「これは絶対に数字を稼げる！」

　某低迷番組のプロデューサーの大門寺が鼻息荒く言いました。

「パクリと言われようが何と言われようが、俺は数字が欲しい！」

　プライドも何もかもかなぐり捨てて周りのスタッフに喚き散らします。

「視聴率が取れる番組を作るぞ！！」

「でも、大丈夫なんですか？　夜の学校を貸し切って鬼ごっこをするなんて……」

「問題ない！　既に木校長には許可を取ってある！！」

「そ、そうですか」

「この出来によって俺の今後が決まるんだ！　俺は昇進がしたい！　出世したい！！　偉くなりたい！！！」

「…………」

　素直というか何と言うか。
　あまりの馬鹿正直さ加減が何故か憎めず、ついつい肩入れしてしまう長い付き合いのスタッフ達。
　だが、肩入れしてしまうのは、もちろん付き合いの長さのせいだけではない。
　今回の番組がぽしゃってしまっては、自分たちの生活にも支障を来してしまうのだ。

「頑張りましょう、大門寺プロデューサー！」

「おぉ！　分かってくれるか！！　心強い仲間がいて俺は嬉しいぞ！！」

　涙ぐんでいる大門寺をよそに、スタッフは裏で結束力を高めていくのだった。

「──それで、鬼はどうするんですか？」

「既に手配済だ。俺のやることに抜かりはない！　真っ白い面を付けてもらって、武器を持って追いかけてもらう」

「武器って……」

「いやいや、そんな危険を伴うようなものじゃない。捕まえるための小道具だ。髪を振り乱して迫ってくる様は恐怖だぞぉ～」

　ふひひひひひと、心底楽しそうに笑う大門寺に皆は苦笑した。

　
夜の学校での鬼ごっこ番組の撮影となります。
校舎のいたるところに定点カメラが設置してあり、逃げられる場所は校舎内とグラウンドです。

最後まで逃げ切った者には賞金……ではなく豪華食事（？）が出ます。
が、それもランクがあり、鬼ごっこ最中のゲームにクリアすると、食事のグレードがＵＰしていきます。
ゲームは誰が行ってクリアしても、全員のランクアップにつながります。

鬼は夜光塗料の塗られた真っ白い面を付け、髪は長髪・着崩れた羽織姿で追いかけてきます。
そして手には何故か女王様ムチを持っています。
暗闇に浮かび上がる顔と得も言われぬ風体に追いかけられる恐怖を体感してください。

仲間の救出に関してですが、番組撮影と知らずに校舎にいた生徒が既に捕まっています。
檻の近くに鍵があり看守の鬼がぐるぐる巡回しているので、隙をついて奪取し、
中に閉じ込められた仲間を救出しましょう。
カッコイイ姿を映像に収めてもらえるかも？？

ランクアップゲームは『くすぐり我慢チャレンジ』をしてもらいます。
単純明快、笑ったら負けよのゲームです。失敗すると鬼に捕まってしまいます。

みんなで逃げ切って美味しい食事をいただきましょう☆