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シナリオは、複数のユーザーが参加した結果を描写される小説形式のコンテンツです。
「ヒロイックソングス!」の世界で起こった事件やイベントに関わることができます。

ロイヤルな夏!王宮パーティ×王様の休日!

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リアクション

舞踏会の夜も更けて


 夜が深まるにつれてぎこちなかった雰囲気も徐々に緩み、人間と『異なる人々』も共に踊る者も出てきた。
 笑顔が増え会話が聞き取りにくくなって来た頃、バルコニーへ続く扉が開け放たれた。
 扉を開けたルティア・オルコットがフェアリーマイクを握り、
「只今より『ブレイブ・リッターズ』による虹のアクロバットショーを開始いたします」
 言って邪魔にならないように下がる。
 バルコニー中央に立つアーヴェント・ゾネンウンターガングの【王城の礼儀】に則った一礼に視線が注がれる。
 両隣には合歓季 風華水鏡 彰がいたが、続いて風華も同じように一礼すると、幼生神獣のオキエルと共に透き通るような【クリアボイス】を【神獣共鳴】させ、歌った。
「私たちブレイブ・リッターズ。今宵披露しますは空中演舞『虹の生まれる日』。遥々集いし皆さまの絆、虹のごとく一筋になりますよう!」
 声と共に白ロリィタのスカートがふわっと浮き上がった。【神獣覚醒】によりオキエルが一時的に成長し、彼女を空に運んだのだ。
 アーヴェントも彰も【フライング】で夜空に向けて飛ぶ。三人が纏った【レインボーマイスター】の虹の軌跡が夜空に描かれていく。
「始まりまして、下向き開花となります」
 視線が夜空に奪われている間、ルティアも【神獣覚醒】で自身の幼生神獣に乗り空を飛び、目立たないところで司会を続ける。
 飛び上がった三人が一直線に降下、急上昇する。伏せた花が夜空に咲いた。
「円を描きます」
 三方向に別れた三人が時計回りに虹の尾を追いかければ、円が繋がった。次に円を狭めて反時計回りにもうひとつ小さな円を作る。
 そして円の周囲を飛び回り花弁を描く。
 バルコニー周囲から、側の窓から見上げる観客の間から歓声が沸いた。
 描き終えた時、風華と彰が左右に別れ、アーヴェントがその場を遠く離れる。
「続きましてハートを描いて中央を突き抜ける、ハート&アローで締めくくりたいと思います」
 ルティアの司会を合図に風華と彰はそれぞれ飛び上がり、ハートの半分を描いていった。ルティアも目立たぬようハートの中央へ飛んでいく。
 二人が上昇してハートを描き終えた時、アーヴェントがその中央目がけて全力で直進する。
 エンシェントアミュレットのマナの光が強く輝き矢じりとなり、虹の尾が矢筈まで形作る。
 虹の矢がハートを貫く。
 そしてアーヴェントは待機している風華を抱き留め、お姫様抱っこしたままゆっくりとバルコニーに降下する。
 彰も同じようにルティアをお姫様抱っこをして降り立ち、決め台詞を叫んだ。
「我々はブレイブ・リッターズ! この世に生きる命に、虹のハートを!」
 観客の間から大きな拍手が沸き起こった。
「素敵な演目をありがとうございました」
 いつの間にか見物していたリンアレルが四人に礼を言うと、春瀬 那智が手を差し出した。
「今度はリンアレルにライブを聞いて欲しいんだ。月の奏者と星の歌姫からの祝福を、どうぞ最後までお楽しみ下さい……なんてな?」
 那智の視線の先には志良堂 円と彼のパートナージュヌヴィエーヴ・イリア・スフォルツァがスタンバイしていた。
「折角のライブ、最前列で見ねーと損だろ。……ほら、お手をどうぞ?」
 【王城の礼儀】でそつなく【ロイヤルエスコート】して、彼女たちの前に連れていく。
 円はリンアレルを見つめ、クレセントチャーム(オーバーチャーム)をきゅっと握りしめ心を落ち着かせていた。
(……わたしは“月の奏者”。星と共に、暗闇の中で輝くもの。不安な気持ちに寄り添い、あたたかく照らすもの。……大丈夫。きっと……素敵なステージに、出来る)
 一息吸うと、空中に展開した【エアロポルタティフ】で伴奏を弾き始める。【ベーシックリズム】でリズムをしっかり取り、【キャッチーフレーズ】で印象的に弾く。
(リンアレルに最高の音楽を……届けるわ。たくさんの幸福が……訪れますように)
 円の伴奏に導かれて、ジュヌヴィエーヴが歌い出す。
 フェアリーマイクから【ピクシートーン】の高音域の声が広がっていく。
 【カットライト】で側の光源を一つ消して周囲をほの暗くする。
 手から光が広がった、と思うと演出用屑ジェムがきらきらと夜空の星のように輝いた。
 【ピクシースピリット】による現れた幻影のピクシーたちが、楽し気に二人の周りを踊る。
(わたくしは“星の歌姫”。どんなに深い夜の中でも月と星が共に寄り添い、輝くように、リンアレル様が不安な時、わたくしたちの音色が心を照らし、共にありますよう)
 リンアレルが、彼女への感謝と祝福を込めた歌をじっと聞いている間、那智はその楽しそうな横顔を見つめていた。
(いきなり王になって、これから毎日大変だと思う……クロシェルの事もあるしな)
 今だけでも楽しんでくれているようで良かった、と思う。
(王である前に、リンアレルも俺達の「友達」なんだから、さ)
 リンアレルは那智の視線に気づいたのか見返した。
「素敵なライブをありがとうございます」
 それから周囲を示すように視線を動かす。つられて那智も見回した。
「……舞踏会に参加してくださったアイドルの皆さんに、私も感謝しています。きっと他の国民も。
 だって、こうして人々が心を通わせることができたのですから……」
 大広間には確かに、笑顔があふれているのだった。
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