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シナリオは、複数のユーザーが参加した結果を描写される小説形式のコンテンツです。
「ヒロイックソングス!」の世界で起こった事件やイベントに関わることができます。

秋の祭典! アイランミーティング!

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秋の祭典! アイランミーティング!

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■ライブで遡上! シャケマルランナップ! 3


 八重崎 サクラもまた、熊との戦いに専念していた。しかしサクラの場合は、「素手で熊を倒すのは武術家にとってステータスですから!」というのが本音であった。
 川に沿って陸をうろつきながら、獲物を探すサクラ。
「――見つけましたよ」
 熊を発見するやいなや、フェスアイス【桃味噌カツパクチー味】を投げて挑発する。熊がこちらに近づいてくると、サクラは不敵な笑みを浮かべて言った。
「さあ、私の武の糧に……いや! レースの邪魔はさせませんよー」
 後半は棒読みになりつつも、サクラは身構える。もちろんなにも手段がないわけではない。無刀術を染み込ませた身体で、熊の攻撃をかわすと、ぎりぎりの間合いで飛び込みカウンター。弱点である鼻を狙う。
「こっちが仕掛けておいてなんですが、撃退させていただきますよ」
 さすが素手で戦いに挑むだけあって、熊の弱点を抑えた戦いぶりだった。

 サクラが熊と戦っている隙に、日下部 穂波はダンスと話術を駆使してぐいぐい進んでいた。実をいうと穂波は、バトルスキルをひとつも装備していないのである。ライブの加速に全振りした作戦で、逃げ切りを図る作戦だ。
「ボクのダンス、応援してね♪」
 不安定なボートの上でハイジャンプやバレエシャッセを繰り広げつつ、ときおり舞台用の脚本のメモから引用した話術をファクトアウトで交え、シャケマルのテンションを上げていく。
「シャケルミーッ!!」
「よーし! いっけーっ!」
 穂波は元気よく声を張り上げた。しかし、そんな彼女の前に、お腹を空かせた熊たちが大量に出現した。
「よーし! もっどれー!」
 くるりと振り返ると、穂波は逆方向に進んでいった。

「うむ。あまり勝ち負けにはこだわらないが、楽しんで貰えるようにパフォーマンスは全力でやろう」
 ウサミ 先輩がアクロバーニングを発動し、川面に炎のアーチをつくった。ファイアボールでジャグリングしながら、めらめらと燃えるアーチの下をくぐっていく。
 水と炎のコントラストに、会場は大盛り上がりだ。シャケマルもすっかり興奮している。
 ライブは順調だったものの、ウサミ先輩もまた大量の熊に捕まってしまう。
「どうやらこの辺りは熊の大量発生地域のようだな。だが――」
 ウサミ先輩は、ナイフをきらんと光らせた。
「愚かな真似をしたものよ。熊ごときが、最強生物たる兎に勝てると思ったか」
 兎が自然界の頂点捕食者になった話など聞いたことないものの、ウサミ先輩は別格なのだろう。彼女の威圧感にたじろいだ熊たちは、じりじりと後退していった。

「飢えた獣よ! 我が雷光を受けよ!」
 天導寺 朱が中二病の演技メモからピックアップした台詞と共に、ボルトバレットを放った。相手の熊が怯んだのを見て、朱は魔法のオルガンで荘厳な曲を奏でつつ、またしても格好いい台詞を言う。
「我等の進む前に立ち塞がる不届き者は、我が裁きを下す! 汝らはただ前を向いて邁進すればよい!」
「シャケルミーッ!」
「我が使い魔達よ! この青き星の奔流に抗い、逆らい、乗り越えるのだ! 我等が覇道を行く為に!」
「シャケルミーッ!」
 熱に浮かされたようにボートを押し続けるシャケマルたち。ちなみに朱のボートに集まったシャケマルたちは皆、眼帯をつけたり胸ビレに包帯を巻いたりしていた。


「……おいっ! なんで俺様のはスピードアップしないんだよ!」
 サイバネティック 天河はパフォーマンスが不発だったため、シャケマルのやる気を引き出すことができず、すっかり出遅れていた。
 しかも項垂れているうちに、いつの間にか天河の背後には、見上げるほどの巨大熊が立ちはだかっていた。絶体絶命のピンチ――なのだが。
「ふふふ」
 なぜか天河は笑っていた。
「これは大自然……森羅万象……全宇宙からの! 俺様への挑戦と受け取った!!」
 勝手にスピリチュアルな宇宙を感じ取った天河は、コズミックストラグルで巨大熊に挑んでいき、あっさりと返り討ちにされ、そのままボートごと吹っ飛ばされていった。
「ぬ、ぬわーっ!?」
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