トップアイドルたちが最後に到達する天上の世界――芸能界。
　それぞれが独特な文化を持つ天空の島々、チャンネルが無数に浮かんでいますが、
　現在はチャンネル間にノイズの霧がかかり、飛空艇での渡航が出来ず孤立したチャンネルも多いようです。



　深いノイズの霧で最近まで島ごと閉ざされていたチャンネルの一つ、ビブリオ・チャンネル。
　島全体が巨大な図書館として機能している、学者たちの聖地ともいえるチャンネルです。

「『ぐらんすた、びぶ……ちゃんねるの危機を救う！』とは巷で騒がれているものの、
　当の島の人々はむしろ浮かぬ様子であられるっす……？」

　グランスタの活躍によりビブリオ・チャンネルと航路の安全が確保され、自由に行き来することが出来るようになったと報じられたのはつい先日の話です。
　バス＝テトに選ばれ“芸能人”となったフェスタ生の緑青　木賊とキング・デイヴィソンも、現地の視察のオファーを受けてこのチャンネルを訪れていました。

「ううむ、そのようだね。
　これからこの中央広場でグランスタ会長烏扇統夜が演説を始めるって話だけど、一体この騒ぎは――」

　ビブリオ・チャンネルの住民と思われる人々が、何やらプラカードを手に中央広場に押し寄せていました。
　プラカードには、「烏扇タワー建設反対！」と大きく書かれています。

「ああ、何だかあれだけで全てを察することが出来るね……。
　しかし皆あれだけ興奮していると、怪我人が出てしまいそうだ」

　キングはすぐさま人々を落ち着かせようと広場へ進み出ました。芸能人の登場に、皆が自然と道を開けていきます。
　しかし、そこへ――

「ば、化け物だああっ！！」

　反射的に身構えた木賊の目に飛び込んできたのは、悲痛な叫び声を上げながら建物を薙ぎ倒す巨大な炎の鳥の怪物でした。
　よく見ると胴体に他の生物らしき顔がたくさん付いている、不気味な姿をしています。

「これは……。確かに“のいず”を感じるものなれど、化け物と呼ぶには何かが――」
「どけ。俺の獲物だ」

　その時、怪物の前に躍り出たのはグランスタ所属のアイドル渋蔵鷹人でした。
　同時に、上空を飛ぶ飛空艇から烏扇の声が響きます。

『この期に及んで下らん抵抗を続ける諸君、安心したまえ。我々は何度でもこのチャンネルを救ってやろう。
　――そして今度こそ知るがいい。誰がこのチャンネルを導き統べるに相応しいかを！』

　大剣を炎の鳥に向けて構える鷹人に合わせ、グランスタ部隊も周囲に控えているようです。
　この場は彼らに任せ、木賊たちはまず人々の避難を優先させようとしましたが――

「ま、待って！　僕たちのエレメントを殺さないで……！
　あれが消えちゃうと、僕らの魂まで――」

　小さな少年が必死に鷹人の背に縋り付きました。どうやらビブリオ・チャンネルを守る司書の一人のようです。
　しかし鷹人は無感情に少年を振り払い、炎の鳥へと容赦の無い一撃を放ちました。低い金属音が広場に響きます……！

「渋蔵……。お前は今、何のために剣を振るう？」
「てめぇ……」

　そんな鷹人の剣を刃で受け止めたのは、堀田　小十郎でした。彼もまた“芸能人”としてこの場に呼ばれていたのです。
　しかしその小十郎の剣も、鋭いペン先と瘴気の刃によって押し戻されてしまいました。

「そりゃ怪物を倒した英雄として、“芸能人”になる筋書きが鷹人くんには確約されてるからね」
「むんっ？　そうだったのか！　友の立身出世は応援しないとな！　して、あの燃える鳥は何なんだ？」

　鷹人に加勢するようにして現れたのは、まるで何も分かっていなさそうな穢ノ神ナオヤと、全てを分かっていそうな左脳でした。
　左脳はグランスタ部隊やフェスタ生をぐるりと見回して、にっこりと目を細めます。

「というか――そろそろ俺達グランスタに後ろめたいことをしてる自覚がある人も、この際はっきり言いたいことを言った方がいいんじゃないかね？
　言っておくけどねぇ、あのねぇ、オタクはちょっと仲間外れにされるとめちゃめちゃ傷付くんだからね！」
「いや、お前は年長の癖にそういうところが面倒そうだからと夕崎が――あッ！」

　思わず叫んだ司馬　八咫子の口を芹沢　ナズナが黙って押さえましたが、後の祭りでした。
　彼女達が秘密裏に結成した『グラン・レジスタンス』はグランスタの陰謀に対抗するためのもので、まだグランスタ内でもその存在を知る者は多くないはずです。

「何か、お前をそこまで突き動かす訳があるのだろうが……考え直す気は無いのか、渋蔵」
「……何で止める。下らねぇ差別や偏見を無くすためにも、根本から塗り替える烏扇のやり方は間違ってねぇだろうが。
　俺は“あいつ”との一番最初の約束通り、テッペン取って世界を変える。――芸能人ってのになってやる」

　譲ろうとしない鷹人の様子を見て、小十郎をはじめとするフェスタ生たちは熾烈な戦いの始まりを直感しました。
　その背後では、炎の鳥が悲しそうな雄叫びを上げていたのでした――。

「ヒロイックソングス！」運営チームです。
トリガーシナリオ、「V.S.グランスタ！　前編」をお送りします。
※当シナリオはトリガーシナリオですが、定員は無制限となっております。

今回の舞台は芸能界となります。
どなたでもご参加頂けますので、お好きなパートをお楽しみ頂ければ幸いです。

また、関連クエストとなる
・メインクエスト第三話「グラン・レジスタンス」
も本日リリースされています。
プレイしていなくともお楽しみいただけますが、プレイしている場合、より理解の深まる内容となっております。

シナリオのルールや遊び方につきましては、下記をご確認ください。

●プレイガイド「シナリオアクションの書き方」
●マニュアル「シナリオ」

シナリオに参加したら、下記のアクションパートから一つを選択し
アクションを作成、投稿してください。

◆ご注意
シナリオで使用できるスキル・アイテムはアクション投稿時に装備しているものだけとなります。
ただし、ポケットに装備しているものは反映されませんのでご注意ください。

■プロダクション参加
このシナリオでは「プロダクション参加」が可能です。
所属している・あるいは所属したいプロダクションを、アクション送信時に一つ文末に明記してください。
例：「【フェスタプロダクション】」

リアクション返却後にプロダクション名簿が更新され、プロダクションランクに応じた報酬が支給されます。
プロダクションについて、詳細はワールドガイドをご確認ください。

■スタースコアの付与
シナリオに参加していただいた方には、スタースコアがもれなく＋10点付与されます！
さらにシナリオ中で活躍したキャラクターには追加で付与が行われます。

また、このシナリオで活躍された方には、特別な称号をお送りすると共に
ビブリオ・チャンネルの芸能神から芸能界デビューが認められ、
今後公開されるトリガーシナリオのシナリオガイドに登場します！


○基本的な状況
・最近までノイズの霧に包まれていたのをグランスタに救われた、学者達の聖地「ビブリオ・チャンネル」。グランスタは対価としてチャンネルの譲渡を要求していました。
・抵抗するビブリオ・チャンネルの住人を弱体化させ、チャンネル外にも要求の正当性を認めさせるために、烏扇は内密に捕らえていた怪物を広場に放ちグランスタのアイドルに倒させようとしています。
・しかしその怪物は高位のミネルヴァである司書たちの智精『エレメント』集合体の成れの果てでした。通常のエレメントと異なり、これを殺すとそのスクロールを持つ司書たちも魂にダメージを受け半永久的な眠りに就いてしまいます。このことは司書本人たちとグランスタの上層部しか知りません。
・このままではビブリオ・チャンネルはグランスタに支配され、地球でも教育や文芸の自由をグランスタが独占してしまうでしょう。そのため、エレメント集合体をグランスタから守り、元のエレメントに戻す必要があります！

【１】エレメント集合体を守る　難易度：４
ビブリオ・チャンネルの高位のミネルヴァたちは、ノイズに抵抗するために人知れず特別な技術でエレメントの集合体を生み出しました。
しかしそれはチャンネルに平和が戻った後も、ノイズに冒された状態でグランスタに危険生物として捕えられていたのです。

グランスタはエレメント集合体をあえて放してから倒し、救世主としてビブリオ・チャンネルを支配しようとしています。
また、エレメント集合体が死んでしまうとスクロール所持者の司書たちの魂が致命的なダメージを受けてしまいます。
そのため、エレメント集合体を倒そうとするグランスタのアイドルを止める必要があります！

・エレメント集合体について
巨大な炎の鳥の姿をしています。
理性は無く、時折空へ舞い上がりながら周囲の建物を破壊したり人を襲ったりし続けます。
また、放っておくと別のチャンネルに飛び立ってしまいさらに暴れ続けるかもしれません。
大きな被害が出ないように、エレメント集合体を引き付けたり、人々を避難させたりする必要もあるでしょう。

・グランスタ部隊について
3，4人の小隊を組み、鷹人を妨害しようとする者を攻撃します。
前衛に肉体派のアレス、厄介な中距離攻撃ヘルメスやミネルヴァ、後衛で回復やサポートを行うミューズとバランスのとれた編成です。

また、鷹人は基本的にエレメント集合体を倒そうとしますが、戦いを挑めば仕方なく応戦します。
隙が少なく、大剣による強力な一撃には注意が必要です。
エレメント集合体について詳しいことは知らないようですが、いずれにせよ倒すという決意は変わらないようです。
※鷹人に挑む場合、難易度は６になります。

※このパートでは、ナズナにアクションをかけこっそり共闘することが出来ます。
　また、ナオヤも上手く説得すれば共闘してくれるかもしれません。


【２】エレメント集合体を救う　難易度：３
【１】パートが成功しエレメント集合体の安全が確保された場合、
グランスタ側は集合体を倒すのではなく封印する作戦へシフトします。

集合体が封印されてしまうと、司書たちは魂にダメージを追うことはありませんがアイドルの力を失ってしまいます。
そうなれば彼らは芸能界にはいられなくなり、有力者を失ったビブリオ・チャンネルはいずれにせよグランスタに支配されてしまうでしょう。

また、エレメント集合体は、どうやらライブによってノイズを払い続ければ元のエレメント達に戻すことが出来るようです。
そのためライブ対決でグランスタのアイドルによる封印ライブを相殺し、さらにエレメント集合体のノイズを払いましょう！

・封印ライブとライブ対決
中央広場の真ん中で、ヘルメスとストーリーテラーの力を使う左脳が
「二度寝」や「着るこたつ」や「ふかふかの布団」などの快眠シチュエーションをテーマに非常に魅惑的なライブを行います。
これに惑わされず対抗し、「目覚め」や「誘惑に勝つ」ようなテーマでライブを行いエレメント集合体に呼び掛けを行いましょう！

・エレメント集合体について
封印ライブの影響でやや大人しくなっていますが、まだ暴れることもあります。
突然炎を噴くこともありますので、ある程度の対策が必要でしょう。

※このパートでは、八咫子にアクションをかけこっそり共演することが出来ます。
　また、ナオヤも上手く説得すれば共演してくれるかもしれません。


それではみなさんのご参加とアクションをお待ちしております。