刀・薄明」であり、それをスラリと抜く。
音の代わりに小十郎が奏でたのは演武であった。
刀で花びらの空間を切り分け、引き寄せるようにして舞う。
そして風雅のクロスコードを纏い紙吹雪にて彩る。
そこに姿を表したのは睡蓮寺 陽介だった。
身軽にステージの上に身を踊らせ、花びらを纒いながら、小十郎との呼吸で殺陣を演じる。
小十郎の刀を軽やかな動きで躱し、ハルのギターの音も弾けるように演武を彩る。
別の場所にいた人たちも興味を持って引き寄せられて来る。
頃合いをみて陽介がファイアボールを熱情のクロスコードを纏って操り、一層激しい動きとインパクトに観客が喚声を上げる。
小十郎と陽介のパフォーマンスに続いて睡蓮寺 小夜もハルのギター、リュンのフレーズを共に重ねる。
ステージの上で小夜はいろいろな出来事を思い返す。
(お花見ライブかぁ……
フェスタに来て、もう一年経つんだね……)
ここに来てからの色々なことが頭の中に浮かぶ。決して楽しい事ばかりではなかった。時には、辛いことも。
「歌って……ハルさん、一緒に……『——それでも私はウタを歌う』」
ハルが頷き、小夜はディアマイフレンドの旋律で自分の持ち歌を歌う。
それでも私はウタを歌う。
抱いたユメは、心(ココ)に在るから
人々の注目を呼び込み、スプリングフェスタはこうして開始された。


