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シナリオは、複数のユーザーが参加した結果を描写される小説形式のコンテンツです。
「ヒロイックソングス!」の世界で起こった事件やイベントに関わることができます。

秋の祭典! アイランミーティング!

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秋の祭典! アイランミーティング!

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■ライブで遡上! シャケマルランナップ! 2



「オレ的には睡眠の秋だが、食欲の秋ってのもわかる……」
 のらりくらりとボートを進めていた火澄 悠が、ふと雰囲気を変えた。
「ここは勝ちに行くとするか……」
 泳ぎ疲れたシャケマルをハイパーバトンタッチで応援すると、他の仲間と交代して絆をアピールする。背後には爆発の演出で緊張感を高め、速度アップを図っていた。
「私のダンスで、シャケマルたちも元気になってね!」
 小柄でかわいい元気娘世良 延寿は、得意のダンスでシャケマルを応援している。
 クラッピングベルをしゃんしゃんと振って、楽しいリズムを刻む。その音色を聴いたシャケマルだけでなく、観客までもがつい踊るように身体を揺すっていた。
 延寿はベルを鳴らす音をどんどん速くしていき、シャケマルたちを段階的に加速させていた。

 アイドルらしいライブで盛り上がるなか、渋谷 柚姫はといえば、一風変わった手段を取っていた。
 柚姫は陽気:水妖化を使って魚のように尾ひれを生やし、シャケマルと一緒にボートを押していたのだ。
「魚っぽいほうが、親近感あるでしょ」
「シャケルミーッ!」
 アイドルと一緒に泳ぐというのは、シャケマルにとってこの上ない経験だった。ネイティブ・コラールで応援歌まで歌って貰ったシャケマルたちは、大興奮して柚姫のボートを押しまくった。
 そんな彼らの前にも、やはり魔の手が忍び寄る。シャケマル遡上レースの天敵――野生の熊たちだ。
 熊は水妖となった柚姫まで狙っていた。
「わあっ」
 柚姫は熊の攻撃をひらりとかわしながら、どうしたものかと考えた。ボートに乗って誰何心眼を使い、木刀で応戦するという手もあるが、不安定な足場で戦うのは分が悪そうである。
「このまま突っ切っちゃおう」
「シャケルミーッ!」
 柚姫は水にもぐったまま、シャケマルたちといっしょに、ばしゃばしゃとボートを押していった。
 対する延寿は、踊るようにしてヴェントエッジでかまいたちを飛ばしていく。トリックスラッシュによるフェイントを、ダンスの一部に組み込みつつ、熊たちを牽制した。
「きみたちを傷つけるつもりはないよ! だからちょっとだけ、大人しくしててねっ!」

「……熊は同じく冬眠を愛する同志だ」
 悠もまた、なるべく傷つけないように熊の足元めがけて炎弾を放っていた。背後に風の衝撃波を放つことで、熊を牽制しつつも、ボートを加速するというテクニックも駆使している。
「今は退くといい……。優勝したら賞品で腹いっぱい食わしてやる。健やかに冬眠させてやるぜ……」
「熊の冬眠期間はだいたい四ヶ月から六ヶ月。ただし、まれに冬眠しない熊や、冬眠に失敗する熊もいる」
 宮古 翡翠が【雑学披露】して、シャケマルを喜ばせていた。
「――ちなみに、熊に遭遇したとき死んだフリをするのは駄目。正しい撃退法は、気道と繋がっている鼻を狙うこと」
 そう言って翡翠は、マナ・バレットを熊の鼻めがけて発射した。つづけざまエアリングの衝撃波で連続攻撃する。弱点を狙い撃ちしたのが功を奏し、熊は「ぐぅぅ」という唸り声を上げて撤退していった。
 その後も彼女は、次々と熊の鼻に衝撃波を打ち込んでいく。他のアイドルたちがライブに専念できるよう、援護に徹する翡翠であった。
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