イラスト

シナリオは、複数のユーザーが参加した結果を描写される小説形式のコンテンツです。
「ヒロイックソングス!」の世界で起こった事件やイベントに関わることができます。

超耐久ライブ×団結サバイブ!

リアクション公開中!
超耐久ライブ×団結サバイブ!
  • 超耐久ライブ×団結サバイブ!

リアクション

 もうそろそろ東の空が明るくなろうかという時間帯、観客の疲労はピークに達していた。
「あ~、だりぃ……」
「頼む、疲れがポンと取れるライブを……」
 まるで砂漠で水を求めるが如く、観客がステージへと震える手を伸ばす。

「銀河警察、出動!」

 と、そのダレた空気を一閃するような声が響き、スクリーンに露出の高いスーツを身に着け、ヘッドギアを被った少女が地球に向けて飛び立つシーンが描写される。観客が目を覚ましたように立ち上がると、ステージにはタンクトップとショートパンツ姿の、スクリーンに映る少女と瓜二つの八重崎 サクラが上がった。
(この歌で、皆さんの元気を再び取り戻してみせます!)
 スクリーンに地球を侵略しようとする怪人との戦闘シーンを映しながら、そのイメージソングとして作った歌を歌うサクラ。アップテンポのダンスナンバーに、小柄ながら立派な大きさを誇る胸や程よく肉の付いた脚を見せつける動きを交えたダンスで若者の多い観客席にアピールする。
「いいね~! やっぱこうでなくちゃ!」
「サクラちゃんこっち向いて~!」
 観客の声援に応えるように手を振り、手拍子を要求して盛り上がりを高め、ラストで爆発させる。

 満天の星の絨毯の上で 捕まえてあなたのオンリーワン

 『オンリーワン』のところで指で銃の形を作り、観客席に撃ち込む仕草を決めたサクラへ、観客から大きな拍手と歓声がもたらされた。


「ねみぃ……オレはもう、ダメだ……後は、頼む……」
「おい寝るな、寝たらライブは、ライブはどうなる?」
 寝落ちしそうな友人を叩き起こそうと隣の友人が揺さぶったところで、ステージから爆音と燃え盛る炎が生まれた。
「はぅあぁ!? な、なんだ!? 何が起こった!?」
 突然の事態に驚いた観客がステージに注目すれば――。

「ヒャッハー!! 燃えろぉ! 熱血だぁ!」

 炎の中心でウサミ 先輩が両手を挙げ、観客に訴えていた。
「な、なんだアレは!?」
「ウサギの着ぐるみ、腹には『先輩』の文字……新手の怪人か!?」
「怪人とは失礼だね! ウサミ先輩はむしろヒーロー側だよ!」
 観客の呟きにツッコミで返して、コホン、と一息ついて、同じくステージに立った宇佐見 蘭子に呼びかける。
「蘭子、ド派手にかましてやろう!」
「はーい! みんなー、ここからは【ウサミブラザーズ】のライブの時間だよ!
 眠いって人も寝ちゃった人も起こしちゃうから、覚悟してねー!」
 熱血系ヒーローアニメに使われそうな音楽に合わせて蘭子が熱唱し、ウサミ先輩が着ぐるみ姿からは想像できない華麗なダンスを披露する。

 今だ決めろ! 無敵の必殺技!

 その部分を歌い上げた蘭子がマイクのスイッチを押すと、ピカピカと光り出すと共にまるで必殺技を撃ったかのような効果音が流れ、会場を盛り上げる。
「どうだ、まいったか!」
 最後にウサミ先輩が見せつけるようなポーズを決めると、観客は白旗の代わりに盛大な拍手を送った。


(観客には若者が多い。では……このサウンドを聞かせよう)
 ループゼロ・ペアの指先が流れるように光を放つ鍵盤を操り、スピーカーからエレクトリックサウンドを流す。ループゼロがチョイスしたのは『ビッグルーム』と呼ばれるサウンドで、bpm125~130の四つ打ちを基本とした大きな部屋に響くようなサウンドだ。
「ヘイヘーイ!」
「なんかこう、ノレるサウンドだな!」
 EDMのことをよくは知らない若者でも、その音楽が身体を揺さぶるものであることは感じられるようで、観客は思い思いに身体を動かして気分を高める。
(場の雰囲気を最高潮に持っていき、そこからこのサウンドで徐々に静めていく)
 ループゼロが目の前のシンセサイザーを操作すれば、今度はスピーカーから同じ四つ打ちを基本とした、しかし先程のサウンドとはまた趣きの異なる『プログレッシブ・ハウス』と呼ばれるサウンドを響かせる。
「お? サウンドが変わったぞ」
「少し落ち着けってことかな」
 観客もその違いくらいは分かったようで、先程までの短時間に激しく動くような動きから、長い時間動くような動きに変化していった。
(さあ、後はこの安らぐ環境音楽をバックに、翡翠へ繋げよう)
 ループゼロが時計を見る、今は4時半になろうかというところ。
(中盤戦が終わるのが5時。最後の30分は、安息の時間としよう)

 ステージに椅子を置いて座った宮古 翡翠が、安らかな音楽を背景に『睡眠と疲労』をテーマとした知識を披露する。
「ライブ開始から17時間、そろそろ疲れもピークかと思います。私の話は5時まで続きますが、疲れた人や興味のない人は寝てしまってもいいですよ」
 そう告げた翡翠が、聴覚に刺激を与えぬ配慮がなされた抑揚のない穏やかな語り口で話し始める。
「寝てしまってもいいと言われて寝るやつがスヤァ……」
 流れる音楽と翡翠の語りに、観客は次々と抗い切れず眠りに落ちていった。PRESENT SMILEメンバーも彼らと同様に、眠りへの誘いに乗る形でスヤスヤと眠ってしまっていた。
(無理は、させたくないものね。5時までお休みなさい……)
 静かになったステージで、翡翠がそっと微笑んだ。
ページの先頭に戻る