マニュアル・ワールドガイド・プレイガイドでは、
「ヒロイックソングス!」をプレイする上で必要な情報がまとめられています。
セブンスフォールは、神獣という存在に守護された世界です。
石畳の街道やレンガで彩られた街並みは、中世後期のヨーロッパを想起させます。
人々は長大な壁に遮られた世界の中で、『神獣(ギフト)』を奉り、その声を聴き伝える『歌い手(プリースト)』を敬いながら生きています。
この世界ではかつて、魔法による一大文明……のちに『アーディバル』と呼ばれる、黄金時代がありました。
アーディバルの時代は今と違って『翼ある人々』が地上を治めていたといいます。
しかし進みすぎた文明は、世界規模の最終戦争『大戦禍(インジェンス・カラミタス)』をもたらしました。
地形が変わるほどの破壊をもたらした、恐るべきその戦争の爪痕は、2000年の時を経た今でも、古代遺跡などに見ることができます。
そして大戦禍を経て、荒れ果てた大地と、人々の心に救いをもたらしたのは、神獣たちであり、彼らと契約した歌い手(プリースト)たちでした。
神獣とつながった彼らの歌は、土地に活力を与え、天の恵みを呼びよせ、また同時に人々を心穏やかにする、奇跡の力を持っていました。
人々は、神獣と歌い手の力を借りながら、その感謝を信仰のよりしろとして、再び社会を築いていったのです。
その中でいつしか、アーディバル文明の建造物や知識は、大戦禍の残した悪しき遺産として、忌み避けられるようになっていきました。
街は古代文明から離れ、神獣の恵みが豊かな場所に築かれるようになり、そうでない場所には、人間以外のさまざまな生き物が居場所を築きました。
人間たちと、そうでないものたちは、そうして棲む場所を自然と隔てていったのでした。
しかし、人々が文明と社会を取り戻した現在。
忌まれてきた過去の遺物を紐解き、魔法の恩恵を復興しようとするものたちも現れました。
古代の魔法技術は非常に強力で有益なことは、誰の目にも明らかですが、その一方で、大戦禍の恐るべき歴史が繰り返されるのではないかという、強い懸念も広がっています。
セブンスフォールは今、平穏と発展を天秤にかけ、危ういバランスで揺れているのです。
2000年前に隆盛を誇った魔法文明アーディバルは、いつしか、互いを滅ぼしてしまうほどの戦争へもつれ込みました。
地を抉り海を焼く魔法を用いたその戦争は、わずか七夜で終わったと伝えられています。
たったそれだけの間に、人の住める土地はなくなり、わずかに生き残った人々も、神獣と出会うまでは、飢えや病で次々に倒れていったのだそうです。
その原因は支配者であった『翼ある人々』の乱心であるとも、悪魔が唆した結果であるともいわれていますが、真偽は歴史の闇に消えたままです。
世界を破滅に導いた恐るべきこの戦争を、人々は『大戦禍(インジェンス・カラミタス)』と呼び、戒めとしていい伝えてきました。
大戦禍の爪痕は様々な史跡としても残されていますが、そのうちでも特に大きなものが、『ディオライセ』と呼ばれる長大な壁と、『ディアグラータ』と呼ばれる七つの大穴です。
これらが何故できたのか、何者の手によって生み出されたのかといった知識は、2000年の時の中に風化してしまい、今となっては伝えるものもいません。
ですがこれらは、アーディバル文明の生み出した忌むべき負の遺産として、人々に言葉以上の存在感を放っているのです。
大戦禍から2000年を経た今も、アーディバル文明の建造物のいくつかは、壊れずに残っています。
それら古代遺跡には、古代魔術の知識や、技術の粋を集めた遺物などが眠っていることがあります。
日用品から兵器まで、その種類は多岐にわたり、様々な形で人々に還元されています。
そういったお宝を求めて、危険を顧みず、古代遺跡に乗り込んでいくものを遺跡探索者(アーティフィサー)、
また持ち帰られた遺物や知識について調べ、扱えるよう紐解くものたちは古代魔術師(ウィザード)と呼ばれました。
彼らは社会に恩恵をもたらす存在ですが、他方で、歴史を顧みぬ罰当たりだと恐れられてもいます。
大戦禍によって滅びに瀕した人々を救ったのは、世界各地の『神獣(ギフト)』と『歌い手(プリースト)』たちでした。
神獣と契約した歌い手たちは、奇跡を起こす歌の力を授かり、それによってやせた土地に恵みを、人々の心に安らぎをもたらしました。
そして、人々はみずからを導いた神獣を象徴として、国家を築いていったのです。
そのため、国によって祀られている神獣は異なりますが、どの神獣も人々に篤く信仰されています。
神獣たちがいつから存在し、何故人間に力を貸すのか、どのような姿をしており、何故『神獣(ギフト)』と呼ばれるのか――それらの秘密は、歌い手たちでさえ知りえない『王の契約』と深く結びついているといいます。
特別な『歌』によって奇跡を起こす異形の存在です。
小さなものは妖精から、大きなものはドラゴンまで、彼らは様々な姿かたちをしていますが、必ずその身のどこかに翼を持っています。
彼らはセブンスフォールの各地におり、心を通わした歌い手と契約を交わします。
契約を交わした歌い手は、神獣の歌を自らの声を通じて呼び出し、奇跡を起こすのです。
また神獣たちには、それをまとめあげる長と呼ぶべきものがいます。
村や町を守護する神獣たちは、さらに強大な神獣の意思のもと、人々を長くたすけてきたのです。
セブンスフォールにおける王とは、その土地の神獣の長と『王の契約』を交わした、歌い手の長を意味します。
『王の契約』とは、人と神獣の最初のかかわりであり、それを通して神獣は人を観ています。
王は神獣の声に耳を傾け、国のあり方を定める役目を帯びており、神獣に代わって歌い手の契約を司ります。
したがって、王なしに歌い手はなく、また王は常にその資質を神獣から試され続ける存在なのです。
国々の騎士は、その剣を神獣に捧げ、王に任じられて国を守っています。
そのため騎士にとって、神獣と契約を交わした歌い手は、特に守るべきものなのです。
有事の際、歌い手は騎士に守護を任せ、引き換えに騎士へ加護を与えます。
こうした互助関係を円滑にするため、騎士と歌い手は特定の相手とコンビを組むのが、一般的なならわしになっています。
腕ひとつで国を守る彼らの姿が、人々から畏敬と憧憬の視線を集める一方、当の騎士たちはそれに迎合することなく、騎士道と称される古いしきたりにのっとり、格式や位階、流派を重んじる傾向にあります。
もっとも、そういった性質でさえ、民草のあいだでは、特別な武具であったり、門外不出の技術といった、扱いに注意を要する秘密を抱えているためではないかと、まことしやかに囁かれています。
それぞれの国家は、少なくとも一柱の神獣の長を奉ってあります。
しかし、長がそれを認めたときには、複数の長とひとりの王が『王の契約』を交わして、ひとつの国を成すこともあります。
そして歌い手たちは王よりも自由であり、認められさえすれば、複数の国の神獣たちと契約を交わすことができます。
無論、国によって律令は異なるため、歌い手を外国へ出さない国や、他国の神獣との契約を禁じる国など、様々な例外があるものの、神獣たちは基本的に、契約した土地の人々を救うために結託することを躊躇いません。