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シナリオは、複数のユーザーが参加した結果を描写される小説形式のコンテンツです。
「ヒロイックソングス!」の世界で起こった事件やイベントに関わることができます。

バレンタイン・パニック!

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バレンタイン・パニック!
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「わあ……! 本当にチョコのお風呂だー!」

 リーニャ・クラフレットは、大きなチョコレートファウンテンを見て、目をキラキラと輝かせていた。

「チョコのお風呂、私も入ってみたい!!」

「天使ちゃん、今はレイニィを助けないと」

「っと、そうだった……!」

 宮野 雅子の言葉で我に返り、リーニャは頭をふるふると振った。
 
「精霊さん精霊さん! 私はこれを持ってきたの!」

「これはまた、不思議な形をしたクッキーだな」

 リーニャが精霊に差し出したのは、【ルミマルクッキー】だった。

「精霊さん、どうかな?」

「クッキーの甘さとチョコの甘さの相性が抜群だな。
 それに、さくさくした食感と、しっとりとした食感が両方楽しめる」

「えへへ、やっぱり甘いものと甘いものは最高なの!」

 リーニャは嬉しそうににこにこと微笑む。

「女王様も、よかったらどうぞ」

「へぇ、私も食べてみようかしら」
 
 興味を持ったイドラの女王が、クッキーを手を伸ばす。

「ちょっと待って。これをかけるともっとおいしくなる思うよ」

 そう言って、雅子はとある液体をクッキーにかける。

「今、何をかけたのだ?」

「いいからいいから。食べてみて」

 精霊は、雅子に言われたとおり、チョコをつけてからそのクッキーを一口食べる。

「これは、なかなか刺激的な味であるな……!」

 雅子がクッキーにかけたのは、【ワイバーンドゥルール】だった。
 あまりの辛さに精霊(レイニィ)の顔はどんどん赤くなっていく。

「それじゃ、私はやめておこうかしら」

「女王にもぜひ食べて欲しかったんだけどな」

「遠慮しておくわ。でも、今の精霊の様子を見るのはけっこう面白いけどね」

 辛さを和らげようと、【ワイバーンドゥルール】がかかっていないクッキーをチョコにつけて食べている精霊を見て、
 イドラの女王は楽しそうに笑っていた。




「みんな、いろんな食材を持ってきてるね……。私たちは、どうしよっか」

 睡蓮寺 小夜は、隣に立つ栗村 かたりに問いかける。
 二人は、イベントで使われるキッチンを一時的に借りることができたのだった。

「うーん……せっかくなら、手作りのものをあげるとか!」

「じゃあ、みんなでケーキを作るっていうのはどうかな……?
 西宮さんの実家のケーキを手本にして作れば、きっと笑顔になってもらえるかも……」

「へぇ……ケーキか。それはチョコと合って美味そうだな!」

 小夜とかたりの提案に、睡蓮寺 陽介も賛同する。

「いいんじゃないか。精霊はもちろん、女王や西宮も喜ぶはずだ」

 堀田 小十郎も、口角を上げて頷いた。

「そうと決まれば、さっそく材料を買いに行かないとね」

「そうだな。男子組は材料集めと下準備だ! 小十郎、麦倉、早速いくぜ!」

 麦倉 淳の言葉に、陽介の気合いが入る。
 陽介と小十郎は、それぞれ【エアバイク】に乗って買い出しに行った。

「じゃあ、オレはイクスピナ内で調達してくるよ」

 淳も、イクスピナにあるスーパーへと向かっていった。

「わたしたちは、ケーキを作る道具の準備をしてよっか!」

「うん、そうだね……!」

 かたりと小夜も、ケーキ作りをするための準備を始めた。


 ……しばらくして、買出しに行っていた陽介と小十郎が帰ってきた。

「遅くなって悪かった。これが材料だ」

「ありがとう。これでケーキが作れるね」

 小夜が、淳からケーキの材料を受け取る。

「実は、西宮の実家のケーキ屋で、チョコに合うケーキや作り方を聞いてメモを取ってきたんだ」

 「ほらよ」と言いながら、陽介がメモを取った小さな紙を小夜に手渡した。

「これを参考にケーキを作れば、ぜーったい喜んでくれるよ! よーし、さよちゃんと一緒に作るなの!」

「うん……!」

 小夜は、小麦粉、砂糖、卵、バター……スポンジケーキを作るのに必要な具材をボウルに入れて混ぜていく。
 そして、その生地を丸い型に入れて、オーブンに入れた。
 数十分後、辺りはほんのりとした甘い香りに包まれる。
 かたりは、オーブンからケーキを取り出して、【七変化の炎】で焼いたショコラを乗せる。
 【おいしいヒミツ】で、色とりどりの装飾が施されたミニハットの中から出てきたクッキーやキャンディで可愛くトッピングした。

 こうして完成したケーキを、さっそく精霊とイドラの女王のもとへ届けに行く。

「なんだか、とてもいい匂いがしてきたぞ」

 ケーキの匂いに反応した精霊が、小夜たちがやってきたことに気づく。

「これが俺達の答えだぜ、精霊さんよ!」

 陽介が、【プチマジック】で派手にケーキを渡す。

「なかなかよく出来たケーキだな」

「でも、トッピングはこれだけじゃないよ♪」

 かたりは、ファウンテンのチョコをケーキにかけ、さらに【ジングルシャイニー】と共にきらきらとした砂糖をふりまく。
 精霊は、ケーキを一口大のサイズに切って口に運ぶ。

「ふわふわして甘くて、チョコともよく合うな。褒めてつかわす」

「よかったぁ……」

 精霊の褒め言葉に、小夜はほっと胸を撫で下ろした。

「こんにちは女王。よかったら女王も食べてみないか?」

 小十郎は、切り分けたケーキを女王に差し出した。

「実はこのケーキ、彩の店直伝なんだ。だから、女王も気に入ると思うよ」

 【ここだけの話】を用いて、淳は女王にケーキの秘密を話す。

「この娘の……ふーん。まぁ、そこまで言うなら食べてあげなくもないけど」

 そう言って、女王もケーキを一口だけ食べる。
 その瞬間、女王の目が少しだけ見開いた。

「……へぇ、なかなかおいしいじゃない」

 ぱしゃり、とシャッター音が聞こえて、女王はぴくりと反応する。
 ケーキを食べている女王の姿を、淳はスマホのカメラに収めていた。

「ちょっと、何撮ってるのよ」

「この状況をみんなに見てもらおうと思ってさ。この写真、SNSに投稿してもいいかな?」

「私は別に興味ないわ。勝手にすればいいじゃない」

 淳が投稿した女王の写真には、見る見るうちに「イイネ!」が増えていく。
 中には、『彩ちゃん、戻ってきて!』『ずっと応援してるよ!』といった、彩への応援メッセージも書かれていた。

「西宮……お前には、こんなにも応援してくれてる人がいる。
 願わくば、対極にいる女王を見据え、己の道を探るといい。
 その上で辛い時は……私達を呼べ。必ず力になろう」

 女王を真っ直ぐ見据える小十郎。
 しかし、その言葉は彩に向けられていた。

「悪いけど、この体はすでに私のもの。この娘自身に届いているかは……分からないわよ?」

 ふふっ、と女王は不敵に微笑んだ。
 
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