超耐久ライブ×団結サバイブ!
リアクション公開中!

リアクション
ステージにユニット【ドライ・リヒト】のメンバーが上がり、三人それぞれにスポットライトが当たる。
「3つの光の響宴、とくとご覧あれ」
まず語りを入れた龍崎 宗麟が落ち着いた曲調の中、観客に凛々しく映るステップでステージを回り、色造 空と向かい合う位置に移動する。
「さあ、お姫様の登場だ。拍手で出迎えてあげてくれ」
空が作り出したシャボン玉の中、二人の間を甘味 恋歌が進み出、観客に向かって優雅に一礼する。
「皆さまにどうか、楽しんでいただけますように」
淑女の笑みを向けた恋歌が、曲に合わせて透き通った歌声を披露する。
深い深い森の中 小さな国のお姫様
背中に付けた小さな羽がぱたぱたと舞い、まるで妖精の国のお姫様といった佇まいだった。
「ここからはテンポを上げていこう」
歌が一区切りついたところで、空がシャボン玉を作っていた小道具をしまうと、それを合図として流れる曲が落ち着いたものから陽気なものへと変化する。
「実は今日、吾輩の友人も応援に来てくれたのだ。だがここに来るまでに疲れてしまってな。
姫、この者に魔法をかけていただけないか」
「分かりました。……えい!」
空が取り出した二体の人形に、恋歌が魔法をかける。指先からパチッ、と火花が散り、やがて静止していた人形がむくり、と起き出して音楽に合わせて踊り出す。
「はは、友人も楽しんでいる。さあ、皆も一緒に!」
くるくると回る人形の間に立ち、空も一緒になって踊る。彼の纏う衣装に付けられた宝石が曲に合わせて明滅し、会場を盛り上げるのに一役買った。
「陽気な時間はあっという間に過ぎ、辺りに夜の闇が落ちる。
昼間の穏やかな雰囲気とは違い、荒々しい獣の雄叫び、そして空には巨大な竜が羽ばたく」
そして音楽が途切れ、再び宗麟が語りを入れた後、今度は激しいアクションを交えたダンスを披露する。空の奏でる音楽と恋歌が発する火花が、二人の周りで踊る宗麟のターンやキックに被せられ、迫力を生み出す。
「とうっ!!」
最後に宗麟がバク宙を行い、右手を横にスライドさせてからの左手を曲げてガッツポーズを決めると、彼の背後に稲妻が出現した。
「夜闇を斬り裂く竜の咆哮! DraGO! リントヴルム!」
ライブの最後に恋歌が、自分と空、宗麟の頭上に星を描く。
「ご鑑賞いただき、ありがとうございました」
「舞台上で輝く三星、【ドライ・リヒト】をよろしくな!」
観客へ笑顔を送った空へ、恋歌と宗麟へ、観客から惜しみない拍手が送られた。
ステージから、子供の頃に一度は必ず聞いたことがあるであろう音楽が流れ出す。
「そうです、皆さんもよく知っている、あの体操の歌です。
後半戦始まりましたが、まだ眠いという方も居ると思います。ですのでわたしたちと一緒に、朝の体操をしませんか?」
ステージに立った氷華 愛唯が、マイクではなく拡声器で観客に呼びかける。
「なんか、昔を思い出すねぇ」
「いやあ面白い。ちょっとやってみようか」
そのパフォーマンスが特に親世代や、スカイタワー関係者にヒットし、徐々に雰囲気が体操の流れへと傾いていった。
「まずは体操の前に、少し声を出していきましょう。わたしたちと一緒にさん、はい!」
愛唯が観客を先導するように歌い、その左に氷長 雪兎が電子化されたオルガンで伴奏を行い、自身と対称の位置に立った小鈴木 あえかと息を合わせてのコーラスを被せる。
「お客様……乗って、くれてる……嬉しい……」
「それ、ワン、ツー、スリー!」
歌が終わり、演者と観客がそれぞれ拍手で互いを称え合う。
「では、いよいよ体操の時間です。
皆さん、腕を大きく振って、背伸びの運動から始めましょう」
続いて体操の時間となり、愛唯が発する声に雪兎が音を合わせ、あえかが実に美しいお手本を見せて観客と一緒になって体操をする。
「いち、にい、さん、し……。はー、なんだかすごく目が覚めるよ!」
ステージの脇で同様に体操をするPRESENT SMILEメンバーも、そして観客も表情に活気が満ちていた。
「プレスマさんも、お客様も……この後の、フィナーレ……バッチリ、楽しんで」
「元気になりましたか? もしお客様の中でどうしても、という方が居ましたら、わたしたちあちらの救護テントに控えていますので、気兼ねなく訪れてください」
最後に雪兎がPRESENT SMILEメンバーと観客へメッセージを送り、あえかが救護テントの方を指して気遣いを見せると、観客から三人へ温かな拍手が送られたのであった。
「小十郎の今度の演武は二刀か……武蔵の国繋がりだな!」
「……いや、そういうつもりではなかったが。それに武蔵国と宮本武蔵が結びつくのだろうか」
「なんだ、違うのか? でも客は二刀と来たら連想するのはやっぱソレだろ」
「ふむ、それは理解できるが……」
ライブ前、睡蓮寺 陽介のかけた言葉に堀田 小十郎が考え込む仕草を見せる。
「いいじゃねぇか。要は観客が楽しめれば、それで言いっこなしだぜ。
眠気をぶっ飛ばすくらいキレッキレな演武にしようぜ!」
ハハハと笑って、陽介がステージの演出用意のために出ていった。
「……陽介らしいな」
「あ、えっと、十くん」
陽介の背中を見送った小十郎が、かけられた声に振り向けばそこには睡蓮寺 小夜の姿があった。
「演武、がんばって。……わたし、十くんが今日のために二刀の演武を毎日練習してたの、知ってるから」
「ああ、ありがとう。小夜も陽介と一緒に演出を手伝ってくれるのだろう? 私も二人の厚意に恥じぬ演武をすると約束しよう」
応援の言葉を送った小夜が、陽介に続いてステージの演出用意のために出ていく。
(強化イベントに興味はあったが……私が示したい武はこちらにある。
まだまだ未熟な私だが……スカイタウンの皆に私の人生を見てもらおう)
決意を固めた小十郎へ、ステージの準備が整った旨が伝えられる。
(よし、行こう)
ステージに立った小十郎を、まるで太陽の光のような灯りが照らす。幻想が辺りを包む中、小夜の発する透き通った声が朝の目覚めを告げ、眠りに落ちようとしていた観客を呼び戻す。歌はしばらくの間続き、観客の注目がステージに集まったところで、小十郎がそれぞれの手に一刀を握り、構えを取る。
『――――!!』
振られた刀のそれぞれから、音叉のごとく張りつめた音色が響く。風をまとった小十郎の身体は軽やかに、それでいて力強く動いて神速の斬撃を生み出す。剣が振るわれるたび吹雪が舞い、それも擦れ合って旋律として仲間に加わる。
(いいぜ、練習の時より、ノッてる。これは演出にも気合が入るぜ!)
陽介が合図を送ると、灯りをもたらしていた提灯が燃え出し、より強い光を生み出す。
(いつも勇気をもらっている私だから……今日くらいは頑張っている人を応援しよう……!)
小夜の想いがこもった歌声が小十郎と、彼の演武を真剣に見つめる観客へ癒やしを与える。
『――――!!』
ひときわ強い音色を響かせ、小十郎の二刀が空を斬る。ゆっくりと息を吐いた小十郎が剣を収め、観客に向かって礼をすると、そこでようやく思い出したように観客は拍手を送り、歓声をあげるのであった。
体操、演武と身体を動かすライブが続いて、そして次にステージに立った鈴木 太郎のライブは、まさに『筋肉ライブ』と呼ぶべきものだった。
「おぉ、筋肉すげぇ……」
「いや脇腹まで筋肉ついてるのやべーだろ。あれじゃボディ効かねぇぞ」
筋肉を魅せつける太郎へ、深夜明けのハイテンションも手伝って賞賛の声が上がる。
(観客の反応がいい……よし、みんながしっかり築き上げてきた勢いを引き継げているみたいだ。
この調子でライブを盛り上げていきたいな)
観客の反応に調子を良くした太郎が、より熱く、さらに熱く、途方も無く熱く筋肉を隆起させる。その熱に会場がヒートアイランド現象を起こして気温が上昇する中、
(……ここだ! ここでギャップを狙う!)
一瞬のチャンスを逃すまいと、太郎が観客の度肝を抜く場所から鈴を取り出すと、
『チリーン』
鳴らした。
『○○✕✕△□☆★!?!?!?』
それが見事導火線となり、会場は未曾有の盛り上がりに包まれる。
(決まった……!)
両腕を高く突き上げ、太郎が感動の涙を流す――。
(フッ……ライブ時間も残りわずか。プレスマも観客も疲労が溜まっている。
ここで勝負を仕掛け、勝負の体を装ってハーレムを成し遂げる! やはり俺は天才だ)
涼しい顔をしてそんな企みを抱いた死 雲人が、早速PRESENT SMILEのところへ行き、「俺とどちらがお互いのライブをサポートできるか勝負だ」と宣言する。
「うーん、よく分からないけど勝負を挑まれたからには受けて立つよ!」
光凛が雲人の言葉を買い、ここに真剣勝負が成立する。
(やはり判断力が相当鈍っているな。俺と共に踊り、そして俺のハーレムになるがいい!)
勝利を確信した雲人がやはり涼しい顔のまま、下種な笑みを心に浮かべた――。
しかし現実には予想外というものが存在する。
ひとつ、お宝チェックで人の体調まで見抜くのは無理があること。
ふたつ、プレスマメンバーは結構な頻度で休憩を入れることができていたこと。
みっつ、直前に筋肉ライブが行われていたこと――。
「ぐはっ……」
雲人がステージに突っ伏し、勝敗が決する。
「勝ったー!」
光凛が両腕を高く突き上げ、勝利の喜びに浸る。……勝負は途中までは雲人の思い通りになったが、最後何故かシンクロ速度が徐々に上がっていき、雲人の方がついて行けなくなって倒れてしまったのであった。
「お、俺は天才のはず……何故だ……」
敗北の原因を見いだせぬまま、雲人はそのまま意識を失い救護テントへ運ばれていった。そして勝者であるPRESENT SMILEへ盛大な拍手が送られる。
「……これって結局何の勝負だったのかな?」
「なんでしょうー。楽しかったのでいいのではないでしょうかー」
「……やりきった」
PRESENT SMILEメンバーが声援に応えているところへ、朝方にフェイトスターアカデミーを発った撫子がライブ会場へ到着を果たした。
「あっ、撫子ちゃん、お疲れさま! 到着おめでとう!」
光凛が労いの言葉をかけたちょうどその時、時計が13時を知らせる。会場に集まった観客の視線が、ステージ上のPRESENT SMILEメンバーへと向けられる――。
「25時間ちょーーー耐久ライブ、終了ー!
みんな、楽しんでくれたよねー!」
観客が一番の歓声で応え、そして盛況の内に25時間ライブは幕を下ろしたのであった。
「3つの光の響宴、とくとご覧あれ」
まず語りを入れた龍崎 宗麟が落ち着いた曲調の中、観客に凛々しく映るステップでステージを回り、色造 空と向かい合う位置に移動する。
「さあ、お姫様の登場だ。拍手で出迎えてあげてくれ」
空が作り出したシャボン玉の中、二人の間を甘味 恋歌が進み出、観客に向かって優雅に一礼する。
「皆さまにどうか、楽しんでいただけますように」
淑女の笑みを向けた恋歌が、曲に合わせて透き通った歌声を披露する。
深い深い森の中 小さな国のお姫様
背中に付けた小さな羽がぱたぱたと舞い、まるで妖精の国のお姫様といった佇まいだった。
「ここからはテンポを上げていこう」
歌が一区切りついたところで、空がシャボン玉を作っていた小道具をしまうと、それを合図として流れる曲が落ち着いたものから陽気なものへと変化する。
「実は今日、吾輩の友人も応援に来てくれたのだ。だがここに来るまでに疲れてしまってな。
姫、この者に魔法をかけていただけないか」
「分かりました。……えい!」
空が取り出した二体の人形に、恋歌が魔法をかける。指先からパチッ、と火花が散り、やがて静止していた人形がむくり、と起き出して音楽に合わせて踊り出す。
「はは、友人も楽しんでいる。さあ、皆も一緒に!」
くるくると回る人形の間に立ち、空も一緒になって踊る。彼の纏う衣装に付けられた宝石が曲に合わせて明滅し、会場を盛り上げるのに一役買った。
「陽気な時間はあっという間に過ぎ、辺りに夜の闇が落ちる。
昼間の穏やかな雰囲気とは違い、荒々しい獣の雄叫び、そして空には巨大な竜が羽ばたく」
そして音楽が途切れ、再び宗麟が語りを入れた後、今度は激しいアクションを交えたダンスを披露する。空の奏でる音楽と恋歌が発する火花が、二人の周りで踊る宗麟のターンやキックに被せられ、迫力を生み出す。
「とうっ!!」
最後に宗麟がバク宙を行い、右手を横にスライドさせてからの左手を曲げてガッツポーズを決めると、彼の背後に稲妻が出現した。
「夜闇を斬り裂く竜の咆哮! DraGO! リントヴルム!」
ライブの最後に恋歌が、自分と空、宗麟の頭上に星を描く。
「ご鑑賞いただき、ありがとうございました」
「舞台上で輝く三星、【ドライ・リヒト】をよろしくな!」
観客へ笑顔を送った空へ、恋歌と宗麟へ、観客から惜しみない拍手が送られた。
ステージから、子供の頃に一度は必ず聞いたことがあるであろう音楽が流れ出す。
「そうです、皆さんもよく知っている、あの体操の歌です。
後半戦始まりましたが、まだ眠いという方も居ると思います。ですのでわたしたちと一緒に、朝の体操をしませんか?」
ステージに立った氷華 愛唯が、マイクではなく拡声器で観客に呼びかける。
「なんか、昔を思い出すねぇ」
「いやあ面白い。ちょっとやってみようか」
そのパフォーマンスが特に親世代や、スカイタワー関係者にヒットし、徐々に雰囲気が体操の流れへと傾いていった。
「まずは体操の前に、少し声を出していきましょう。わたしたちと一緒にさん、はい!」
愛唯が観客を先導するように歌い、その左に氷長 雪兎が電子化されたオルガンで伴奏を行い、自身と対称の位置に立った小鈴木 あえかと息を合わせてのコーラスを被せる。
「お客様……乗って、くれてる……嬉しい……」
「それ、ワン、ツー、スリー!」
歌が終わり、演者と観客がそれぞれ拍手で互いを称え合う。
「では、いよいよ体操の時間です。
皆さん、腕を大きく振って、背伸びの運動から始めましょう」
続いて体操の時間となり、愛唯が発する声に雪兎が音を合わせ、あえかが実に美しいお手本を見せて観客と一緒になって体操をする。
「いち、にい、さん、し……。はー、なんだかすごく目が覚めるよ!」
ステージの脇で同様に体操をするPRESENT SMILEメンバーも、そして観客も表情に活気が満ちていた。
「プレスマさんも、お客様も……この後の、フィナーレ……バッチリ、楽しんで」
「元気になりましたか? もしお客様の中でどうしても、という方が居ましたら、わたしたちあちらの救護テントに控えていますので、気兼ねなく訪れてください」
最後に雪兎がPRESENT SMILEメンバーと観客へメッセージを送り、あえかが救護テントの方を指して気遣いを見せると、観客から三人へ温かな拍手が送られたのであった。
「小十郎の今度の演武は二刀か……武蔵の国繋がりだな!」
「……いや、そういうつもりではなかったが。それに武蔵国と宮本武蔵が結びつくのだろうか」
「なんだ、違うのか? でも客は二刀と来たら連想するのはやっぱソレだろ」
「ふむ、それは理解できるが……」
ライブ前、睡蓮寺 陽介のかけた言葉に堀田 小十郎が考え込む仕草を見せる。
「いいじゃねぇか。要は観客が楽しめれば、それで言いっこなしだぜ。
眠気をぶっ飛ばすくらいキレッキレな演武にしようぜ!」
ハハハと笑って、陽介がステージの演出用意のために出ていった。
「……陽介らしいな」
「あ、えっと、十くん」
陽介の背中を見送った小十郎が、かけられた声に振り向けばそこには睡蓮寺 小夜の姿があった。
「演武、がんばって。……わたし、十くんが今日のために二刀の演武を毎日練習してたの、知ってるから」
「ああ、ありがとう。小夜も陽介と一緒に演出を手伝ってくれるのだろう? 私も二人の厚意に恥じぬ演武をすると約束しよう」
応援の言葉を送った小夜が、陽介に続いてステージの演出用意のために出ていく。
(強化イベントに興味はあったが……私が示したい武はこちらにある。
まだまだ未熟な私だが……スカイタウンの皆に私の人生を見てもらおう)
決意を固めた小十郎へ、ステージの準備が整った旨が伝えられる。
(よし、行こう)
ステージに立った小十郎を、まるで太陽の光のような灯りが照らす。幻想が辺りを包む中、小夜の発する透き通った声が朝の目覚めを告げ、眠りに落ちようとしていた観客を呼び戻す。歌はしばらくの間続き、観客の注目がステージに集まったところで、小十郎がそれぞれの手に一刀を握り、構えを取る。
『――――!!』
振られた刀のそれぞれから、音叉のごとく張りつめた音色が響く。風をまとった小十郎の身体は軽やかに、それでいて力強く動いて神速の斬撃を生み出す。剣が振るわれるたび吹雪が舞い、それも擦れ合って旋律として仲間に加わる。
(いいぜ、練習の時より、ノッてる。これは演出にも気合が入るぜ!)
陽介が合図を送ると、灯りをもたらしていた提灯が燃え出し、より強い光を生み出す。
(いつも勇気をもらっている私だから……今日くらいは頑張っている人を応援しよう……!)
小夜の想いがこもった歌声が小十郎と、彼の演武を真剣に見つめる観客へ癒やしを与える。
『――――!!』
ひときわ強い音色を響かせ、小十郎の二刀が空を斬る。ゆっくりと息を吐いた小十郎が剣を収め、観客に向かって礼をすると、そこでようやく思い出したように観客は拍手を送り、歓声をあげるのであった。
体操、演武と身体を動かすライブが続いて、そして次にステージに立った鈴木 太郎のライブは、まさに『筋肉ライブ』と呼ぶべきものだった。
「おぉ、筋肉すげぇ……」
「いや脇腹まで筋肉ついてるのやべーだろ。あれじゃボディ効かねぇぞ」
筋肉を魅せつける太郎へ、深夜明けのハイテンションも手伝って賞賛の声が上がる。
(観客の反応がいい……よし、みんながしっかり築き上げてきた勢いを引き継げているみたいだ。
この調子でライブを盛り上げていきたいな)
観客の反応に調子を良くした太郎が、より熱く、さらに熱く、途方も無く熱く筋肉を隆起させる。その熱に会場がヒートアイランド現象を起こして気温が上昇する中、
(……ここだ! ここでギャップを狙う!)
一瞬のチャンスを逃すまいと、太郎が観客の度肝を抜く場所から鈴を取り出すと、
『チリーン』
鳴らした。
『○○✕✕△□☆★!?!?!?』
それが見事導火線となり、会場は未曾有の盛り上がりに包まれる。
(決まった……!)
両腕を高く突き上げ、太郎が感動の涙を流す――。
(フッ……ライブ時間も残りわずか。プレスマも観客も疲労が溜まっている。
ここで勝負を仕掛け、勝負の体を装ってハーレムを成し遂げる! やはり俺は天才だ)
涼しい顔をしてそんな企みを抱いた死 雲人が、早速PRESENT SMILEのところへ行き、「俺とどちらがお互いのライブをサポートできるか勝負だ」と宣言する。
「うーん、よく分からないけど勝負を挑まれたからには受けて立つよ!」
光凛が雲人の言葉を買い、ここに真剣勝負が成立する。
(やはり判断力が相当鈍っているな。俺と共に踊り、そして俺のハーレムになるがいい!)
勝利を確信した雲人がやはり涼しい顔のまま、下種な笑みを心に浮かべた――。
しかし現実には予想外というものが存在する。
ひとつ、お宝チェックで人の体調まで見抜くのは無理があること。
ふたつ、プレスマメンバーは結構な頻度で休憩を入れることができていたこと。
みっつ、直前に筋肉ライブが行われていたこと――。
「ぐはっ……」
雲人がステージに突っ伏し、勝敗が決する。
「勝ったー!」
光凛が両腕を高く突き上げ、勝利の喜びに浸る。……勝負は途中までは雲人の思い通りになったが、最後何故かシンクロ速度が徐々に上がっていき、雲人の方がついて行けなくなって倒れてしまったのであった。
「お、俺は天才のはず……何故だ……」
敗北の原因を見いだせぬまま、雲人はそのまま意識を失い救護テントへ運ばれていった。そして勝者であるPRESENT SMILEへ盛大な拍手が送られる。
「……これって結局何の勝負だったのかな?」
「なんでしょうー。楽しかったのでいいのではないでしょうかー」
「……やりきった」
PRESENT SMILEメンバーが声援に応えているところへ、朝方にフェイトスターアカデミーを発った撫子がライブ会場へ到着を果たした。
「あっ、撫子ちゃん、お疲れさま! 到着おめでとう!」
光凛が労いの言葉をかけたちょうどその時、時計が13時を知らせる。会場に集まった観客の視線が、ステージ上のPRESENT SMILEメンバーへと向けられる――。
「25時間ちょーーー耐久ライブ、終了ー!
みんな、楽しんでくれたよねー!」
観客が一番の歓声で応え、そして盛況の内に25時間ライブは幕を下ろしたのであった。



