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シナリオは、複数のユーザーが参加した結果を描写される小説形式のコンテンツです。
「ヒロイックソングス!」の世界で起こった事件やイベントに関わることができます。

超耐久ライブ×団結サバイブ!

リアクション公開中!
超耐久ライブ×団結サバイブ!
  • 超耐久ライブ×団結サバイブ!

リアクション

「まずは皆さんに、金太郎のお話を聞いてもらいたいと思います。金太郎は皆さんもよくご存知ですよね。
 ……熊と相撲勝負で勝つほどの力自慢の金太郎は、その力を認められ家来となります
 舞台の端に座り、梓弓 莉花が本を開いて『金太郎』の童話を読み聞かせる。内容はよく知られたものであったが、莉花の特別な抑揚による話術が観客へ、これからどうなるのだろうかという期待感を抱かせる。
……その頃都では、鬼がたびたび現れては悪事を働いていました。
 あら、本にインクが――きゃあ!」
 莉花が本を覗き込むような仕草を見せた直後、まるで本から飛び出したかのように十和戌 光清水谷 原三が姿を現す。二人の姿は先程まで莉花が話していた童話に出ていた鬼のようであった。
「ここはどこなのっ? わぁ、なんかたくさん人がいるなの!」
 光がふわり、と宙に浮きながらくるり、と身体を回し、自分の周りに小さな炎を生み出して躍らせる。幼い姿でありながら炎を自在に出現させては操る姿に、観客はまるで本物の妖を見たような錯覚に陥る。
「ふはははは! 今日はどいつから喰らってくれようか!」
 舞台の中央に立った原三が刀を突きつけ、観客を見回す。まるで自分が獲物として捕らわれてしまうのではないかと思わせる原三の演技に、観客は本気で襲われることは無いと分かっていても身震いしてしまう。
「た、大変! 本の中から鬼たちが出てきちゃった! どうしましょう……」
 混乱から復帰した莉花のその言葉を合図として、エリサ・アーシェリリエ渋谷 柚姫が続けて舞台に立った。
「二人とも、本の中に戻りなさい!」
「大人しくしなさいね?」
 柚姫は神に祈りを捧げる司祭の姿で、エリサは遺跡を調査する冒険者の姿で対峙する。
「もやしてからばりばりとたべちゃうぞーなの!」
「折角の外の世界、派手に暴れさせて貰うのじゃよ?」
 光も原三もそんな二人に動じることなく、それぞれ持っていた得物を構えて戦闘態勢に入る。暫くのにらみ合いの後、原三がまず先に動いて刀で柚姫へ斬りつける。
「はあっ!」
 柚姫はその攻撃を、構えた盾で防ぐ。
「やるのぅ! だが防いでばかりでは、わしを倒すことはできぬぞ!」
 攻撃を防がれた原三が、しかし次の攻撃を繰り出す。対して柚姫は反撃もままならず、攻撃を防ぐので手一杯の様子だ。
「まずはおねーちゃんから、いただきます、なの!」
「そう簡単にやらせると思わないことです」
 一方では光が周囲に炎をまとい、それをまとめてエリサへ飛ばす。この攻撃に対しエリサが刃のない柄を振れば、炎が二つに割れてかき消され、観客から驚きの声が上がった。
「わあ、すごいの! でもまだまだたくさんあるの!」
 光が次々と炎を生み出してはぶつけ、エリサがそれをかき消す。暫くは拮抗した様子を見せていた二人の戦いだが、徐々に光の炎がエリサに近付いていく。
「ああっ!」
 そしてついに、炎のひとつがエリサの持っていた柄を落とした。直後には原三の剣戟に耐えられなくなった柚姫が盾を弾かれ、エリサと共に舞台の中央に崩れ落ちる。
「よく戦ったが、これまでだ。酒の肴となれぃ!」
 原三が刀を構え直し、光が炎を揺らめかせる。
「危ない! ……こうなったら歌で、鬼たちに思い出させてあげましょう。みなさんもお願いします!」
 エリサと柚姫のピンチに、莉花が空中に半透明の鍵盤を出現させ、鍵盤を操って音楽を奏でる。
「この音楽は……うん、わかった!」
「思い出しなさい、あなた達の帰るべき場所を」
 柚姫とエリサが音楽に合わせて歌い、観客もエールを送る。トドメを刺そうとしていた光と原三は流れてくる音楽に動きを止め、やがて憑き物が落ちたかのような仕草を見せて言った。
「む、なんだこの歌は――う、うおおぉぉ!!
 ……そうか、この世界はわしらが住む世界ではないようだ」
「そうなの? じゃあかえらなくちゃなの。ばいばい、なのっ」
 光が観客へ手を振りながら、原三が堂々とした立ち振る舞いで、舞台の奥へと消えていく。
「ふぅ、なんとかなった……けど、これでお話も元通り、だね」」
「一時はどうなることかと思いましたけど、終わりよければ全てよし、ですね。
 これも皆様のおかげです。ありがとうございます」
 柚姫とエリサが観客へ向けてお礼をして、そして二人も舞台の奥へと引き上げる。最後に莉花が元通りになった本を開いて中断されていたお話を最後まで読み聞かせる。
……故郷に戻った金太郎は、また熊と相撲を取ったりしながら、平和に暮らしました。
 これでお話を終わりにします。皆さん、最後までご清聴ありがとうございました」
 莉花が本を閉じると、それを合図として出演者である光、原三、エリサ、柚姫が再び舞台に立ち、莉花と揃って礼をする。
 そして観客席からは、盛大な拍手がもたらされた――。


「キャーーーッ!!」
 突如観客席の間で、悲鳴が響き渡った。

「このイベントも終わりだ! なぜならこの私、怪人ホナミンが来たのだからな!」

 観客席では、狐の仮面を被り黒装束を身にまとった日下部 穂波が『怪人ホナミン』として、子供を抱きかかえ今にもさらおうとしていた。
「おかあさーーーん!」
「ああっ、誰か、誰か助けてください!」
「助けを呼んでもムダだ! さあ大人しく私の実験台になるのだ!」

「昼下がりを荒らすうつけ者、怪人ホナミン! お主の好きにはさせない!」

 その時舞台から声が響き、次いで侍の姿をした麦倉 淳が現れた。
「拙者はひだまり侍・麦ノ進! 和みの一時を荒らす者は成敗する!」
「ふざけた名前と格好をしおって、私を成敗するだと! 冗談も大概にしてもらおうか!」
 怪人ホナミンが子供を一旦地面に立たせ、麦ノ進の待つ舞台へと飛び上がる。そして抜いた武器――まるで全体が光り輝いているように見えた――を振るい、麦ノ進と斬り結ぶ。
「どうした? お前の力はその程度か!」
「くっ、強い――ぐあぁ!」
 何度か刃を合わせる音が響き、そしてそれまで懸命に舞うように避けていた麦ノ進がついに怪人ホナミンの一撃を浴び、その場に崩れ落ちた。
「口ほどにもない、これで終わりだ!」
 怪人ホナミンの振り上げた武器がいっそう煌めき、麦ノ進が苦い顔を見せながら観客へ訴える。
「どうか、丸く光る獣の応援を……! 力を、拙者に……!」
 その声に子供とその家族が、用意されたルミマルを光らせて応援する。
「麦ノ進、がんばれー!」
「負けるなー!」
「お、おぉ……! 皆の応援が、拙者に力を奮い立たせてくれる……!」
 そしてその応援を受け、麦ノ進が再び立ち上がった。手にした刀からは怪人ホナミンのよりも強い輝きが放たれていた。
「な、何!? 声援によって力が増すだなど――」
「怪人ホナミン、覚悟!!」
 たじろぐ怪人ホナミンへ、麦ノ進が光を散らしながら刀を振るい、生じた閃光が怪人ホナミンに炸裂する。
「ぐわああぁぁ!!
 今日の所はこの辺で勘弁してあげよう、けれど、次はないと思ってよね!」
 攻撃を受けた怪人ホナミンの周囲に煙幕が生まれ、その煙幕が晴れた時には怪人ホナミンの姿は消えていた。
「怪人ホナミン、次にお主が何を企もうとも、拙者が成敗してくれる」
 刀を納めた麦ノ進が誓いの言葉を口にして、舞台を締めくくる。
 ――そして、並んで観客席へ礼をした穂波と淳へ、子供たちの歓声と大きな拍手がもたらされた。
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