バレンタイン・パニック!
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リアクション
■チョコレートグルメ
――バレンタインライブ開催前。
「……美味な具材はまだ来ないのか」
チョコレートファウンテンの真上で浮かんでいるレイニィ……もとい、チョコレートファウンテンの精霊は、
まだかまだかとチョコレートファウンテンの具材の到着を待っていた。
「はいはーい! チョコの精霊さん、お待たせー♪」
そう言って精霊の前に現れたのは、【鬼のお面】をつけ【振袖六駆】を身に纏った、
和風幽霊スタイルの空莉・ヴィルトールだった。
チョコの幽霊として【幽霊の演技メモ】を用いた身のこなしは、まるで本物の幽霊のようだ。
「せっかく日本なので! 素敵な和風チョコフルコースをご馳走するよ!」
「ほう、それは興味深いな。では、その和風チョコフルコースというものを、我に見せてみよ」
「じゃーん! これだよ~♪」
空莉は、先ほど買ってきたスーパーの袋から、梅干しを取り出す。
そして、チョコがしっかり染みるように、梅干に切れ目を入れてから精霊に差し出した。
「この食材は、本当にチョコに合う美味な具材なのか?」
半信半疑で梅干しをチョコに漬け、精霊はそれを口に運ぶ。
「むむっ! 甘いと思ったらあとからすっぱさが……! だが、なかなか美味であるな」
「まだまだあるから、いっぱい食べてね」
空莉は、続けて厚揚げ豆腐とみかんを袋から取り出した。
先ほどまで、本当に美味しいのか疑っていた精霊だったが、
今度は躊躇せずに厚揚げ豆腐とみかんをチョコに漬け始める。
「厚揚げ豆腐はまるでスイーツのように……。みかんも酸味と甘みのバランスが最高だな」
「じゃあ、満足したら私と一緒に成仏しようー♪」
「確かに美味ではあったが……まだまだ足りぬな!」
空莉の持ってきた具材を気に入った精霊であったが、まだレイニィを開放する気はないようだった。
「じゃあ、精霊さん……この食材は……いかがでしょう……」
次に精霊の前に現れたのは、三木 里緒菜だった。
「まずは……セブンスフォールで見つけた……エンシェントベリーです……」
里緒菜は、精霊に【エンシェントベリー】を差し出す。
「綺麗な果実だな」
精霊は、【エンシェントベリー】を興味深そうにまじまじと見つめてから、チョコに漬ける。
そして、そのまま口に運んだ。
「チョコの甘さと……ベリーの酸っぱさが……絶妙のハーモニーを……奏でるはずです……」
「確かに、ベリーのぷちぷちとした触感もよいな。それに、チョコととても合う」
「気に入っていただけて……よかったです……」
「……おぬし、手に持っているその袋は何だ?」
「あ……これも精霊さんに……渡そうと思ってて……」
里緒菜は、袋からポテトチップス(塩味)を取り出した。
袋を開けてから、再び精霊に差し出す。
精霊は、どんな味がするのかと少しわくわくしながら、ポテトチップスにチョコをコーティングしていく。
「この具材はしょっぱいが、チョコの甘さを引き立ててくれるな。それを我にもっと寄越すのだ」
「は、はい……。ただ、カロリーが大変なことになるので……食べすぎには……」
「ぱりぱりとした触感がいいな! 気に入ったぞ!」
精霊は、里緒菜が持ってきた具材に夢中になっていた。
「はじめまして、チョコレートファウンテンの精霊様」
「ん、何だ?」
ぺこりと精霊に向かってお辞儀をするのは、空花 凛菜だ。
「よろしければ、こちらもどうぞ」
凛菜も、袋から食材を取り出す。
その食材は、急いで近所のスーパーで購入した食塩だった。
「それは塩だな? しょっぱいものとチョコは合うというのは分かっているが、塩そのものとチョコは合うのか……?」
「ふふっ、まずは食べてみてください」
「自信があるようだな。まぁ、いいだろう」
精霊は、魔法でスプーンを作り出してチョコをすくう。
そのチョコに、凛菜が買った食塩を軽く振ってかけた。
「おおっ、塩も合うな! チョコレートの甘さと塩気のバランスがとてもよい」
「塩チョコレート、私も大好きなんです!」
「これも気に入ったぞ。では、もう一口……」
そう言って、精霊は再びスプーンでチョコをすくい、塩を振りかける。
しかし、振りかけた塩は、チョコの上に山のように盛られていた。
「精霊様、さすがにそれは盛りすぎじゃ……」
「んんんッ!! しょっぱ!!」
凛菜が止めようとするが、塩たっぷりのチョコはすでに精霊の口の中に運ばれてしまっていた。
「塩を盛ればもっと甘さが引き立つかと思ったが、そういうわけではないのだな……!
だが、塩チョコレートも美味であったぞ」
今度は、適量の塩をチョコにかけて食べる。
そのおいしさに、精霊は上機嫌に微笑んでいた。
「精霊様ー! 私も具材を持ってきましたよ」
手を振りながら精霊に近付いていくのは、永見 音萌香だった。
「ほう、おぬしはどんな具材を持ってきたのだ」
好奇心に満ちた瞳で、精霊は音萌香に尋ねる。
音萌香は、なぜか着ていた制服をゆっくりと脱ぎ始め、
下に着ていた【マイクロ風ビキニ】がだんだんと露わになっていく。
そして、音萌香は精霊に向けて胸を突き出すようなポーズをした。
「チョコレートに漬けて美味しいモノ……それはぁ、わ・た・し☆」
「……?」
精霊の頭の上には疑問符が飛び交っていた。
「あら、何をやるのかしら」
イドラの女王も、首を傾げて音萌香を見つめていた。
「押すなよ! 絶対押すなよ!」
音萌香は、ファウンテンの受け口に捕まり、そう叫んだ。
少しバランスを崩せば、すぐにファウンテンの中へ落ちてしまいそうなほど不安定な体勢をしている。
しかし、その背中は「押してくれ」と言っているようにも見えた。
「あら、うっかり♪」
「えっ!?」
――バチャーンッ!!
何者かに強い力で押され、音萌香はそのままファウンテンの中へダイブした。
「良い姿じゃない。なかなか推せるのではなくて?」
音萌香を押した張本人であるイドラの女王は、ニヤリと微笑んでいる。
「舌ではなく目で感じる美味しさ……こういうのもあるのか……」
精霊は、見事に体中チョコまみれになっている音萌香をじっと見つめていた。
――バレンタインライブ開催前。
「……美味な具材はまだ来ないのか」
チョコレートファウンテンの真上で浮かんでいるレイニィ……もとい、チョコレートファウンテンの精霊は、
まだかまだかとチョコレートファウンテンの具材の到着を待っていた。
「はいはーい! チョコの精霊さん、お待たせー♪」
そう言って精霊の前に現れたのは、【鬼のお面】をつけ【振袖六駆】を身に纏った、
和風幽霊スタイルの空莉・ヴィルトールだった。
チョコの幽霊として【幽霊の演技メモ】を用いた身のこなしは、まるで本物の幽霊のようだ。
「せっかく日本なので! 素敵な和風チョコフルコースをご馳走するよ!」
「ほう、それは興味深いな。では、その和風チョコフルコースというものを、我に見せてみよ」
「じゃーん! これだよ~♪」
空莉は、先ほど買ってきたスーパーの袋から、梅干しを取り出す。
そして、チョコがしっかり染みるように、梅干に切れ目を入れてから精霊に差し出した。
「この食材は、本当にチョコに合う美味な具材なのか?」
半信半疑で梅干しをチョコに漬け、精霊はそれを口に運ぶ。
「むむっ! 甘いと思ったらあとからすっぱさが……! だが、なかなか美味であるな」
「まだまだあるから、いっぱい食べてね」
空莉は、続けて厚揚げ豆腐とみかんを袋から取り出した。
先ほどまで、本当に美味しいのか疑っていた精霊だったが、
今度は躊躇せずに厚揚げ豆腐とみかんをチョコに漬け始める。
「厚揚げ豆腐はまるでスイーツのように……。みかんも酸味と甘みのバランスが最高だな」
「じゃあ、満足したら私と一緒に成仏しようー♪」
「確かに美味ではあったが……まだまだ足りぬな!」
空莉の持ってきた具材を気に入った精霊であったが、まだレイニィを開放する気はないようだった。
「じゃあ、精霊さん……この食材は……いかがでしょう……」
次に精霊の前に現れたのは、三木 里緒菜だった。
「まずは……セブンスフォールで見つけた……エンシェントベリーです……」
里緒菜は、精霊に【エンシェントベリー】を差し出す。
「綺麗な果実だな」
精霊は、【エンシェントベリー】を興味深そうにまじまじと見つめてから、チョコに漬ける。
そして、そのまま口に運んだ。
「チョコの甘さと……ベリーの酸っぱさが……絶妙のハーモニーを……奏でるはずです……」
「確かに、ベリーのぷちぷちとした触感もよいな。それに、チョコととても合う」
「気に入っていただけて……よかったです……」
「……おぬし、手に持っているその袋は何だ?」
「あ……これも精霊さんに……渡そうと思ってて……」
里緒菜は、袋からポテトチップス(塩味)を取り出した。
袋を開けてから、再び精霊に差し出す。
精霊は、どんな味がするのかと少しわくわくしながら、ポテトチップスにチョコをコーティングしていく。
「この具材はしょっぱいが、チョコの甘さを引き立ててくれるな。それを我にもっと寄越すのだ」
「は、はい……。ただ、カロリーが大変なことになるので……食べすぎには……」
「ぱりぱりとした触感がいいな! 気に入ったぞ!」
精霊は、里緒菜が持ってきた具材に夢中になっていた。
「はじめまして、チョコレートファウンテンの精霊様」
「ん、何だ?」
ぺこりと精霊に向かってお辞儀をするのは、空花 凛菜だ。
「よろしければ、こちらもどうぞ」
凛菜も、袋から食材を取り出す。
その食材は、急いで近所のスーパーで購入した食塩だった。
「それは塩だな? しょっぱいものとチョコは合うというのは分かっているが、塩そのものとチョコは合うのか……?」
「ふふっ、まずは食べてみてください」
「自信があるようだな。まぁ、いいだろう」
精霊は、魔法でスプーンを作り出してチョコをすくう。
そのチョコに、凛菜が買った食塩を軽く振ってかけた。
「おおっ、塩も合うな! チョコレートの甘さと塩気のバランスがとてもよい」
「塩チョコレート、私も大好きなんです!」
「これも気に入ったぞ。では、もう一口……」
そう言って、精霊は再びスプーンでチョコをすくい、塩を振りかける。
しかし、振りかけた塩は、チョコの上に山のように盛られていた。
「精霊様、さすがにそれは盛りすぎじゃ……」
「んんんッ!! しょっぱ!!」
凛菜が止めようとするが、塩たっぷりのチョコはすでに精霊の口の中に運ばれてしまっていた。
「塩を盛ればもっと甘さが引き立つかと思ったが、そういうわけではないのだな……!
だが、塩チョコレートも美味であったぞ」
今度は、適量の塩をチョコにかけて食べる。
そのおいしさに、精霊は上機嫌に微笑んでいた。
「精霊様ー! 私も具材を持ってきましたよ」
手を振りながら精霊に近付いていくのは、永見 音萌香だった。
「ほう、おぬしはどんな具材を持ってきたのだ」
好奇心に満ちた瞳で、精霊は音萌香に尋ねる。
音萌香は、なぜか着ていた制服をゆっくりと脱ぎ始め、
下に着ていた【マイクロ風ビキニ】がだんだんと露わになっていく。
そして、音萌香は精霊に向けて胸を突き出すようなポーズをした。
「チョコレートに漬けて美味しいモノ……それはぁ、わ・た・し☆」
「……?」
精霊の頭の上には疑問符が飛び交っていた。
「あら、何をやるのかしら」
イドラの女王も、首を傾げて音萌香を見つめていた。
「押すなよ! 絶対押すなよ!」
音萌香は、ファウンテンの受け口に捕まり、そう叫んだ。
少しバランスを崩せば、すぐにファウンテンの中へ落ちてしまいそうなほど不安定な体勢をしている。
しかし、その背中は「押してくれ」と言っているようにも見えた。
「あら、うっかり♪」
「えっ!?」
――バチャーンッ!!
何者かに強い力で押され、音萌香はそのままファウンテンの中へダイブした。
「良い姿じゃない。なかなか推せるのではなくて?」
音萌香を押した張本人であるイドラの女王は、ニヤリと微笑んでいる。
「舌ではなく目で感じる美味しさ……こういうのもあるのか……」
精霊は、見事に体中チョコまみれになっている音萌香をじっと見つめていた。



